精神疾患(うつ病)

うつ病に効果的な認知行動療法、マインドフルネスとは?

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うつ病治療方法

最近疲れを感じていて、自分自身がうつ病かもと感じたことはありませんか?

そう感じたときに、うつ病はどの様に治療していけばいいのか、そして治療をすれば元に戻るものなのか?そんな不安を感じた経験がある人もいるでしょう。

そして、うつ病はどの様にして治療をしていくべきなのかという不安を抱えている人もいるでしょう。

こちらの記事では、うつ病の治療方法で最近注目を集めている認知(行動)療法について紹介しています。

うつ病の治療方法とは?

どんな病気にも先ずは薬が必要になります。

うつ病にも個人差はあるものの、やはりある程度は「薬」が効くとされています。

ただ、最近では投薬治療と並行して認知行動療法や運動療法が効果的であるとされています。

うつ病の治療でメジャーな投薬治療

うつ病の薬には睡眠導入剤から精神安定剤まで様々な薬があります。

これらには「中毒性」があって薬を飲み始めると薬を止めることができないのではと心配をしている人もいるでしょう。

そして、投薬治療では、医師の指示のもとで正しく薬を飲むことが必要ですが、自分のペースで薬を活用する人がいるのも事実です。

投薬治療と並行して認知療法が効果的

薬での治療に抵抗がある人は少なからずいるでしょう。

そんな人は、薬に頼らずに治療できればそれが最善となります。

うつ病を薬を使わずに治療したい人には、(最近注目を集めている)ヨガやマインドフルネスといった薬に比較して簡易的な療法ともいえる認知療法(認知行動療法)をオススメします。

認知(行動)療法といううつ病への治療方法

ヨガやマインドフルネス、特にマインドフルネスはここ数年よく耳にするようになりましたね。

マインドフルネス瞑想=認知行動療法と考えれる

マインドフルネスとは、認知(行動)療法に位置づけることができます。

「いまここに」焦点をあて、ありのまま(の自分)を受け入れる

といった方法を用いてストレスを低減する治療法になります。

マインドフルネス瞑想を体験したことがある人もいるかもしれませんが、このマインドフルネスは実はなかなかに難しくて一定のトレーニングを受けないと上手くできないといった印象があります。

マインドフルネス=瞑想ではない

マインドフルネスとは「状態」を指すものであり、マインドフルネスな「状態」になるための手法として存在するのが「マインドフルネス瞑想」となります。

マインドフルネス=瞑想だと思っている人もいるかもしれませんが、マインドフルネス=瞑想ではありません。

マインドフルネスはあくまでも状態を指すモノであり、「マインドフルネス」な状態を作り出すための「瞑想」がマインドフルネス瞑想になります。

Kabat-Zinn ら(2002)は瞑想を注意集中とマインドフルネス(Mindfulness)とに分け、・・・後者は前者から始まって、次第に意識の範囲を広め、意図的に反応せず(non-reactive)、評価をせず(non-judgment)、変化する状況について瞬間、瞬間意識するという作業することであるとしている。すなわち「現在に注意を向け、価値判断せずに瞬間、瞬間の経験を明らかにしてゆくことによって得られる意識」がマインドフルネスである。

引用:The Japanese Journal of Health Psychology / 2008, Vol. 21, No. 2, 57-67

マインドフルネス瞑想の持つ効果

このマインドフルネス瞑想を行うことで得ることができる効果としては、

  • リラックス
  • ストレスからの解放
  • 心が落ち着く

などといったものが挙げられます。

これらがうつ病の治療に一定の効果を持つとされています。

マインドフルネスをあまり難しく考えないようにしよう

マインドフルネス瞑想は方法としては簡易ですが、効果を得ることは難しい一面もあります。

この言葉の意味や考え方を深く考えると瞑想状態になること自体も難しくなるので、単純にリラックスしながら自分自身の呼吸に注意を向けることを大切にしましょう。

うつ病の治療に期待される認知(行動)療法とは

マインドフルネス瞑想も含んだうつ病に一定の効果を持っているとされる認知(行動)療法とはいったいどのようなものなのでしょう。

認知療法とは、

「簡易精神療法の一種で、認知の歪みに焦点を当てることによってうつ病やパニック障害などの、精神疾患の治療を行うものである。

また、この療法の特徴は、知覚・情報選択・短期記憶/長期記憶・判断・予測などの認知のフィルターを通した主観的体験が人間の情緒体験と密接な関係をもつという理解に基づいている点にあるとされる。

