人間関係のストレスの原因には5つの特性が原因であるということは知っていますか?
人間関係のストレスについては、8つのタイプという記載をしました。
参考記事:「人間関係がストレスになるのは8つの類型が原因!?」
でも、実は8つの類型論だけではなく、他にも有名な説に5つの特性論(ビックファイブ)というものも存在します。
この5つの特性論は、コスタとマクレーによって提唱されてたパーソナリティの特性論になります。この特性論の枠組みを理解することによって、いま人間関係のストレスを感じている人が人間関係のストレスから脱却することができるヒントが見つかればと思います。
性格の5因子論
コスタとマクレーは、パーソナリティの類型論として、この性格の5因子論であるビックファイブを提唱しています。5因子とは、「開放性」「誠実性」「外向性」「調和性」「神経質傾向」になります。先ずは5つの因子について、それぞれ見ていきましょう。
開放性
経験の解放性といった呼び方をする人もいるパーソナリティの特性になります。あるいは教養・知性・遊戯性といった捉え方をする人もいるのが、この開放性になります。開放性の下位項目には、好奇心、想像力、などの特徴が含まれるとされています。つまり新しいことにどんどんと興味を抱くような好奇心を備えているタイプのことです。また教養という概念からも理解できるように、開放性が高い人ほど知性や学歴が高いという研究もあります。
誠実性
信頼性と呼ぶ人もいるパーソナリティの特性になります。この誠実性は、責任感、勤勉性などの特徴を含むとされています。自分を律することのできるタイプであり、目標など設定した物事へ向かう気持ちの強さなどがあります。この信頼性は、業務の内容を問わず、仕事をする上では様々なプラスの要素を持っていることが分かっています。つまり、「信頼」は誠実さや勤勉性から生まれることの現れです。誠実性のある人が人間関係のストレスの原因になることは乏しいでしょう。
外向性
社交性と呼ぶ人もいるパーソナリティの特性になります。この外向性は、外界の物事や出来事に興味・関心を強く抱くパーソナリティの特性になります。職人肌の人には内向性が高い人、つまり自分自身のスキルやセンスに目がいく人が多いとするとこの外向性は対極にあるパーソナリティです。まさに営業向きな人かもしれません。営業は社交的でなければならないとされるように、外向性が強い人は外界への関心が強いことから、営業に向いているタイプでしょう。
内向的な人と外向的な人では、興味・関心の向く領域は大きく異なるため、外向性が強い人と外向性が弱い人が仕事上でのやり取りを行うと、人間関係でのストレスになることも多くなることでしょう。
調和性
協調性と呼ぶ人もいるパーソナリティの特性になります。日本では、従順さや思いやりなどの概念を含んでいるパーソナリティの特性ということになるでしょう。この協調性は、少なくとも日本では非常に大切にされます。利他主義という言葉も存在するように、相手のことを一番に考えるような性格のことと言えますね。あるデータでは、日本の企業、職場などでは大切にされているパーソナリティではあるが、アメリカなどでは必ずしも必要ではない、とされています。
この協調性が高い人と低い人が職場で同じ方向を見ることは難しいでしょう。調和性が高い人と低い人が仕事上でやり取りを行うと、やはり人間関係でのストレスになることも多いでしょう。
神経質傾向
情緒安定性と呼ぶ人もいるパーソナリティの特性になります。つまり感情の起伏、感情の安定性に関わるパーソナリティであるということが言えます。このパーソナリティの人は人間関係では敬遠されがちになる傾向があります。神経質傾向の高い人は、感情の起伏が起こりやすく、そういったパーソナリティを備えている人とは、仕事をすると難しいと感じることがあるでしょう。
感情の起伏が大きいことで周囲に与える悪影響は少なからず存在していることを神経質傾向の高い人は理解しておく必要があるでしょう。
(心理学的に)特性と類型には長所と短所がある
特性…類型…同じようなニュアンスにも感じ取れますが、特性論と類型論には明確な違いがあります。コスタとマクレーの特性論、ユングの類型論について、パーソナリティの捉え方に関する長所と短所を説明しておきます。
パーソナリティを捉える上での特性論のメリット
特性論でのメリットは、各個人におけるパーソナリティの諸側面を理解しやすいことです。
パーソナリティを捉える上での類型論のメリット
類型論でのメリットは、個人的な全体像を記述していることもあり、直観的に理解がしやすいことです。
パーソナリティを捉える上での特性論のデメリット
特性論でのデメリットは、特定の個人の全体像ないし独自性を直観的に思い浮かべることが難しいことです。
パーソナリティを捉える上での類型論のデメリット
類型論でのデメリットは、より細かな特徴や程度の差異が見失われやすく、中間や混合型などを想定しづらくなることです。
パーソナリティの捉え方としての類型論と特性論
ここでは、コスタとマクレーによって提唱されてた特性論について紹介しました。
どの理論に整合性や正確性があるのか?ということを特段お伝えしたいわけではありませんが、人間関係にストレスを感じている人は、少なくとも漠然とその人を捉えるのではなく、例えば類型論や特性論から、「人」を捉えることが出来るようになれば、自分自身がどのようなことにストレスを感じているについて、少しだけでも理解ができるのではないでしょうか。
人間関係にストレスを感じることは、パーソナリティに違いがある以上は当然のことだ、ということを理解してもらえたら何よりです。
パーソナリティについては、
・クレッチマーの類型論
・シェルドンの胚葉起源説
・シュプランガーの類型論
・キャッテルの16PF
などが存在します。パーソナリティの研究は多く提唱されています。興味がある人は調べてみると面白いと感じることも多いでしょう。
まとめ
人の考え方や行動、言動にはその人が持っている特性が大きく関わっています。
類型や特性が同じタイプの人の行動・言動は、ある程度であれば理解することは可能でしょう。
でも、類型や特性が全く異なる人たちの行動・言動は到底、理解には至らないです。でも人間関係でストレスを感じる時は「なぜあの人は…?」と疑問を感じることから始まることが多いです。そして、理解できない行動・言動は、それだけでストレスに感じますが、人間関係のストレスがココロに根付く要因は「なぜ?」を考え続けてしまうことにあります。
その「なぜ?」を考え続けても答えはきっと出ないでしょう。なぜなら、理解が出来ない人は、おそらくあなたとそもそものタイプが違うからです。
人間関係でストレスが溜まっている人は、
「そもそものタイプが違うから相手の心理は分からない」
という“割り切り”を持つことをお勧めします。この割り切りは簡単にはできないものです。それでもタイプが違う、ということが割り切るための考え方になればいいなと思います。
人間関係のストレスから解消されるためにも「人には特性の違いがある」ということを覚えておいてください。