付き合って「嬉しい」「楽しい」といった気持ちを味わっていたのも束の間、気づけば恋人からの束縛に苦しんでいるという人も多いことでしょう。
ここではそんな恋人からの束縛に苦しむ人のために、
- 束縛する男女の心理
- 束縛する恋人への効果的な対処方法
について紹介します。
記事を通じて、あなたの苦しみが少しでも楽になれば何よりです。
そもそも束縛って何?
少し恐ろしい話しになってしまいますが、日本犯罪心理学会のコラムに次のような文章があります。
引用:日本犯罪心理学会
心理学会では束縛を束縛行為と呼び、その行為が過剰に表出すると「危険である」と警笛を鳴らしています。
そんな危険性を孕(はら)む束縛であることをココロに留めておいた上で、簡単に恋愛における束縛を整理しましょう。
恋愛における束縛とは、
束縛とは…対義語には自由があり、自由の真逆となる他人との交流や時間など、あらゆる自由に制限をかける
ことと解釈して良いでしょう。
「束縛」と「過度な束縛」を線引きしておこう
あなた自身にゆとりがあるときは、「束縛は愛情の表れだ」と楽観視できるでしょう。でも、過度な束縛は「行き過ぎた愛情表現」であるとも捉えることができます。
あなたが恋人から束縛をされていると感じている場合、それは少し歪んだ形での「愛情表現」だとも理解できます。愛情のない相手を束縛することはまずないので、やはり「束縛=愛情(表現)」に分類できるでしょう。
ただし、この歪みを持つ愛情表現が過度に表出した場合には、やはり注意が必要になります。そんな「過度」のボーダーライン、境界線を見極めることは難しいですが、あなた自身が強い「違和感」を感じるようになったとき、それは行き過ぎた愛情になっていると解釈しましょう。
束縛行動(行為)の「あるある」をチェックしてみよう!
あなたが受けている束縛は異常なモノなのか、あるいは周囲の人も経験している程度なのか?ここでは世間で頻出している束縛行動「あるある」を少しだけチェックしてみましょう。
束縛あるある:スケジュールを管理されている
予定を頻繁に、かつ詳細にチェックされている場合は「恋人からの束縛」に該当すると考えて良いでしょう。特に、
- 何時から?
- 誰と?
- どこに?
- 何時まで?
などの細かな予定までも把握しようとしている場合は恋人の束縛スイッチがONになっていると考えて良いでしょう。
束縛あるある:居場所を把握しようとする
システムの進化した時代の背景もあり、恋人同士でGPSアプリを入れている人もいるでしょう。お互いが合意しているなら「共通した価値観のもと、下した判断」なので問題はないでしょう。ただし、実はこっそりアプリを入れられていたといった場合は「異常」だと解釈しても良いでしょう。
また、どこかに出かけた際に行動の報告を求められている際にも注意が必要です。
GPSなどでの「本当の監視」や報告を義務付けられている精神面の「監視」もあなたにとっては大きなストレスになるでしょう。
束縛あるある:「自分とのスケジュールを常に最優先」を強要してくる
スケジュールを徹底的に管理されるこも窮屈ですが、恋人とのスケジュールを最優先にしないといけない場合も、非常に窮屈な思いをすることでしょう。
たとえば、既に友達と食事をする予定が入っていたとしても、「自分とのスケジュールを優先すべきだ!」といった判断を恋人から下されてしまい、友達との食事をキャンセルしないといけないような状況に追い込まれると、「私にも私の時間があるんだ!」と思ってしまいますよね。
また、社会生活を送っていれば、
- 仕事上でのトラブル
- 職場や仲間からの突然の誘い
- 不意に入る打ち合わせ
など、様々なイレギュラーは生じることでしょう。そのような場合でも、「“恋人”とのスケジュール最優先主義」を貫かなくてはいけないと思ってしまっている場合などは注意が必要になります。
束縛あるある:LINEの返信が遅いと怒られる
束縛が激しい人は「既読」、「未読」を確認できるLINEにも、非常に敏感です。
