就活では「就活の軸」が必要になるといった言葉をあなたは耳にしたことがないでしょうか?
実際に就活では「あなたの就活の軸を教えてください」といった質問を面接官からされることがあります。
そのときに、面接官のイメージしている回答と異なった回答をしてしまった場合に、その回答が致命傷になることさえあります。
また、「就活の軸」は一般的には企業選定の軸であるともされています。
ではそれほどに大切な「就活の軸」とは一体どのようなモノなのでしょうか?
そして就活の軸はどのように活用すべきなのでしょうか?
ここでは、
- 「就活の軸」とは?
- 「就活の軸」を作るための3ステップ
- 「就活の軸」を上手く活用するには?
について記載しています。
就活は出会いの連続であり、チャレンジの連続です。
そしてもしかすると失敗することの方が多いのかもしれません。それでもぶれない「就活の軸」さえ持っていればきっと就活は上手くいきます。
私が2009年から就活塾を運営してきて導き出した一つの答えは、就活での成功にはメンタルの強さが強く結び付いているということです。
そんなメンタルタフネスを形成するためにも就活の軸は非常に大切です。
この記事を読んであなたの就活の軸がきちんと定まり就活を笑顔で終われることを願っています。
「就活の軸」とは?
就活の軸とは企業選びの軸とも称されます。つまり就活の軸とは企業を選ぶ上で持っておくべき軸ということになります。
例えば、
- 多くの人と関わる仕事がしたい
- 役に立っていることを実感できる仕事がしたい
- 得意な英語を活かした仕事がしたい
- 海外で勤務したい
などが就活の軸になり得ることでしょう。
つまりあなたの心にある「想い」や「希望」こそが就活の軸になるものだとも言えます。
就活では自己分析が必要だったり就活の軸が必要だったり様々なモノが必要になります。
でも自己分析や就活の軸も就活に必要だから作ろうとしてしまうと義務感が伴ってしまい、自由な発想を失ってしまうものです。
あなたの人生の主役は間違いなくあなたです。まずは自由な発想でなりたい自分や理想の自分を強くイメージしてみてください。
そこから就活の軸は必ず見えてきます。
就活の軸は作らなければいけないから作るのではなく、作りたいと自発的に思うこと
がとても大切です。無理に作ろうとした就活の軸では必ずと言っていいほど「軸ぶれ」を起こしてしまうものです。
確かに就活の軸は必要になります。でも作らなければならないという義務感を伴って作ると結局は意味のある就活の軸にはなりません。
ここでは就活の軸を作る上で必要な心構えについて見ていきましょう。
就活の軸を無理に作ろうとしない
就活の軸や自己分析も同じですが、その言葉に翻弄されてはいけません。
特に就活の軸については、無理に作った就活の軸で就活を推し進めてしまうと必ずと言っていいほど「ミスマッチ」を起こしてしまいます。
ミスマッチを起こしていることを分かっていて得た内定で就活を終えてしまうと取り返しがつかなくなってしまいます。
事実厚生労働省の発表している「新規学卒者の離職状況」のうち、直近のデータとして存在している3年以内の離職者の数(平成27年の大卒者の離職状況)は次のようになっています。
厚生労働省HP「 新規学卒者の離職状況」より
大卒での就職者数441,936名のうち140,660名もの人が3年以内に新卒で入社した会社を辞めているというデータがあります。その割合は実に3割を超えています。
これは、
- 就活の軸が本当の軸ではなかった
- 就活の軸が就活のために作られた軸だった
人たちが多かった現れとも言えます。
就活の軸は就活の軸として存在してはいけません。就活の軸はあなたのキャリアの軸として存在しなければなりません。
就活中のあなたはきっと焦りや不安から視野が狭くなっているのかもしれません。でも焦りや不安をもとにして動いても良い結果にはなかなか至らないものです。
就活の軸はあなたのキャリアの軸です。焦らず、慌てず諦めずに就活の軸を考えていきましょう。
就活の軸はあなたのキャリアの軸であるべき!
