あなたもストレスで頭痛や不眠などの症状を感じたことはないでしょうか?
でも、実際にストレスで体調不良を感じたときに、果たして何科を受診すればよいのでしょうか?
ここでは、ストレスで体調不良になったときに何科を受診した方がいいのかについて記載しています。
ストレスで体調不良になった時に参考にしてもらえればと思います。
そもそもストレスは体調不良を引き起こすの?
ストレスによって心身ともに不調になる人は多くいます。
ストレスによる体調不良は「気のせいかも」といった具合に軽視されることが多いですが、先ずはあなた自身の心身の健康に敏感になりましょう。
ストレスに関連する疾患は深刻な社会問題
これは日本に限らず、どの先進諸外国でも健康問題の大きなウェイトを占めています。
また疾患に至らないまでも、過剰なストレスによって引き起こされる抑うつやパーソナリティ障害などによって、生活上の課題が出てきてしまいます。
そして、それは生活のみに限らず、職場における業務にも支障をきたすことがあります。これは、近年メンタルヘルス、という言葉をよく耳にするようになった世相に表れているでしょう。
ストレスを未然に防げる?ストレスチェックの導入
企業では、事業規模に応じてストレスチェックの義務化が始まっています。近年はメンタルヘルスの労災認定の請求件数も右肩上がりになっています。
ただ、この社会・経済の流れにのるように現代人のストレスに対応するためのストレス産業も大きな広がりを見せはじめています。
様々なストレス産業の誕生
ストレスマネジメント関連では、
- ストレスチェックの義務化に伴うストレスチェックの実施
- ストレスマネジメント訓練
- 社内トレーナー(メンター制度の導入)
- ストレスマネジメントに関するセミナー・研修
などがあります。また、心理セミナー系の産業関連としても、
- ヨガ
- 瞑想
- グループセミナー
など、ストレス関連産業は多岐にわたりストレスを抱える人の受け皿は実は多く存在しています。
自分自身のストレスに気づく
このストレス産業の広がりのなか、自分のストレスはどのような対応が必要なのかという現在の自分自身のストレスにおける理解が大切になります。
自分に必要なモノはストレスに関する医療的なアプローチなのか、あるいはストレスをマネジメントすることなのかなど、「何だかストレスが溜まっているな」と感じ、ストレスをどのように発散・解消するかを理解することは非常に大切になります。
ストレスの反応には個人差が大きい
ストレスへの理解度やストレスによって出てきてしまう症状は人によってそれぞれ違うものです。
果たして、どの程度のストレスを感じた時にどのような方法に頼ることが大切なのでしょうか。
あるいは、どのような「専門家」や「(医療)であれば専門科」に頼るべきなのでしょうか。
自分自身のストレスを理解する
自分自身のストレスのレベルをきちんと理解して、ストレスが溜まる前に様々なストレスの解消をする施設や機関を頼ることは大切です。
それでもストレスをため込んでしまってストレスによってカラダに異変が生じた時には心療内科を受診することをオススメします。
ストレスで体調不良になる理由
ストレスが直接的な原因による体調不良や体の疾患については「間違いなくストレスが原因です」と言っても、そもそもストレスというものが体調不良や疾患の原因であると特定・断定するのは難しいでしょう。
ただ、ストレス関連疾患であるとみなされている疾患には、次のようなものがあります。
ストレスが原因とされる疾患とは?
