日本で行われている心理カウンセリングのなかで最もメジャーな方法を知っていますか?
それは「クライアント中心療法(来談者中心療法)」という療法です。
クライアント中心療法は日本において最もポピュラーですが、他にも複数の心理療法が存在しています。
その数は100を超えるとも言われます。
100近くの心理カウンセリングのなかでも代表的な療法である「クライアント中心療法(来談者中心療法)」は、次の3点で分けたらどのような位置づけになるでしょうか?
その3点とは、
- 「いつに焦点を当てているのか」
- 「カウンセラーの関与の度合い」
- 「治療の目的」
です。
実際に日本でメジャーな心理療法であるクライアント中心療法はどのような位置づけになっているでしょうか?
あなたがカウンセリングに求めているモノから「カウンセリングの相性」を考える必要があります。
ここでは、カウンセリングにおいて、
- いつに焦点を当てているか?
- カウンセラーの関与の度合い
- 治療の目的
この3点からあなたがカウンセリングを受ける上での「相性」を考えるヒントにしてみてください。
1. いつに焦点を当てているか?
あなたが過去に焦点を当てたいと考えているのか、あるいは未来に焦点を当てたいと考えているのかによってカウンセリングとの相性は変化します。
「過去」に焦点を当てている
- 精神分析
- 内観療法
この過去に焦点を当てた心理療法としては「精神分析」や「内観療法」がメジャーでしょう。
特に内観療法では、
「していただいたこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」
といった過去の内容に焦点を絞った療法になります。
「現在」に焦点をあてている
- 行動療法
- クライアント中心療法
- 認知療法
- 交流分析
メジャーであるクライアント中心療法は現在に焦点を当てた療法になります。
2. カウンセラーの関与が深いか浅いか?
あなたがカウンセラーに深い関与を求めるのか、あるいはあまり関与を求めないのかによってカウンセリングとの相性は変化します。
関与が「深い」療法
- 精神分析
- 行動療法
- 認知療法
- 論理療法
- 家族療法
関与が深い代表的な心理療法のなかに家族療法があります。
家族療法とは、「家族という全体へのアプローチ」が含まれることもあり、関与が深くないと機能しないのです。
関与が「浅い」療法
- クライアント中心療法
- 遊戯療法
- 箱庭療法
- 森田療法
- 内観療法
日本でメジャーな「クライアント中心療法」は、クライアントとセラピストの関与の度合いは低いというカテゴライズがされています。
心理療法のなかではもっと深くクライアントとカウンセラーが関わる療法が存在しているということを意味しています。
3. 治療の目的はどこにあるのか?
あなたが求めている治療の目的によって、カウンセリングの相性は変化します。
パーソナリティの変容
- 精神分析
- クライアント中心療法
- 内観療法
このカテゴライズでは「クライアント中心療法」はパーソナリティの変容に治療の目的があるとされています。
クライアント中心療法では「人間は良い生に向かって進む主体である」という考え方が基本にあります。
そのため、自己実現や実現傾向に着目したパーソナリティの変容を意識しているとも解釈ができるわけです。
現在の症状の改善
- 行動療法
- 家族療法
- 交流分析
現在の症状の改善に該当する家族療法では家族にアプローチすることで家族関係の改善を目指すこともあります。
その他の観点からの分類として
- 「いつに焦点を当てているのか」
- 「カウンセラーの関与の度合い」
- 「治療の目的」
といった分類以外にも、
- 時間が短いのか長いのか
- 重視する側面は個人「間」なのか個人「内」なのか、
- 治療対象はグループなのか子どもなのか
等があります。
カウンセリングを受ける人がこの分類を覚える必要はありません。
ただ、カウンセリングをこれから受けようとする人でその心理療法が「クライアント中心療法」である場合には、クライアント中心療法がどのようなカテゴリーに位置づけられているかを簡単にでも理解しておくことで効果が出やすいでしょう。
まとめ
カウンセリングには多くの理論や方法が存在します。
そのなかでメジャーであるクライアント中心療法は、
- 現在に焦点を当てている
- カウンセラーの関与の度合いは浅い
- パーソナリティの変容に焦点を当てている
というカテゴリーに位置づけられます。
あなたが心理療法の技術や方法などの詳細を覚える必要はありません。
でも、カウンセラー選びにおいて大切になる「相性」を探る上では「いまから受ける予定である」心理療法がどのようなカテゴリーに分類されているのかを知っていて損はないでしょう。
例えば、パーソナリティの変容を求めていない人がクライアント中心療法を受けると「違和感」を感じることにつながりかねないです。
理論を理解したうえでカウンセラーを選ぶことは難しいものです。
それでも最低限の「事前情報」としてカテゴリーの分類を簡単にでも知っておくことは、カウンセリングの「相性」を探る上では大切になるでしょう。