きっと「既読」になっても返信が返って来ないときは「なぜ既読なのに返信を返さないんだ!」と腹を立て、「未読」状態が続くと「なぜいつまで経っても未読なんだ!」とこちらも腹を立てることでしょう。
LINEの既読や未読に敏感な恋人も束縛傾向の強い人あるあると言えるでしょう。
束縛あるある:電話に出ないと怒られる
LINEに限らず、電話をかけてきた際に「電話に出なかった」だけで怒る人もいるでしょう。このような人たちはきっと「浮気しているんじゃないの?」という不安から電話をかけるという行動に出ているのでしょう。
そのような場合は、電話に出なかったという事実とともに、束縛をしている人たちの不安は加速します。そんな「不安を与えられた」という被害妄想的思考から怒られることもあるでしょう。
束縛あるある:異性との関係を断ち切ろうとする
異性との関係を断ち切ろうとする恋人も束縛が強い人のあるあると言えます。異性と出かけることや異性のいる飲み会は、もちろんのこと、異性と話しをするだけでも怒られてしまう、なんてこともあるでしょう。
このように執拗に異性との関係に「過敏な反応」を示すことも束縛する人「あるある」だと言えるでしょう。
【男女別】恋愛で束縛する男女の心理とは?
「束縛あるある」行動の裏にどのような心理が潜んでいるのでしょうか?ここでは男女それぞれの心理を探ってみようと思います。
男性が恋人を束縛する心理とは?
男性が恋人、つまり彼女を束縛する場合は、そこには基本的には男性ホルモン(テストステロン)から生じる男性特有の心理が隠されているでしょう。
男性の束縛の心理とは?
男性ホルモンから生じる男性特有の心理とはどのような心理でしょうか?それは、男性ホルモン(テストステロン)が強く働くことによる「支配欲」という心理です。
ただし、「男勝りな女性」であれば束縛の心理に男性と同様の支配欲が潜んでいることもあるでしょう。
制圧したい支配欲(征服欲)
支配欲とは、
- 恋人を支配したい
- 恋人をコントロールしたい
といった相手を制圧・征服したいといった欲求になるでしょう。
女性が恋人を束縛する心理とは?
一方で、女性が恋人、つまり彼氏を束縛する場合は、ホルモンの働きでは説明がつかないことから男性とは異なった視点からの束縛が生じていると考えることができるでしょう。
女性の心理とは?
ホルモンの働きから考えれば、女性は支配“してくれる”男性を好む傾向にあります。ただし、ここでいう「支配」は決して束縛ではなく、
- 尊敬できる
- 頼りになる
などの「男らしさ」を指します。
女性は男性に「男らしさ」を求めるホルモンの働きがあるとしたら、女性の恋人への束縛は一体どのような心理から生じているのでしょうか?それが「嫉妬心」だと類推できます。
嫉妬心からくる独占欲
嫉妬とは…特定の他者と自己との関係が、その他者と現実に存在する(または想像上の)第三者との関係によって失われる、あるいは、失われると推測することによって生じる否定的な感情状態。怒り、悲しみ、恐れなどが含まれる。
引用:有斐閣『心理学辞典』より
嫉妬心とはこのように定義されています。つまり、束縛する女性は、「束縛という行為」によって、悲しみや恐れを回避していると類推できるでしょう。
ただし、このような「嫉妬心」から束縛が生じている男性も一定数は存在していることでしょう。
【男女共通】恋愛で束縛する男女に共通する心理TOP3
男女それぞれの心理には、
男性:制圧したいと考える支配欲
女性:嫉妬心から生じる独占欲
があると類推できます。
このような「欲望」もまじえて、ここでは、さらに根深い部分に潜む男女に共通する「恋人を束縛する」心理についてみていきましょう。
束縛が激しい男女共通の心理TOP3:欲求の充足
男性に潜む心理は、支配欲、つまり支配したいという「欲求」です。一方で女性に潜む心理は、独占欲、つまり独占したいという「欲求」です。
このような欲求を充足させるために、束縛という行動を起こしていると捉えることは可能でしょう。人は三大欲求に代表されるように何らかの欲求を持っているモノです。
