カウンセリングの料金は全国相場で1時間10,000円程度です。
医師以外によるカウンセリングは、通常保険が効きませんので、相談機関によりますが、1回(60分)当たり10,000円前後かかります。また、1回限りということではなく、継続する必要がありますので、経済的な負担が大きくなりますので、患者の経済的状況もカウンセリングを適用する際には考慮に入ります。
厚生労働省:こころの耳より
あなたはこのカウンセリングの料金が高いと思いますか?
それとも安いと思いますか?
カウンセリングの料金は高いと感じる人の方が圧倒的に多いでしょう。
ここでは、カウンセリングの料金が高すぎると感じる理由について解説しています。
料金が高すぎると感じる最大の理由は「玉石混交」にある!
心理カウンセリングの料金が高すぎるという認識を持っている人は多くいます。
そして、心理カウンセリングでは料金が高すぎるために、
- 怪しい
- 宗教的
- 胡散臭い
など。
料金が高すぎるためにネガティブなイメージも併せてつきまといます。
料金が高すぎるから怪しいと思うのも無理はありません。
それは、心理カウンセラーと名乗る人がまさに「玉石混交」だからです。
玉石混交とは、
良いモノと悪いモノが一緒に混ざっているさま
です。
心理カウンセラーは「ピンキリ」と言える
心理カウンセラーのなかには大学・大学院ときちんと勉強を積み「臨床心理士」と言われるメジャーな資格を持っている心理カウンセラーがいます。
一方で、数日~数週間あるいは数ヵ月、民間の学校に通うことで資格認定を受けた人も心理カウンセラーであることに間違いはありません。
つまり、心理カウンセラーと一言でまとめるにはあまりに幅広い層の人たちがいるわけです。
そして、心理カウンセラーたちの活躍するフィールドもまちまちです。
臨床心理士は民間資格でありながらも社会的地位を築いている資格と言えます。そのため、臨床心理士の多くは公的機関や医療機関などに従事しています。
一方でその他の心理カウンセラーは臨床心理士の割合と比較すると、独立している人が多いと言えるでしょう。
「玉石混交の『石』」にあたれば料金が高すぎると感じることが自然
コミュニケーションのセンス、直観や傾聴力に優れたカウンセラーではあればどんな学歴であってもカウンセリングの成果を上げるでしょう。
ただ、傾聴力のないカウンセラーなどのカウンセリングを受けてしまうとその料金はとてつもなく高すぎると感じことがあるでしょう。
むしろ、カウンセリングに費やした「時間」と「お金」を返して欲しいと思う経験をした人もいることでしょう。
「心理カウンセラー」という言葉が指す「心理カウンセラー」の定義が幅広過ぎることで、その料金が高すぎると感じる結果を招くこともあります。
玉石混交の歯止めになる?心理職初の国家資格、「公認心理師」の誕生
心理カウンセラーにはこれまで民間の資格が乱立していました。
ただ、日本では心理職初の国家資格となる「公認心理師」の誕生により心理カウンセラーの社会的な評価が変わるのではと期待されています。
「公認心理師」資格への期待が高まる一方で、果たして公認心理師資格は心理カウンセラーの玉石混交の歯止めになるのでしょうか?
「公認心理師」と「臨床心理士」などWライセンス
例えば民間資格が最も信頼が高かった臨床心理士は今後しばらくは臨床心理士と公認心理師のWライセンスで仕事をすることになります。
公認心理師という資格が確固たる地位を築くまではやはり時間がかかると言えるでしょう。
事実、心理職に関わる人以外のほとんどの人は心理職の国家資格が誕生したことさえ知りません。
資格の定着には、まだまだ時間がかかるでしょう。
「公認心理師」はあくまでも「名称独占」資格である
時間がかかることに並行して、心理カウンセラーの玉石混交に歯止めがかかるかどうかは定かではありません。
その理由は公認心理師資格があくまでも名称独占資格に位置づけられているためです。
医師資格や弁護士資格、税理士資格や社労士資格などにはその資格を持った人にしかできない「業務(独占)」が存在します。
一方で、公認心理師資格には少なくとも現状は「業務独占」は存在しません。
あくまでも「公認心理師の資格を持っています」と言った具合に、その名称を名乗ることができるだけになってしまいます。
つまり、心理カウンセリングを公認心理師だけが行って良いわけではないのです。
資格がなくても、
- 心理カウンセラーと名乗る
- 心理カウンセリングを行う
ことに法律上の問題はありません。
そうなると心理カウンセラーは「ピンキリ」になることもあるでしょう。
「カウンセリングが高すぎる」ことのまとめ
日本には昔から「累進課税制度」と言われる税金のシステムがあります。
累進課税制度とは、
所得が多い人ほど、税金の負担が増える制度
です。
この制度は解釈によっては富を得た人が富の得れなかった人の分まで税金を支払う制度とも取れます。
カウンセリングを受ける必要性がある人のなかには一定数は「経済的に苦しくて」悩みが増幅している人たちがいます。
そんな人たちにとっては、少なくとも60分で10,000円はやはり大きな負担になってしまいます。
そうなると心理カウンセラーが対象にしている人たちは少なくとも比較的、富裕層と呼ばれる人たちになるでしょう。
また、お金が無くて困っている人の相談を聴いてお金をもらうことにも矛盾があります。
今後は医療機関や公的機関は「公認心理師」資格を保有していることを条件に採用の募集をかけることが増えてくるでしょう。
特に公的機関などでは無料相談を実施してる公共団体もあり、今後増えることも考えられます。
公的機関が無料相談に注力することは、「累進課税制度」にならえば、所得の多い人たちの税金を使って心理的援助の必要な人たちの心理カウンセリングの費用を負担することになります。
心理カウンセリングの料金が高すぎると思う理由は心理カウンセラーの玉石混交に加えて、心理カウンセラーを必要とする人たちである
にもあると言えます。