あなたはストレスに強い方だと思いますか?それとも弱い方だと思いますか?
- 仕事のストレスには強いけれども恋愛のストレスには弱い
- 家庭のストレスには弱いけれども仕事のストレスには強い
など、様々な特性がそれぞれの人に備わっているでしょう。。
ストレスに強いタイプや弱いタイプの定義はその内容ごとに様々ですが、残念ながら日本人は遺伝的にみてもストレスに強いタイプでありません。
世界的にみても日本は「自殺大国」です。平成29年度の調査によると日本での自殺者数は2万人以上というとても悲しいデータがあります。
では、日本人はなぜストレスに弱いのでしょうか?
ここでは、
- 日本人がストレスに弱い理由
- 日本人がストレスに立ち向かうための解決方法5選
を記載しています。
あなたのストレスに対する考え方の参考になれば何よりです。
日本人は遺伝子レベルでストレスに弱い
日本人は遺伝子から見てもストレスに弱いというデータがあります。そこにはセロトニンが関係しています。
セロトニンとは、アミノ酸であるトリプトファンによって生合成される神経伝達物質です。
このセロトニンは人の感情や気分の安定と関係しており、強いストレスなどでセロトニンが減少してしまうとうつ病を引き起こしてしまいます。そして、このセロトニンの量を調整しているセロトニントランスポーターというタンパク質がストレスへの強弱に関わっているのです。
セロトニントランスポーターは、
- SS型
- SL型
- LL型
の3分類ができます。
S型が多ければ内向的で従順になる一方で、L型が多ければ外向的で活発な性格になります。
つまりSS型の人は非常に内向的できわめて従順な性格であると言えます。一方でLL型の人は逆境に強いポジティブ思考を持った人と言えます。
日本人にはどのタイプが多いかと言うと、アジア、とりわけ日本人はストレスに弱いS型の人が多いそうです。そして、ストレスに弱いとされるS型のセロトニントランスポーターを最も多く所有しているのが日本人だというのです。
つまり遺伝子レベルでみると日本人はストレスに弱いという特徴を持ってしまっているのです。
日本人は「文化的」にもストレスを溜めやすい
遺伝子レベルだけではなく、日本人はストレスを溜めやすい特徴を持っています。それは、日本人が持つ価値志向として存在する日本特有の「頑張る」という言葉に表されています。
頑張るとは、一説には「我を張る」からきた
とされており、耐え忍び努力することだという解釈ができます。
日本人は、この耐え忍ぶ=頑張ることに非常に大きな価値を置いており「我慢を美徳とする文化」が色濃く根付いています。
この価値観自体は決して悪い面ばかりだとは言えませんが、この価値観を持っているということはストレスすなわちネガティブな情動が生じることを前提としていることにもなります。
つまり、日本人は生きること自体に我慢は不可欠だと考えているため、ストレスにも敏感に反応してしまうのでしょう。
もし「何でも楽しむことを美徳とする文化」の国があるとしたら、きっと楽しいことばかりを考える人の方が圧倒的に多くなるでしょう。
また、日本人は「慎ましさ」や「奥ゆかしさ」も美徳にしている文化を持っています。慎ましくすることや奥ゆかしさを持っていること自体は悪いことではないですが、グローバルな時代を生き抜くためには必ずしも必要とは言えないでしょう。
例えば、アメリカ人に日本語を話せますか?と聞くと、
- sushi!(スシ!)
- tennpura!(テンプラ!)
- katsudon!(カツドン!)
