最近では「カウンセリング」は少しずつ身近なモノになってきています。
心理を勉強しようとしている人、もしくは心理カウンセラーを目指している人であれば、この「カウンセリングマインド」という言葉を聞いた事があるのではないでしょうか?
あるいは仕事を通じてこの「カウンセリングマインド」という言葉を聞いたことがある人もいるではないでしょうか?
この記事では、カウンセリングマインドとは何なのか、また、カウンセリングマインドの持つ意味や効果についても解説していきたいと思います。
カウンセリングマインドの意味とは?
カウンセラーを目指す人は、これから多くの心理学に関する知識を勉強していかなければなりません。
でも、今後の仕事ではじめに知識以外にきっと求められるモノが出てきます。
それが相手に与える信頼や安心というカウンセリングマインドになります。
来談者中心療法のカウンセリングマインドの意味とは?
カウンセリングマインドとは、ロジャーズの来談者中心療法(クライアント中心療法)を基にした、
「他者に素直に共感して他者の存在を受容することができる安定した心理状態」
のことを指します。
簡単な表現をすると、カウンセリングマインドとは「カウンセリングをするときの心掛け」だと解釈して良いでしょう。
つまり、クライアントの思考や言動、行動を「共感的」に理解しようとする心掛けのことを指します。
「安心感」や「信頼感」を与えることにある
言葉で、
などと言っても、それは本当の安心や信頼にはつながりません。
カウンセリングを行う上では信頼関係を築き、ラポールと言われる「安心感」や「信頼感」はとても大切です。
安心感や信頼感を与えることが出来ることこそがカウンセリングマインドだと考えてください。
相手を「否定」をしないこと
例えば、安心感を与えようとしている心理カウンセラーがクライアントの考え方に対して、
などと否定的なコメントを放ったとします。
このコメントのあとでカウンセラーとクライアントとの関係性はどうなるでしょうか。
また、クライアントの発言に対して、
などと反対意見の発言をしたら、カウンセラーとクライアントとの関係性はどうなるでしょうか。
結果はカウンセラーとクライアントとの関係性が崩れることになるでしょう。
カウンセリングマインドを理解して、カウンセリングを成立させる
クライアントに「安心感」や「信頼感」を与えることができなくなってしまうと、カウンセリングは成立しません。
否定することはなく「そう思ったんですね」「なるほど、わかります」といった受容的で共感的な言動があって初めて、カウンセラーとクライアントの関係ができあがります。
信頼や安心が生まれて、ようやくカウンセリングは成立します。
カウンセリングマインドとはカウンセラーが持つべき心構えである
クライアントの話しを聴く際に、「カウンセリングマインド」を意識することにより、クライアントにとっての安心や信頼につながります。
この安心や信頼こそがクライアントの心の大きな支えになることがあります。
安心や信頼を得るには時間が必要です。
そのためカウンセリングマインドは大きな即時効果を生じさせるようなモノではありません。
それでもカウンセリングマインドが機能している場合は、カウンセリングを受ける前と後ではクライアントの心の在り方に変化が起きるはずです。
カウンセリングマインドは日常場面でも必要になる
目に見えない小さな変化なのかもしれませんが、このカウンセリングマインドをクライアントに提供し続けていくことはクライアントの心の変化を生じさせる上で非常に大切になります。
カウンセリングマインドは「問題解決」にクライアントを導く上では、非常に大切な態度・思考になるということです。
このカウンセリングマインドは、相談を受ける日常場面でも必要になることがあります。
あなたは何でも否定してくる友達や同僚、上司に相談はしませんよね。
あなたが相談するとしたら、きっと意見を否定してこない友達や同僚、上司を選ぶでしょう。
相談しやすい、相談できる「安心」と「信頼」を“アピール”するためにも、このカウンセリングマインドは重要になるということです。
カウンセリングマインドが相手に与える2つの効果とは?
カウンセリングマインドが「他者に素直に共感して他者の存在を受容することができる安定した心理状態」だとします。
そうするとカウンセリングマインドの効果は、話しをしていて安心できる人間関係を築けることであり気持ちを軽くすることができる人間関係を築けることでもあります。
カウンセリングマインドの効果①相性との関係
心理カウンセリングに不可欠なモノとして“相性”というキーワードがあります。
友人同士あるいは恋愛関係のなかであれば“相性”が良ければ付き合いは深まりますし、“相性”が悪ければ疎遠になります。
もちろん心理カウンセリングでも極端な“相性”の悪さはどうすることもできません。
例えば「そもそもクライアントは年配の男性カウンセラーと話しをしたいと思っているなか、若い女性がカウンセラーだった」となればこの物理的な“相性”はどうにもなりません。
ただ、話し方だったりあいづちのタイミングだったりというソフト面の“相性”であれば、カウンセラーが「噛み合わせ」を修正することは可能でしょう。
この相性の良さをクライアントが感じるかどうかに、カウンセリングマインドは大きく関わっているのです。
カウンセリングマインドの効果②ラ・ポールとの関係
カウンセリングでは、相性に加えて「ラ・ポール」という信頼関係が必要になります。
信頼関係がなければクライアントはきちんとした考えや想いを伝えることはありません。
この「信頼関係」もカウンセラーの対応によって創造するモノとなります。
そして、この「信頼関係」を創造する上で、カウンセリングマインドは不可欠になります。
カウンセラーはラ・ポールという信頼関係を通じて、クライアントの「メンタルグリップ」を如何に握るかが大切になります。
このラ・ポールを築けるかどうかに、カウンセリングマインドは大きく関わっているのです。
補足, カウンセリングマインドはどんな場面でも役立つ
カウンセリングマインドをしっかりと持つことが出来ればクライアントの悩みや不安をより深く聴くことができるようになります。
つまり信頼を創造し、気持ちを通わすことができるかどうかに、カウンセリングマインドは大きく関わっています。
そして、このカウンセリングマインドの実践はカウンセリングの現場だけではなく、職場や教育などの分野においても役立ちます。
相談を受けることを仕事にしている人や相談を受けやすい人はカウンセリングマインドをきちんと理解しておくようにしましょう。
まとめ
こちらの記事では、カウンセリングマインドについて解説をしてきました。
カウンセラーの仕事は悩みを聴く仕事ですが、何よりも「人」と「人」との繋がりや信頼関係を作ることが仕事の本質にあります。
カウンセラーはカウンセリングマインドを基本に、「安心感」や「信頼感」を構築していくことが重要となります。
カウンセリングを受ける人が安心してカウンセリングを受けることができるような環境を提供できるようになりましょう。