束縛をする男女には、抱いている欲求が人とは異なり、「支配欲」や「独占欲」を持っています。欲求を持ってしまうと、人はどうしてもその欲求を充足するためのアクションを取ります。
恋人への「支配欲」や「独占欲」という欲求自体を満たすために恋人を束縛している心理が潜んでいることでしょう。
束縛が激しい男女共通の心理TOP2:自分の弱さを隠す
自分に弱さがある、つまり自分に自信がない人も束縛する傾向があります。自分に自信がない場合は、
- 束縛自体が愛情の確認
- 特定の他者の出現可能性を低める
ことに徹底します。
束縛をすることで、自分の弱さ=自分の自信のなさを隠すことができ、同時にその束縛に恋人が応えてくれていることで愛情を確認する作業を行っているのです。
また、「特定の他者の出現可能性を低める」とは、つまり他の人を好きにならないように異性との接触そのものの機会を減らすために自由を制限し、束縛をしています。このような人たちもやはり自分の弱さ、自分自身に自信が持てない気持ちを隠すために恋人を束縛しているのでしょう。
少なくとも自分自身に強い気持ちと自信があれば、「特定の他者の出現」自体が脅威にならないと捉えることができるでしょう。
束縛が激しい男女共通の心理TOP1:否定的な“妄想”に取りつかれている
嫉妬心とは、「恋人を失う、あるいは失うかもしれないと“類推”することによって生じる悲しみや恐れ」と定義されています。
この「恐れ」、つまり恐怖心が男女とも束縛する心理の根底にあると類推できます。仮に相手を信じることができれば、きっと束縛は必要ないでしょう。でも、最後は裏切られるのでは?と思う恐怖から相手を束縛することを始める人も多いでしょう。
そして“妄想”であるからこそ、どれだけ束縛をし続けても、その妄想は消えません。でも、その妄想を消すために次から次に束縛を重ねることになっていってしまうのです。
束縛をする男女の心理には、将来をイメージしたときに、常に取りつかれている「否定的な“妄想”」が存在しているでしょう。
束縛が激しい彼氏・彼女への効果的な対処法とは?
相手の心理が分かれば、心理が分からないときに比べれば、対処は大きく楽になります。ここでは、束縛をする彼氏や彼女の心理を理解した前提で、効果的な対処方法を紹介していきます。
一番大切なことは、束縛されているあなたが悩みを解消することです。心理を知って、改善策を実践していきましょう。
恋人へのアプローチによる対処方法
束縛が激しい恋人への効果的な対処方法:気持ちを「文字化」する
あなたの恋人は恐怖や妄想と一人で闘っていると考えましょう。ときに不安に襲われたり、ネガティブな感情に支配され、もしかすると本人も辛い思いをしているのかもしれません。
つまり、いつ束縛スイッチが入るかは束縛をしている本人にも分からないでしょう。だからこそ、あなたの気持ちをいつも文字化する作業を続けてください。
文字化された気持ちの最大の特徴は、束縛をする本人が「束縛スイッチ」が入りそうになったときに自分自身でフィードバックできることです。
束縛する男女の心理には「弱さ」や「恐怖」があるからこそ、常に相手がフィードバックできる状態であなたの気持ちを確認できれば「弱さ」や「恐怖」は弱まることでしょう。
そんな「弱さ」や「恐怖」の弱まりが、束縛を緩和させると考えることができます。
束縛が激しい恋人への効果的な対処方法:「不安(定)スイッチ」を入れない
不安になるスイッチを入れないことも非常に重要です。恐らく何度も束縛を受けているうちにあなた自身も、
- これは恋人が不安に思うんだろうな~
- これは恋人からの圧がかかるんだうな~
と、何となく理解し始めているはずです。例えば、あなたの取ろうとしている行動が相手の欲する「支配欲」や「独占欲」に反するような行動であると何となく先に気づけているのであれば、「自分が切り出す」ことで不安スイッチが入らないこともあるでしょう。
