「就活は恋愛と同じだ!」という言われ方をよくします。
あなたも就活をしていると一度は「就活と恋愛は同じだから」といったアドバイスを聞いたことがありませんか?
そしてこの「就活と恋愛は同じ」というアドバイス、あなたはどう思いますか?
「面接は告白」であり「ESはラブレター」と言われれば確かに似ているような気にもなります。
さらに就活は企業とのマッチングであり、コミュニケーションが上手い人が勝ち進むといった点に共通点があるのかもしれません。
でも、就活と恋愛には決定的ともいえる大きな違いが3つ存在しているのです。
ここでは、就活と恋愛の大きな違いの3つ、
- 恋愛は「気分・感情」だけど就活は「気分・感情」で動くものではない
- 原則、「1対1」が恋愛、「1対複数」が企業
- 恋愛で大切な「好き」という気持ちが企業に持てるのか?
恋愛=就活はあり得ないと言えます。でも「恋愛で〇〇ができれば就活でもできる」ことはあります。それは印象操作です。
ここでは、
- 恋愛での印象操作力を就活で活かすための考え方
についても記載しています。
あなたのミスリードがなくなり、就活も恋愛も上手くいけば何よりです。
1, 恋愛は「気分・感情」だけど就活は「気分・感情」で動くものではない
あなたの就活はいつ始まりましたか?おそらく大学でのキャリア説明会やなかにはキャリア教育などから少しずつ意図的に準備をしていって就活は始まったことでしょう。
つまり、就活は言わば当たり前のように強制的に「よーいどんっ!」でスタートするものです。そして、スタートダッシュに出遅れた就活生は入念に準備をしていた学生に追いつくことは容易ではありません。
すなわち期日が決まっていて就活生が一斉にスタートを切るのが就活なのです。一方で恋愛はどうでしょうか?少なくとも恋愛のために入念に準備をして意図的に始めれるものではありません。
- 気付けば好きになっていた
- どこが好きかは分からないけど好きだ
- 理由はないけど好きになっていた
それが恋愛です。あるいは、
- 恋愛をしたいけど人を好きになれない
- 人を好きになる感覚が分からない
- どうやって人を好きになるの?
という恋愛の悩みを持っている人もいます。この悩みを考えれば就活と恋愛はそもそもが違いことが分かります。
「自由」な恋愛。「強制的」な就活。
就活はあなたの人生で基本的には不可避であり強制的に動き出すものですが恋愛はあなたの気分・感情次第です。
気分・感情がベースになる恋愛と気分・感情がない就活は決定的に違うと言えます。
恋愛をしているときは服装も自由ですが、就活にはリクルートスーツという縛りがある場合がほとんどです。つまり恋愛は自由が原則であり就活は強制なのです。
恋愛と就活が同じだという考え方はNGです。
恋愛は準備をしてもどうにもならないことが多いですが、就活は何よりあなたの準備次第できっと活路を見出せるはずです。
2, 原則、「1対1」が恋愛、「1対複数」が企業
恋愛をしているとき、あなたのターゲットはきっとあなたの好きな人です。少なくともお見合いパーティーにでも参加していない限り、第一希望は〇〇で第二希望は〇〇などとはなっていないことでしょう。
あなたはあなたの好きな人に振り向いてもらうために努力をします。そして、その努力をしているときにワクワクドキドキしていることでしょう。1人の人に好きなってもらうために頑張るのが恋愛だとしたら、就活はあなたと複数の企業とのやり取りです。
もしESがラブレターだとしたら、一斉に50通前後のラブレターを送ることになります。もしあなたの友達に一斉に50通のラブレターを50人に送っている人がいればドン引きすることになるでしょう。でも、就活でESを50通前後送ることは自然なことです。
それはESとラブレターがそもそも違うことを意味しています。
恋愛が「1対1」であるのに対して就活は「1対複数」が基本です。人一人を相手にする恋愛と企業複数を相手にする就活ではそもそもが違い過ぎると言えるでしょう。
3, 恋愛で大切な「好き」という気持ちが企業に持てるのか?
一目ぼれ体質なんていう言葉があるように、誰かを見てすぐに人を好きになる人は確かに存在します。でも、多くの恋愛ではお互いのことをある程度は理解した上で好きになるものです。
「一目ぼれ体質」や「とりあえず付き合ってみる」という人を除けば、恋愛ではお互いのことをお互いがある程度理解しているものです。
でも、就活では会社説明会や合同セミナーでの会社の情報やホームページなどで知る会社の情報など、本質的な理解に至らない情報ばかりをもとに志望企業が決まっていきます。
ごくまれに零細・ベンチャーに惚れ込んで入社する就活生もいますが、それは相当に稀です。多くの就活生は企業の本質に辿り着くまえにその企業を志望するのです。
その第一志望にした企業のことをあなたは好きになったと言えるでしょうか?仮に好きになったという場合にその好きは恋愛の好きと同じでしょうか?答えはきっと違うということになるでしょう。
恋愛で大切になる「好き」という気持ちと同じ好きという気持ちが企業に対して持てないとしたら、それは恋愛と就活がそもそも違う表れなのです。
恋愛での印象操作力を就活で活かすための考え方
ここまで就活と恋愛の大きな違いについて解説してきました。
就活と恋愛は本質が違うのです。ただ、唯一同じだと捉えていいこと、それが印象操作です。
心理学では印象操作のことを自己呈示と言います。自己呈示とは、
魅せたい自分を魅せるために印象を操作するコミュニケーション
とされています。そして、この印象操作は就活にも恋愛にも共通する項目です。
人から良くみられるために行うコミュニケーションは就活でも恋愛でも必要になります。
就活でいう自己PRは恋愛での自己PRととても良く似ています。あなた自身に悪いところがあると自分では分かっていても、相手(好きな人あるいは企業)に良くみられるために立ち振る舞うでしょう。
そして、良く魅せると同時にあなた自身の悪い部分を隠すようにもするでしょう。
就活と恋愛は似ているかと言われれば本質が違いますが、方法論として印象を操作するという点については同じであるとも言えるでしょう。
「就活と恋愛は似ている」はNG!3つの大きな違いとは?のまとめ
就活と恋愛は本質が大きく違うこと、
- 恋愛は「気分・感情」だけど就活は「気分・感情」で動くものではない
- 原則、「1対1」が恋愛、「1対複数」が企業
- 恋愛で大切な「好き」という気持ちが企業に持てるのか?
それぞれで解説しました。
それでも就活と恋愛が似ていると言われる理由は、
- 印象を操作することで自己PRをすること
- 相手の良い部分を探る必要があること
などが共通項としてあげられるからでしょう。
それでも就活と恋愛は似ていると考えてはいけません。
たとえば恋愛では相手の悪い部分が付き合ってから見えてきてもある程度であれば二人の関係のなかで改善や修復を促すことが可能です。
でも就活では、企業の悪い部分が働き出してから見えてもそれを改善するにはあなたが偉くなる以外に道はないとも言えます。
つまり就活では恋愛以上に大切になることは「志望する企業の良い点と悪い点をきちんと見抜く」力を持つことだと言えます。