人間関係

パワハラは誰に相談すればよい?オススメの2選

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最近、よく耳にするようになったパワハラという言葉。この意味をご存知ですか?

パワハラとは、パワーハラスメント(Power harassment)の略で、パワハラを受けるとは同じ職場の人から業務上で必要な指導などを除き、適正な範囲を超えて精神的、又は身体的に攻撃すること(苦痛を与えること)をいいます。

もちろん職場では、決められた仕事をきっちりとこなし、お客様(相手が企業でも一般顧客でも)のために良いサービスを提供するために努力し、改善などをしていかなければならない事は言うまでもありません。したがって、仕事で必要な指導、例えばお客様に迷惑をかけてしまって怒られたことなどはパワハラには当たりませんが、その適正な範囲を超えて攻撃される(苦痛を与えられる)とパワハラということになります。

例えば、「あなたは何故いつも同じ失敗ばかりするんだ。育った環境やあなたを育てた親の顔を見てみたい」のように、業務上の指導では必要のない事を相手に言うことはパワハラに当たるとされています。

では、実際にパワハラを受けたときに誰に相談すればよいのか、どの様に対処すればよいのかなどについて、実際の相談事例などもご紹介しながら解説をしていきます。

パワハラが相談しにくい理由

職場で行われたパワハラを相談できない方も多いのではないでしょうか。なぜ、パワハラの相談ができない方が多いのでしょうか?

パワハラは一般的に職場で上司から部下に向けて行われる精神的または身体的な苦痛を与えることをいいますが、自分自身の人事評価を決めるのが上司であったり、人事異動を決めるのが上司であったりする場合が多く、実際に職場の仲間にも打ち明けられないというケースもあります。

人は攻撃を受け続けると、その人のことを恐怖に感じ、他の人に相談して上司に対して何らかの迷惑がかかった際に、後々に何かされるのではないかという恐怖を感じることがあります。

また、上司からパワハラを受けていることを相談した後に、会社からその上司に対して軽い注意などで終わってしまった場合などは、その後の仕事は非常にやりにくくなる為、相当な限度を超えない限り相談しないというケースもあると思います。

それでは、相談するに当たって不安などがあって相談できない人はどの様に対応すればよいのでしょうか。

パワハラの相談をする時は、相談相手に自分の考えを伝える

パワハラを相談しにくい理由として、上記のとおり2点を挙げました。

  1. 相談した後に、パワハラを受けている上司から何かされる恐れがある
  2. 上司に対する注意が軽いもので終わってしまった場合は、その後の仕事は非常にやりにくくなる

人それぞれ相談しにくい理由はあると思いますが、パワハラを受けることによって身体的にも精神的にも大きなダメージを受けることには間違いありませんので、一人で抱え込まず相談するようにしましょう。その際に、必ず伝えなければならない事は、今あなた自身が心配していること(この記事では上記2点を挙げました)です。もし、不安があればなかなか相談はできないでしょう。したがって、相談した相手にパワハラと認定されるのかどうかや、認定されて上司が注意を受けた場合はどのようになるのか?などの意見から、あなた自身の考えをしっかりと伝えてみてください。

パワハラは誰に相談できるのか?

もしパワハラを受けた場合は誰に相談すればよいのでしょうか?

一番身近である家族などに相談することもあるでしょうし、同僚(仲間)に相談することもあるかもしれません。

しかし、受けているパワハラの度合いによって、会社の上司に対する対応も変わってくるでしょう。極端に言えば、毎日人の見えないところで暴力をふるわれていて、日常生活に支障をきたすレベルなのか、普段はパワハラを受けることはないものの、一ヶ月に一度くらいの頻度で上司の機嫌が悪いときに指導の範囲を超えた嫌みを言われるという事など、それぞれの度合いによって対応方法が変わってくると思います。