就活の軸は一般的には企業選びの軸とも言われます。でも、それは就活に限定された軸になってしまうこともあります。
就活の軸≒企業選びの軸であり、就活の軸=キャリアの軸
です。
あなたがもし「就活の軸が見つからない」「就活の軸がなくて不安だ」と感じている場合は、次の一文を完成させてください。それは、
私は〇〇〇な人間だから〇〇〇なキャリアを歩んでいきたい。
この一文を完璧に完成させることができればあなたの就活の軸=キャリアの軸は完成します。
そして、この一文を完成させる作業は自己分析です。
就活の軸を作ることと自己分析はそれぞれ独立した作業ではありません。自己分析によって、
私は〇〇〇な人間だから〇〇〇なキャリアを歩んでいきたい。
という一文を導きだせたとき、あなたの就活の軸は完成したとも言えるでしょう。
就活の軸はあなたのキャリアの軸でもあります。
そしてぶれない就活の軸を作ることはあなたのメンタルタフネスを形成してくれます。そのことが就活の内定にもつながっていきます。
大切なことは自己分析や就活の軸を作る作業をワクワクして行うことです。あなたのドラマのあなたの仕事はあなたが決めれます。
そんなワクワクした気持ちを持って就活の軸を作るようにしましょう。
「就活の軸」を作るための2ステップ
ここでは就活の軸を作るためのステップを3段階に分けて解説しています。
一つ一つを楽しみにながら行うことがぶれない軸を作るためのポイントだということを忘れないでください。
STEP1, 過去分析からあなたの性格や特徴を考える
過去分析のなかには様々なやり方や方法論が存在しています。
例えば、
- 好きなこと
- 嫌いなこと
- 取り組んできたこと
- 得意なこと
- 苦手なこと
などを項目ごとに書き出す作業などがあります。あるいは、
- 中学校時代に取り組んでいたこと
- 高校時代に取り組んでいたこと
- 大学で取り組んだこと
など時期ごとに書き出す作業もあります。
でも、この作業はあなたにとってマイナスではありませんが、大きなプラスがないとも言えます。それは、
就活でこだわるべきは過去ではなく未来
だからです。多くの就活生は性格や特徴を判断するために過去のあらゆる出来事や感じたことにフォーカスを当てます。でもそれは得策ではありません。
やるべきはあなたがこれまでに歩んできた人生のなかで追い込まれた環境や大きな分岐点で何を基準に、何を軸に判断をしたのか?その判断の基準と判断材料になったものこそが就活の軸とリンクする部分です。
判断した内容や材料をよく思い出してみるようにしましょう。追い込まれたときや分岐点で判断した材料などがあなたの性格や特徴が最も的確に表出していると言えます。
様々な項目や時期から過去の自分と向き合う必要はありません。あなたが大きな物事を判断したときの基準こそがあなたの特徴や性質であり、就活の軸の一つである
私は〇〇〇な人間だ
を完成させるための材料になります。
まずはあなたが最も逆境に追い込まれたときや大きな判断を迫られたときの自分自身のココロの動きを回想しましょう。そしてそこからあなたが持っている基準を思い出してみましょう。
そうすることで、
私は〇〇〇な人間だから〇〇〇なキャリアを歩んできいきたい
の前半部分が完成します。これでSTEP1は終了です。
SETP2, あなたの未来を強く意識する
次にSTEP1よりもはるかに大切になる作業が後半部分である、
私は〇〇〇な人間だから〇〇〇なキャリアを歩んでいきたい
の部分です。
ここまでに何度も記載していますが、就活の軸はあなたのキャリアを判断するための軸であり、過去に強く縛られたり囚われる必要はありません。あなたが主役であるあなたの人生の歩むべきキャリアを決めるための作業です。
自分自身の人間性を正しく判断して、目標や想いをのせて歩んでいきたいキャリアを完成させていきましょう。その際に過去の失敗経験もあなたの財産です。例えば、人付き合いが苦手だったことがウィークポイントだと感じている人は、人付き合いが誰よりも上手くなりたいと望むからこそ人と多く関わる仕事に就きたいといった具合にとにかく未来にこだわり続けることです。
もちろん得意な内容や特徴を最大限に活かして、強みや性格的な特徴を最大限に活かす道を選定してみても良いでしょう。
とにかくあなた自身があなた自身の未来を強く意識して、歩んでいきたいキャリアを明確にしていきましょう。
「就活の軸」を上手く活用するには?
