あなたはカウンセリングを受けようかと検討していますか?
カウンセリングはココロののメンテナンスとして考えて頂くのが一番良いでしょう。
では、実際にカウンセリングを受ける上で、「カウンセリングとは何か?」について解説します。
カウンセリングとは?
そもそもカウンセリングとは何でしょう?
日本では「カウンセリングは心が病んでいる人が受けるもの」という認識が一般的になっています。
しかし、厚生労働省のホームページでは次のように説明されています。
自分自身の力で立直っていくきっかけをつくったり、気持ちや考え方を整理していくサポートを行ったりするのがカウンセリングなのです。
厚生労働省:「こころもメンテしよう」より
一方で、日本での現状は精神疾患であるうつ病やパニック障害、不眠症や社会不安障害などのココロの病における初期症状を感じた時に通う人が多いです。
カウンセリングに対する日本特有の考え方
先進諸外国に比べると、日本ではカウンセリングは浸透していません。
そこには2つの課題があるでしょう。
1, 文化的な背景が与えるカウンセリングへのイメージ
「我慢を美徳とする日本特有の文化的な構造」はカウンセリングが浸透しない原因の一つと言えるでしょう。
日本では、昔から我慢することが美徳であるというような文化があります。
2, 保険適用外の社会システムによるカウンセリングへの“敷居”
例えば、アメリカでは、基本すべてのカウンセリングに保険が適用されますが、日本ではカウンセリングは保険適用外がほとんどとなります。
もし日本でも保険適用となれば、現状のカウンセリングの相場を考えた場合、1時間1,000円や2,000円で受けることができるようになります。
一人で悩み、一人で考え込んでも、なかなか答えは見つからないものです。
カウンセリングに保険が適用されればお手頃にお気軽にカウンセリングを受けることができるようになり、日本でも自然とカウンセリングの敷居は下がってくるのではないでしょうか。
カウンセリングに抵抗を感じる日本人の特徴
文化的な背景とも関係しますが、特に日本人の特有の性格として、
・まじめで几帳面
・対人不安が強い
・自己評価が高くない
・悲観的である
・自尊感情が高い
といった性格があげられます。
こういった性格の人が多いため、心の病を発症する人も多いでしょう。
心の病への予防も考えると、日本でもカウンセリングが保険適用になればとカウンセラーもクライアントも多いでしょう。
カウンセラーの地位
日本でもようやく公認心理師資格が成立し、心理職初の国家資格が誕生しました。
これまでは、すべての心理資格は民間団体の資格であったこともカウンセリングが浸透しない大きな原因になっていたでしょう。
カウンセリングを行う臨床心理士という資格
心理カウンセラーといえば臨床心理士というイメージする人もいるでしょう。
事実、メディア等に専門家として出演される方の多くは大学の教授か臨床心理士です。
でも、臨床心理士は民間の資格です。さらに、臨床心理士はまさにその名の通り、臨床に詳しい心理士を指し、臨床心理とは精神疾患やうつ病をテーマに学んだカウンセラーの民間資格と解釈できます。
臨床心理士の先生たちの得意分野は精神疾患やうつ病といった症状の方々になるため、カウンセリングを受けに来るお客さんたちも「心の病」を感じている人が多い傾向になってしまいます。
でもカウンセリングとは、
自分自身の力で立直っていくきっかけをつくったり、気持ちや考え方を整理していくサポートを行ったりするのがカウンセリングなのです。
厚生労働省:「こころもメンテしよう」より
同じ資格でもカウンセラーによって得意分野は異なる
心を扱う臨床心理士のカウンセラーのなかでも幅広く勉強している人もいるため、得意な分野はカウンセラーによって異なるでしょう。
また最近では、精神保健福祉士や社会保険労務士、キャリアコンサルタントなども「メンタルヘルス」の分野に力を入れている実情もあり、多くの職種の人がカウンセリングを行っています。
ただ、現在の日本では「臨床心理士」資格がカウンセリングにおいては最も信憑性が高い資格だという認識で間違いはないでしょう。
国家資格、公認心理師が誕生
今後は公認心理師という心理初の国家資格がメジャーになっていくでしょう。
カウンセリングの在り方も国家資格の誕生とともに大きく変わることが期待されています。
カウンセリングを受ける意味
カウンセリングを受ける意味は、悩みを打ち明けることによるココロの整理であると考えていいでしょうか。
カウンセリングを受けるメリットとして、「こころもメンテしよう」では、
- 話をしっかり聞いてもらえる
- 自分の考え方のくせや意外な長所に気づくことができる
- 今抱えている問題を整理できる
- 考え方を今の状況に適したものに切り換えられる
- 人とうまくつきあうための自分なりの方法を見つけられる
- 人として成長できる
と記載されています。
カウンセリングに対する「心の病」という印象よりは、「心の整理」がメリットだと記されています。
カウンセリングには他にも意味が存在しています。
誰かに打ち明けると心は楽になる
精神疾患やうつ病を患っている人の多くは心療内科や精神科での受診をしています。
それでも民間のカウンセリングが心療内科や精神科と並列して存在している、その存在価値はまさに「悩み」の相談にあるのでしょう。
心のメンテナンスとして活用している人が存在します。
家族でも友達でも、何でも話すことができる人がいる人はその人たちに頼ることが出来ればカウンセリングは不要なのかもしれません。
ただ、全ての人に悩みを相談できる家族や友人がいるわけではないのです。
だからこそカウンセラーの存在は貴重であり、こころのメンテナンスが大切だと感じる人がいるのでしょう。
カウンセリングの必要性
現在の日本社会は核家族化が進んだことによる家制度の崩壊や地方の空き家問題など、「人」と「人」とのかかわりが極めて希薄になってきています。
そうなると、当然のようにコミュニティにも変化が起こり、相談できる相手の存在は減少してしまうでしょう。
時代の変化とともに求められるカウンセリング
また、ITの躍進で豊かになった情報社会により、身近な人に話しをしなくても検索サイトで多くの情報はキャッチできる時代になっています。
だからこそ、人と話しをすること自体を不得意とする人たちも多くなってきています。
そんな時代だからこそ、カウンセリングは社会にとってますます意味あるものになっていくでしょう。
まとめ
日本では、カウンセリングは非常に「特異な場所」になっています。
カウンセリングを「特異な場所」と捉えるのではなく、カウンセリングはあくまでもこころのメンテナンスだと考えましょう。
人は誰もがストレスを感じます。ストレスは抱えることを防ぐだけではなく、ストレスを上手くコントロールする方法を身につけることは非常に大切です。
もし悩みや不安でココロが苦しくなったときは、一人で抱え込むのでなく、定期的にこころをメンテナンスする癖をつけるようにしましょう。