つまり、支配欲や独占欲を逸脱する行動であるとあなたが認識していことが分かるだけで、相手にとってはそれが支配や独占であるといった錯覚を起こすことが可能です。
相手の欲求を認識しているというアピールだけで欲求の充足を感じさせ、結果的に不安スイッチが入ることなく、強い束縛を受けない可能性もあります。
束縛が激しい顔人への効果的な対処方法:なぜ束縛するのかを聞く
本当の心理を知りたくて、「なぜそんなに束縛するの?」と聞いてしまうとあなたの求めているような答えはきっと返って来ないことでしょう。
でも、あなたは既に「なぜ束縛をするのか?」という相手の心理はおよそ理解できているはずです。
つまり、答えを求めずに問いを突き付けるスタイルであればあなた自身も感情的にならずに相手の話しを聞くことができるでしょう。
特に恋人関係では、欲求を持った側の立場が下
となってしまうものです。あなたが相手の心理を知りたいと思って質問をしているとあなたの立場が下になり、あなた自身も感情的になりやすい状態になります。でも、束縛をする人の心理には、
- 欲求の充足
- 自分の弱さを隠す
- 不安への恐怖
- 否定的な妄想
が潜んでいることをあなたは知っています。
心理を知った状態で相手に質問することで立場関係では実はあなたが上です。上ということはあなたはあなたが求める回答はなく、より客観的な視点で相手の話しを聞くことができるでしょう。
そうすることで、ここでは登場しなかったあなたの恋人特有想いが聞けることもあるでしょう。
あなた自身でできる対処方法
束縛が激しい恋人への効果的な対処方法:あなた自身のゆとりに変える
あなたが束縛を受けるということは、単純にあなたは恋人にとって大切な存在でるという認識を持つことです。
恋人がどれだけあなたに厳しい言葉をぶつけたとしても、その根底にはあなたに対する愛情があります。もちろん束縛は歪んだ愛情表現の形であるため、束縛自体を肯定的に捉えてはいけません。
でも、束縛の奥にはあなたへの愛情があると思い、そんな愛情をあなたのゆとりに変換してみてください。どれだけあなたのことを好きなのかを図る尺度として束縛を考えれば、相手の気持ちに安心できることもあるでしょう。
束縛が激しい恋人への効果的な対処方法:気持ちをシンプルに表現するクセ付けをする
束縛が激しい人の心理には、
否定的な妄想の存在
があります。
そんな否定的な妄想を打ち消すためには、あなたの気持ちをシンプルに表現することも効果的です。例えば、遠回しに「好き」というよりもストレートに「好き」と伝えた方が、恋人の否定的な妄想を打ち消しやすいことでしょう。
気持ちをシンプルに伝える癖をつけることができれば、あなたの恋人の束縛が和らぐこともあるでしょう。
まとめ
ここでは束縛する男女の心理や対処方法も紹介しましたが、束縛には、時間をかけて相手との信頼関係を構築することも非常に大切だと言うことを最後にお伝えしておきます。
束縛する男女には束縛する男女特有の心理があります。そして、束縛する側も束縛される側もどちらも辛い思いをしているのでしょう。
ただ、束縛はやはり歪んだ愛情の表現方法です。本来は、
お互いがお互いのことをお互いに尊重し合える関係
がベストでしょう。そんなお互いがお互いを尊重できる関係になるためには、お互いがお互いを信頼できる状況を作っていくことが重要です。
「信頼」で相手とつながるためには、どうしても時間が必要になります。束縛を受けている人は束縛がやがてなくなると相手を信じ、また相手にも信じてもらえるような時間を過ごすことが何より大切になるでしょう。
でも、どれだけ多くの時間を「信頼関係」の構築に費やしても、相手の中に存在している「支配欲」や「独占欲」が残り続けて、束縛が続く場合は、今一度考え直してみても良いでしょう。
束縛は歪んだ愛情表現です。過度な愛情表現をする男女は危険性を孕んでいる面を否定できません。そんな歪みある愛情にあなたが耐え続けて、あなたの身も心もボロボロになりそうになっているのであれば、前に進む新たな選択肢を持っても良いでしょう。