私は〇〇〇な人間だから〇〇〇なキャリアを歩んでいきたい。
この一文が完成すればそれこそがあなたの「就活の軸」つまりは「キャリアの軸」です。
この軸を基準にあなたの想いを叶える企業を探すことが就活の軸の活用となります。
歩んでいきたいキャリアを最大限に後押ししてくれる環境があったり、人間性が活きるフィールドがあればあなたの想いを叶てくれる可能性がある企業ということになります。
就活の軸を上手く活用して企業にアピールするように心掛けましょう。
就活の軸は何ですか?という質問の場合
就活の軸は何ですか?と聞かれたときは、就活の軸をベースに企業にアピールをする好機となります。
実際の回答の流れは、まず就活の軸を伝えることです。
「私は〇〇〇な人間です。だから〇〇〇なキャリを歩んでいきたいと考えています。」
次に、「実際には〇〇〇」といった具合に軸と志望動機をリンクさせていく発言を心掛けましょう。その際には注意が必要です。
就活の軸は一貫しますが、就活の軸を活用する際には各企業への志望動機とリンクさせていく必要があります。その際には、
- 誰にでも当てはまる理由は避ける
- どのこの企業にも当てはまる理由は避ける
の2点に注意が必要となります。せっかくあなただけの就活の軸が出来上がったのに活用するときに汎用性が高くなってしまっては意味がありません。
就活の軸をアピールするタイミングをチャンスと捉える
- 就活の軸を聞かれたらどうしよう?
- 就活の軸をきかれたらまずいな。
このような思いを持っている場合は就活の軸をいまいちど整理しましょう。でも、就活の軸を聞いて欲しいと思えているあなたは90秒程度で
就活の軸がどこにあり、どのような思いで創り上げたのか?そして、その軸をどのように活用していくことで志望企業に貢献できるのかをまとめておくようにしましょう。
就活の面接では緊張がつきものになり勝ちですが、就活の軸が決まっているなら面接の時間はあなたが主役になれる絶好のチャンスです。ほとんどの面接で質問されると分かっている「就活の軸」だからこそ、きちんと整理して伝えることができるようにしておきましょう。
「就活ではなぜ『就活の軸』が必要なのか?」のまとめ
「就活の軸」が必要な理由は、
- 面接で必ずといっていいほど聞かれるから
- 企業を選ぶ上で必要になるから
だと言えます。でももっと大切なことは就活の軸があなたのキャリアの軸になっていくからです。
日本の就活は新卒一括採用が根強いです。それは残念ながら、新卒での就活の失敗がキャリアに大きなダメージを受けることを物語っています。
もちろん多くの人との出会いや経験を通じて「就活の軸」はアップデートされていくことはあります。それでも根底にあるあなたの人生の主役はあなたであるということに変わりはありません。
あなたがこれまでに生きてきた人生のターニングポイントでもある就活を最良の結果で終わるために「就活の軸」は必要になってきます。
就活の軸を作ることが義務や焦りからではなく、あなたの人生におけるキャリアをより良くしていくための作業であるといったワクワクした気持ちを持って取り組めたら素敵ですね。
就活の軸が必要な本当の理由はあなたのキャリア人生を充実させるためだと言えます。未来に大きな希望と可能性を抱きながら「就活の軸」を作っていきましょう。それがあなたのキャリアアンカーになると同時に就活で軸ブレをしないメンタルタフネスを形成してくれることでしょう。