など。自信を持って知っている日本語を答える人は多いです。
一方で日本人に英語を話せますか?と聞くと、
- I can’t speak english
と英語で
「英語は話せません」
と答えるわけです。
ここには日本独自の奥ゆかしさが存在しますが、「話せてます!」と言われれば返す言葉もないでしょう。
やはり、遺伝子的に見ても文化的に見ても日本人がストレスに弱い理由があるのです。
「高度経済成長期」と昔ながらの教育方針は過去のモノ
日本人には「真面目」で「勤勉」だという特徴があり、その特徴が高度経済成長に反映され日本は豊かになりました。
そして仕事には日本的特徴であるとも言われる「つきあい」があります。最近は、飲みにケーションという言葉があまり流行らない風土になってきていますが、それでも日本人は、良くも悪くも空気を読むことで、「つきあい」を大切にしてきました。
この「つきあい」は義理を伴うことも多く、その結果つきあいの良さそのものが協調性があるという性質の評価となる習慣が日本のビジネスには色濃くっています。この協調性の高さこそが日本の高度経済成長を支えた根幹ともいえるでしょう。でもビジネスの世界は確実に変化してきています。
また教育でも日本では
- 「いい子」でいること
- (他の人と同じように)行動し集団を尊重することがいい子
という行動特性を幼い頃から植えつけられています。
もし、他の人と違う行動を取ると「あの子は何か違う」と揶揄される対象になり兼ねません。そのため、「波風を立てずにいること=いい子」というようなパーソナリティを良い例として育ってきているのです。
つまりビジネスの世界だけではなく、教育環境で見ても日本人はストレスを溜めやすいと言わざるを得ません
でもそうであれば、そのストレスに弱いことを自覚した上でストレスに立ち向かうしかありません。
では日本人がストレスに立ち向かうためにはどうすればいいのでしょうか?
日本人がストレスに立ち向かうためには?
ここではストレスに弱い日本人がストレスに立ち向かうための方法を紹介しています。これを読んで少しでもストレスに強い日本人が増えれば何よりです。
1, ストレスに弱いことを自覚する
まずは遺伝子レベルでも文化的な背景を見ても、日本人はストレスに弱いということを自覚することです。自覚することではじめてストレスときちんと向き合うための方法を考えるようになるものです。
少なくともストレスを感じていないフリをしたり、ストレスに強いフリをするのではなく、ストレスに弱いということを自覚することから始める価値はあるでしょう、
2, ストレスを交わす方法を身に付ける
ストレスになること自体を避けることができればそれが何よりですが、起きる出来事をコントロールすることはできません。そうなるとコントロールすべきは物事が起きたあとに生じる自分自身の感情や思考をきちんとコントロールすることを心掛けるべきです。
ストレスには免疫ができるものです。何度も同じようなストレスにさらされていると自然と回避する方法や考え方を持てるようになります。少しずつストレス耐性を身に付けるようにしましょう。
3, ストレスに弱い文化を理解する
文化的にもストレスに敏感であることを理解しておくことです。
教育で教え込まれた思考や発想を忘れ去ることは難しいものです。そして日本という文化のなかで培われたあなたのマインドは日本の文化的な影響を少なからず受けています。我慢を美徳とする文化や慎ましさ、奥ゆかしさに重きを置く文化のなかで育ったことを忘れないことです。
育った文化では我慢が必要だったのかもしれませんが、我慢しないでいいところでは我慢せずにあなた自身の思いをぶつけることも大切になるでしょう。
4, 特性が活きるフィールドを探す
性格や考え方は直ぐには変わらないモノです。どうしても性格や考え方が変わらない場合は、あなたが持っている特性が活きるようなフィールドをあなた自身で見極めることも大切な要素になります。
日本人が遺伝子的にも文化的にもストレスに弱いことは「農耕民族であった」ことに由来するのかもしれません。もしあなたが人付き合いが過度に苦手だけれども黙々と作業をすることに向いている場合などは農家を営むという選択肢を持ってみても良いでしょう。
ストレスのない仕事や生きる場所を選択することも大切な考え方だと言えます。
5, 少しでも多くセロトニンを分泌する
遺伝的にみても日本人は決してストレスに強いとは言えません。でもストレスに少しづつ強くなろうとする試みは大切です。
セロトニンを少しでも多く分泌できるように、
- 適度な運動をする
- 日光浴をする
- 栄養をきちんと取る
など。
少しでもセロトニンを分泌するようなアクションを積極的に起こすようになりましょう。そうすることでストレスに立ち向かうことができるココロとカラダを手にすることができるはずです。
「日本人はストレスに弱い!その理由と解決方法5選」のまとめ
遺伝子レベルでアジア人、とりわけ日本人は世界で最もS型を保有しているという事実は日本人がストレスに強くないということを示しています。
でも遺伝子レベルでのストレスへの影響は3割程度だとも言われています。
日本も着実にグローバル化の波にのまれています。だからこそ、日本人の強みを活かすことができるような世界水準にあったストレス耐性を身に付けなければなりません。
世界の人たち、あるいはそれ以上にストレスに強くなるため、できることから積極的に始めるようにしましょう。