何のストレスを感じることなく日々の生活を送っている人はいないと思います。
人は生きていると何らかのストレスに直面します。
でも、そのストレスを上手くコントロール出来ている人と出来ていない人がいます。
そして、ストレスをコントロール出来ていない人はストレスを溜める、すなわちストレスを放置しているのです。
ではなぜ、ストレスを放置してしまうのでしょうか?
ここではあなたがストレスを放置しないようになるために、ストレスを放置してしまう理由したいと思います。
奥ゆかしさを美徳とする日本の文化
日本人が精神世界を好む一方で、心理学の世界に足を入れたがらない理由に「日本的な文化」の存在があります。
カウンセリングが流行らない
アメリカを始めとする先進諸外国では、カウンセリングは盛んに行われています。一方で日本では、ストレスを感じた時にカウンセリングに行く人はほとんどいないでしょう。
そこには日本の「奥ゆかしさを美徳とする」文化的な背景があるでしょう。日本人は自分の内面を隠すことに美徳があるとしたら、カウンセリングはその文化的な背景とは対極にあるといっていいでしょう。
精神疾患が恥だと思う
日本では「我慢強い」ということが「人間的にしっかりしている」という評価を受けることがります。一方で、うつ病などの精神疾患などになると「甘えがある」と揶揄されてしまいます。
日本は古くは農耕民族です。我慢することで土壌と作物を耕し発展してきたことを考えると我慢強いことは大切なのでしょう。ただ、ストレスに耐えて、あるいはストレスを放置し続けた結果、心の健康を崩してしまっては何の意味もありません。
ストレスに耐えることが出来る自分自身の限界を理解するように心掛けましょう。
我慢に美徳がある風習は未だに残っている
最近では職場でのストレスチェック制度などの導入によりメンタルヘルスなどが身近なモノになりつつあります。でも、まだまだ我慢に美徳がある文化的な背景は根強いでしょう。我慢することが全く不必要ではないですが、我慢が行き過ぎたことによって心身の健康を損なってしまってはどうしようもありません。
ストレスに耐えるのではなく、ストレスを発散することが大切だという風に捉えましょう。
心理学的にもストレスを放置する理由がある
文化的な特性とは別に人はストレスに対する防衛(防衛機制)として、様々な選択肢をとることがあります。
ストレスを放置してしまう、ストレスから逃避してませんか?
ストレスからの逃避となります。何かストレスになることが起きた時に、ストレスから距離を置くわけです。「彼は現実逃避している」などという表現があるように、極端なストレスがかかった時にストレスを直視してしまうと、身がもたないと判断した場合に、ストレスから逃避するわけです。
でも、これはあくまでも一時的なモノであり、結果的にはストレスを放置することにつながり兼ねません。
ストレスを放置してしまう、ストレスから抑圧してませんか?
これはストレスを抑圧する防衛となります。不安や悩みを無理矢理、心の奥底にしまい込むようなものです。もちろん抑圧しなければいけない場合もありますが、全てのストレスを抑圧し続けると、やがては爆発を起こすことになってしまいますね。
ストレスを抑圧することも、一時的なモノであり、抑圧を続けると溜め込んだストレスが爆発してしまいます。
ストレスを放置してしまう、ストレスを合理化してませんか?
この防衛をする人は意外に多いのではないかと思います、それは、何か起きた出来事にもっともらしい理由付けを行うことで「正当化」するモノです。誰が見ても本当に合理化できていいれば問題ないでしょうが、このほとんどは無理矢理に合理化している、あるいは合理化させ出来ていない場合もあります。
ストレスに対して、合理化ばかりを続けていることで、やがて正常な判断が出来なくなることがあるでしょう。
ストレスを放置するまとめ
ストレスには良いストレスと悪いストレスがあるというような言われ方をすることがあります。
もしあなたが直面しているストレスが不可避なモノだけれども、自分の可能性を広げてくれるようなストレスだとしたら、抑圧や合理化をすることなくストレスと向き合う価値はあるでしょう。一方で、あなたが抱えているストレスが本来我慢する必要がない不条理なモノだとしたら、誰かに相談するようにしましょう。
あなたが直面するストレスの良し悪しを見極め、きちんと対応することでストレスは価値のあるモノに変化することがあります。先ずは、ストレスの内容をきちんと見極めて我慢するかちがある内容なのか、抑圧や合理化する必要があるストレスなのか、ストレスへの正しい判断をしましょう。
少なくとも「まぁ、いいか」というようにストレスを放置することは止めましょう。ストレスを放置すると心身の疾患を引き起こすこともあります。
ストレスを正しく対処するスキルを持つように心掛けましょう。