ストレスが溜まるとココロだけではなく、カラダにも異変をきたします。例えば、
過敏性大腸症候群:腸に炎症や潰瘍などが見られないにも関わらず機能的に下痢と便秘を繰り返す心身症の一つとされます。
甲状腺機能亢進症:甲状腺ホルモンの過剰な状態。動機や震え、疲労感、多感、息切れ精神不安など
発作性頻拍症:発作的に心拍が毎分150~250に増加し、数分から~数日続き、突然もとに戻る。何らかの疾病で生じることもあるが、正常な場合でも過労や不眠、飲酒や喫煙などによるストレスで発することもあるとされます。
メニエール症候群:めまいや耳鳴りなどの症状を呈する心身症の一つとされます。
などがあります。この他にも、高血圧症や低血圧症、片頭痛、不眠症などもストレス疾患に見なされていることが多いです。
ストレスが原因の疾患は数多く存在する
ストレスを原因とする疾患は数多くあります。病気はストレスが要因の一つになっているものがほとんどかもしれません。
ストレスがカラダとココロに与える悪影響は凄まじいということですね。
ストレスで引き起こされる症状には個人差がある
「ストレスがカラダにもココロにも悪い」ということは理解できます。
ただ、ストレスで頭が痛くなる人もいればストレスで胃が痛くなる人もいます。ストレスがカラダに良くないといっても、ストレスの引き起こす症状にはかなりの個人差があります。
大切なことは「強いストレスを自分自身が感じた時に、どのような症状が出るのか」を理解することです。
不眠になったり、多汗になったり、息苦しくなったりと異変を生じる人も少なくないでしょう。
ストレスが溜まっていることに敏感になろう
ストレスによる明らかな症状や疾患がなくても、ストレスが原因で起こるカラダやココロの異変に敏感になるようにしましょう。
ストレスに敏感になる必要はありませんが、ストレスが溜まっていることには敏感になっても良いでしょう。
自分自身のカラダのことは自分が一番よく分かっています。何よりも先ずはあなたの健康への意識を高めることで、ストレスに敏感になるのではなく、ストレスが溜まっているかどうかに敏感になることが大きな病気を予防するための絶対条件になります。
ストレスで起こる変化が体調不良を引き起こす
ストレス科学の創始者とされているセリエの研究によれば、例えば寒冷であったとしても、外傷であったとしても、過剰な運動であったとしても、いかなる類の身体的なストレスだったとしても、
- 副腎皮質の相当な肥大
- 膵臓・リンパ説の高度の萎縮
- 胃・十二指腸の出血や潰瘍
という症状が生じるとしています。
その研究をきっかけに、ストレスに関する諸説の展開や研究は進化し続けています。
もちろん薬品に関する研究はとてつもなく進んでいるでしょうが、やはりストレスから人のカラダもココロも守るような革新的な理論や研究は提唱されていないように感じます。
ストレスをコントロールする重要性
いずれにせよ、ストレスが原因で起こる体調不良は存在しています。
ココロにはカラダからアプローチ
体に起こる反応に対しては、「自律神経の働きをコントロールする」ことが大切であると考えています。自律神経は、例えば車でいうところのアクセルとブレーキの役割を果たしているというイメージです。
自律神経は視床下部から脳幹、脊髄を経て指令が伝わる自律神経系は交感神経と副交感神経に分けられます。そして、交感神経と副交感神経は身体の器官に対して、お互いに補足的に作用するのですが、基本的に交感神経系の働きが活発な時は、活動量の増加を意味します。一方で、副交感神経系の働きが活発な時は、休養というような安静の増加を意味します。
参照:有斐閣『心理学辞典』
つまり、交感神経がアクセルであり、副交感神経がブレーキの役割を担っていると考えることができます。このアクセルとブレーキの機能がストレスによって崩壊するとしたらあなたは当然のように暴走してしまいますね。
このアクセルとブレーキである、自律神経のコントロールが効かなくなるということは、体調不良を引き起こす根本的な問題となります。
身体活動の活発化や休息というカラダとココロをコントロールする機能を失うことは、車でいうところのアクセルとブレーキが利かないという恐ろしい故障ですね。
この故障がカラダに生じているときに、カラダもココロも不調なく動くとは考えれませんね。
ストレスで起こる自律神経失調症
自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経のバランスが崩れたために起こる自律神経の病的な状態をいいます。
この自律神経のバランスが崩れることにより、生体のホメオスタシス(恒常性)を維持できなくなるのです。
交感神経の果たす役割
一般に交感神経系は「生体が危機状態に陥った時や外敵に遭遇した時に戦うか逃げるかといった状況にある時に、体内にある貯蔵されたエネルギーを放出し、生体が活動しやすい状態をつくる方向に働く」とされています。
