カウンセリングを受ける人の中で、カウンセリングの効果を感じやすい人とはどのような人でしょうか?
心のケアとして知られる心理カウンセリング。
人はそれぞれの考え方や性格の違いがあり、育った環境も違えば、現在の生活している環境も大きく異なります。
そのため、カウンセリングを受ける人の中にも、効果を感じやすい人と、効果を感じにくい人がいます。
では、実際にカウンセリングの効果を感じやすい人には、どのような特徴があるのでしょうか。
ここでは、カウンセリングで効果を感じやすい人の特徴について説明します。
カウンセリングの効果を感じやすい人の特徴とは?
カウンセリングの効果を感じやすい人にはどのような特徴があるのでしょうか。
カウンセリングで効果を感じやすい人の典型的な特徴を紹介します。
①過去に「誰か」に愚痴を言ったことで気持ちがスッキリした経験がある人
- 上司に怒られた
- 先生に怒られた
- 親に怒られた
ネガティブな感情を抱いたり、苦しかったりしたときに、知人や友人に愚痴を言うことで「スッキリ」した経験をしたことがある人はカウンセリングの効果を感じやすいと言えるでしょう。
つまり、カタルシス効果が正常に機能する状態であればカウンセリングの効果を感じることができます。
カタルシス効果とは、
誰かに話しをすることで精神を浄化する作用
です。
カウンセリングの効果には個人差があります。
それでも誰かに話しをした時に「スッキリ」した経験をしたことがある人はやはりカウンセリングに効果を感じやすい人だと言えます。
ただ、知人や友人に話しをした場合は、結果的に「話し過ぎた…」という自責の念に駆られる人もいるでしょう。
でも、コミュニティを共有していないカウンセラーに対しては話し過ぎても自責の念を感じることはありません。
だからこそ、そのカタルシス作用が強く働くことがあります。
②感情を言葉にすることが出来る人
感情を言葉にすることを苦手にする男性は多いです。
一方で、話しをしたことでスッキリした経験が多いのは女性だと思います。
そのため、カウンセリングは女性により効果があるのかもしれません。
女性は、例えば「女子会」という言葉に代表されるように、女性は自分のコミュニティのなかで話しをすることでココロを浄化するトレーニングができているためカウンセリングの効果を感じやすいのかもしれません。
普段から感情を文章にして表現するトレーニングが出来ているため、ネガティブな感情を吐き出す力を持っています。
感情を溜め込まずに、きちんと文章にして表出することができる人はカウンセリングの効果を感じやすい人であるといえます。
そもそもカウンセリングで得られる効果とは?
心理療法としてのカウンセリングでは、治療の進展がカウンセリングの効果であるという判断になります。
一方、悩みや不安の相談という「治療的側面」があまり強くないカウンセリングで得られる効果として挙げられるモノに、悩みや不安を打ち明けることによる「スッキリ感」があります。
カウンセリングでの効果はカタルシスによるスッキリ感
人には「カタルシス」という話しをすることでココロが浄化する機能が備わっています。
このカタルシスとは、ギリシャ語で「浄化」を意味します。
細かくは、
精神分析学の初期にブロイアーがヒステリーを治療する際に、「鬱積した感情の表現を促すことによって症状が改善することを発見」し、初めてこの言葉を使用した
ことにその由来があるそうです。また、
人は過去に感じた恐怖や罪悪感を伴った外傷経験は意識に浮かべると不快や不安が起こるため、抑圧されやすい
とされます。
抑圧された感情や葛藤などを自由に表現する場所があることによって、ココロの緊張は解かれるという論に、このカタルシスという効果があるとされています。
カウンセリングでスッキリ感を感じにくい場合とは?
悩みが複雑になってくると「話しをした」というだけでは、効果が得られにくくなります。
複雑になった悩みは整理することが難しくなります。
でも、開発的カウンセリングに重きを置いているカウンセラーであれば話しを聞いているだけではなく、一緒に抱えている不安や悩みを共有するとともに、
- 「なぜ」そう考えるのか
- 「なぜ」そのような行動になったのか
- 「なぜ」そのような言葉を発したのか
などの要因を考えていくことになるでしょう。
この「なぜ」を共有することにより、問題の本質に行きつくことができることもあります。
まとめ
カウンセリングの効果には個人差が大きいです。
個人のパーソナリティや環境の違い、男女での差、受動的・能動的かなど、さまざまな理由によってカウンセリング効果は異なります。
でも感情を言葉にして話しをすることで精神を浄化する「カタルシス」という作用が人には備わっています。
実際は人と話をすることだけでも十分なストレス解消になる人もきっといるでしょう。