そういった観点からいうと、法律に詳しい人に相談するのが良いと思います。

弁護士事務所にパワハラについて相談する

まずオススメするのは、社外の相談機関に相談されるのが良いと思います。

社内の同僚(仲間)に相談することで、気分的には楽になったりもしますが、法的な事が分からないというデメリットがある上、社内でさまざまな噂が先行してしまう事もあります。噂は人から人に伝わるときに話が膨れ上がって伝わるケースが多く、あなた自身が逆に立場が悪くなってしまうこともあるかもしれません。(もちろん事実が知られることで立場が悪くなる事はないと思いますが)

最近では、企業コンプライアンスが重要視され、企業が弁護士事務所と組んでコンプライアンス違反の通報窓口などを設置している場合もあります。

弁護士さんに相談することによって、法的にもより専門的な意見が聞け、且つ多くのパワハラなどの案件を扱っている専門家であれば解決策を見出してくれるかもしれません。一度、相談してみるのもよいでしょう。

厚生労働省にパワハラについて相談する

企業が弁護士事務所や外部の期間と連携をとっているのは大企業または、中小企業の一部ともいえます。

それ以外の企業で働いている方々はどこに相談すればよいのか?

誰でも利用ができるオススメの外部相談機関を紹介いたします。厚生労働省が運営しているこころの耳をご存知ですか?心の耳では、電話相談としてフリーダイヤル(月火 17時~22時/土日 10時~16時)も設置されています。

働く人のポータルサイト、こころの耳では、パワハラは次のように定義されています。

パワーハラスメントの略で、職権などのパワーを背景にして、本来の業務の範疇を超えて、継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く関係を悪化させ、あるいは雇用不安を与えることをいいます。うつ病などのメンタルヘルス不調の原因となることもあります。

平成24年1月30日、厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」によると、職場のパワーハラスメント(パワハラ)とは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。」とされています。上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれます。

職場のパワーハラスメントの行為類型は以下のとおりです。(ただし、職場のパワーハラスメントのすべてを網羅するものではありません。)

  1. (1)身体的な攻撃(暴行・傷害)
  2. (2)精神的な攻撃(脅迫・暴言等)
  3. (3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
  4. (4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
  5. (5)過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
  6. (6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

引用:厚生労働省「こころの耳「パワハラとは?」」より

厚生労働省のサービスを利用することで、相談相手ができ解決への道筋を見つけることができるかもしれません。一人で抱え込まず公的な相談機関を利用してみるのも良いでしょう。

パワハラを解決する方法として

これまでにパワハラを相談できる機関の紹介などを行ってきましたが、最終的な目的としてはパワハラが無くなり気持ちよく仕事ができるようになる事でしょう。

この解決手法は、ケースバイケースではあるものの、まず企業、パワハラをしている上司、あなた自身の全てがパワハラをしっかりと認識してそれぞれが改善していくことが重要となります。

パワハラを撲滅させる為には企業が問題意識を持ち、その上司に対してしっかりとした注意や指導、時には法的な処置を取るという姿勢が必要となります。

そして、上司自身も注意されたことに対して真摯に謝罪し、改めなければなりません。

そして、あなた自身も勇気を持って相談し、もしその職場で気持ちよく仕事をしたいならば改善を上司やまわりの人に伝えて変わらなければならないかもしれません。

パワハラがある・ないだけでなく、まわりの人などからの助言なども含めて最善の対応を取るようにしましょう。

パワハラの相談に関するまとめ

最近では、日本すべての企業でコンプライアンスの重視が求められていて、大手企業をはじめとして既に強化している企業もたくさんあります。

しかしながら、会社経営をするにあたって注意や指導の範囲を超えている上司がいたとしても、その上司が営業マンのトップなどの場合は、今後の会社の経営などにも大きく関わってくるので、その上司を注意したり法的処置を取ったりしにくい企業があることも事実でしょう。

一人ひとり働く環境は異なりますので、対応策としての教科書なんてありません。

パワハラは一人で抱え込むのではなく、仲間や専門家などに相談の上で対応していくものです。

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