先ほどの「車」の例えで考えれば、アクセルを踏んだとときに車が走るかどうかは、この交感神経にかかっています。
副交感神経の果たす役割
もう一つの副交感神経は、車をゆっくりととめるためのブレーキの役割を果たします。
この二つがきちんと機能しない車に乗ろうとしている友人が目の前にいたら、「それ、乗ってはダメです!」とあなたも伝えることでしょう。
自律神経の働きがカギになる
ストレスで、やる気がなくなっていたり、眠れなくなっている人は、少なくとも自律神経の乱れが起きているでしょう。
やる気が出なかったり不眠の人は、自律神経がきちんと機能していないことが考えれます。まずは自律神経を整えることから、はじめてみてはいかがでしょうか。
ストレスで起こる体調不良よって専門科(専門家)は変わる
ストレスによって引き起こされる体調不良、その原因の大きさにも、症状にも個人差があまりにも大きいです。
そのため、「ストレスのせいだと思うけど、体がおかしい」と感じる人たちは、先ずどこの医療機関を受診すればいいのだろう?と悩むことはあります。
これについて、「この症状の時はここ!」と限定することは難しいですが、簡単に「こんな症状の時はここかな?」というガイドラインを記しています。
1, ストレスで不眠かな?カラダがしんどい
これはストレスによって、自律神経系が機能しなくなり始めている時期だと考えることができます。
つまりストレスがたまり始めたサインなのかもしれません。
この場合は、ストレスの発散や解消を目的にスポーツジムやヨガに行くのもいいでしょう。あるいは心理の専門家である心理カウンセリングを受けることによってストレスの原因を探ったり、可能であればストレスの処理の仕方や、認知行動療法等や呼吸法などについて学んでみても良いでしょう。
とにかくストレスが心身に悪影響を引き起こしている初期症状と考えれるので、この段階でストレス処理へのアクションを起こすことは非常に大切になるでしょう。
2, ストレスで「頭が痛い」や「胃が痛い」
この段階は明らかにカラダに体調不良として、症状が出ています。
この場合はストレスが原因だと自分自身で確信ができる場合には「心療内科」ということになるでしょうか。
ただ、ストレスが原因にせよ、カラダに異変が出ているので、とりあえず「内科」という選択肢もあるでしょう。
このあたりの判断は非常に難しいです。
ただ、原因がストレスだったとしてもストレスではなかったとしても、自分自身のストレスが溜まっているからカウンセリングを受けたいとあなた自身が考えているときは、心理カウンセラー(臨床心理士)が病院スタッフにいる心療内科を受診することをオススメします。
心療内科に心理カウンセラーの先生がいる場合は、心理カウンセリングの受診を指示されるこもあるので、カウンセリングを受けることが出来ます。
ただし、心療内科に必ず心理カウンセラーがいるわけではありません。また、医師から必ず心理カウンセリングを指示されるわけでもありません。先ずは事前に情報を確認した上で、心療内科を受診するようにしましょう。
3, ストレスでもう何が何かわからない
心因性であるカラダの不調も何となくはあるけれど、どう考えてもココロがおかしいと感じた時、あるいはまわりの人たちがココロの異変を指摘するときに受診するのが「精神科」ということになるでしょう。
「内科」と「心療内科」の判断が難しいことと同様に「心療内科」と「精神科」のどちらを受診すべきかの判断も非常に難しいですね。
「精神科」か「心療内科」どちらがいい?
精神科の場合は、ココロの異変(症状)がカラダの異変(症状)よりも際立っているときに受診することをオススメしますが、この判断は難しいです。
心療内科は、ストレスなどのココロが原因でカラダの異変(症状)が出ているときに受診すべきでしょう。ただ、カラダの異変よりもココロの異変が際立っているのかどうかの判断が難しいですね。
そこでオススメの方法は、精神科も心療内科も備えているメンタルクリニックを選択することです。
いずれにせよストレスなどのココロの原因によって心身に体調不良が生じている場合は医療機関の受診をお勧めします。
まとめ
こちらの記事でまとめさせていただきましたが、ストレスが原因で体調不良になったときは、ほとんどの方が身体の調子が悪いということで内科などを受診する方が多いのかもしれません。
病院にいくと、さまざまな検査を受けることになりますが、その検査結果に何も異常が無い場合は、心療内科や精神科を勧められるという流れになるのではないでしょうか。
一般的にカウンセリングは医師が行う医療行為ではありませんが、心のケアとして非常に重要であると思います。カウンセリングは、病気を治すというものではなく、心のマッサージ、心のケアであると思います。
悩みや不安を抱えていて、強いストレスを感じている人は、一度心理カウンセリングを受けてみることをオススメします。