例えば、喪失―抑うつ、獲得-躁、危機―不安、侵害―怒りなど、認知と情緒反応の関連を考え、その認知過程の極端な歪みを修正することが情緒障害の治療につながる」

引用:『心理学辞典(有斐閣)』より

とされています。

つまり、認知の過程で起こる歪みを修正することで情緒障害を治療することを目的とした療法です。

うつ病の治療、認知(行動)療法を知ろう

ここでは、うつ病の治療に効果があるとされる認知療法の紹介をしています。

うつ病の治療法として期待される認知(行動)療法

認知療法の治療初期の目的とされるのはある状況下で瞬間的に浮かぶ考えに変化を起こすこととされています。

つまり自動思考と言われる瞬間的な情動や考え方に変化を起こすことが目的になります。

例えば、自動思考で「犬=可愛い」と思う人も多いですが、犬に噛まれたことのある人の場合は「犬=怖い」という自動思考になるかもしれません。

この自動思考のプログラムである認知を変化させることを治療に位置づけているといった捉え方ができるのではないでしょうか。

自動思考は自己防衛?

先ほどの例でいうと「犬=可愛い」という人がいる一方で「犬=怖い」という自動思考を持つ人もいます。

でも、犬が怖いと思う人のほとんどは過去に犬に噛まれたり追いかけられたりした経験がある人でしょう。

つまり、犬が怖いと思うことで危険から自分自身の身を守るという自動思考が生じるようになっているわけです。

自動思考の全てがポジティブである必要はなく、一部の自動思考の認知を変化させることが治療となります。

自動思考をさらに掘り下げる

この自動思考は比較的表層での歪みを生じています。

これに対してさらに下層に潜んでいる「スキーマ」というものがあり、スキーマは心の深層にあるとされています。

この「スキーマ」は対人関係の様式や行動パターン・思考に表れるものです。

あなたの人生で長期的に繰り返されてきた行動パターンや思考パターンにおける認知(と行動)を検討することでうつ病に対してアプローチできる可能性があるとされています。

認知(行動)療法には良好な関係が必要

うつ病に対して認知療法を行うにあたっては、カウンセラーとクライアントとの良好な関係を構築することが必要になります。

さらに、クライアントの認知の在り方をカウンセラーがともに検証していくという「実証主義的共同作業」が重視されています。

※「実証主義的共同作業」とは

共同経験主義と言われる認知療法で用いられる用語で、カウンセラーの考えや思考を一方的に伝えるのではなく、むしろ共同で、クライアントの非機能的な思考を現実に照らし合わせながら検証し、修正していく治療的態度をいう。

引用:『心理学辞典(有斐閣)』より

認知療法はうつ病の治療に効果的だという論文もある

欧米では、精神疾患に対して認知療法が有効であるという報告が多数存在し、特に研究が進んでいるのは「抑うつ状態」および「うつ病」に対しての治療であるとされています。

ただし、うつ病の治療にあたっては、

自己・環境・将来に対する否定的認知の三側面が治療の焦点

であるとも言われています。

また認知療法の効果としては、うつ病以外にもストレスコーピングやアルコール依存・薬物中毒に対しての治療効果も報告されています。

うつ病を治療せずに放置するとどうなるのか

病気を放置するとどうなるイメージを持っているでしょう?

病気は放置すると「悪化する一方」になることが多いです。

うつ病も放置すべきではない

うつ病も他の病気と同様に、放置することで、治療が難しくなり慢性化してしまいます。

今は踏ん張りがきいたとしても、やがては対人関係や日常の生活そのものにも影響が出始めてしまいます。

そのため、カラダに異常をきたしているときなどは心療内科や精神科といった医療機関を受診することをオススメします。

また気分がすぐれない、ココロの状態がおかしいと感じているときなどは、心理カウンセリングを受けることをオススメします。

うつ病と感じたら放置せず心理カウンセリングを受けてみよう

「本当に自分はうつ病なのだろうか?」あるいは「医療機関の受診」とは言っても、どこを受診すればいいのでしょうか。

心療内科や精神科は身近な存在ではない人も多いため、医療機関の選択そのものも大きな課題となり、治療に行く場所を選択する段階で強いストレスを受けてしまうこともあります。

また、カウンセリングを受けようと思っても、日本では心理カウンセリングは浸透しておらず、どこで相談をすればいいのかを迷うところもあるでしょう。

ただ「病院はちょっと嫌だけどもカウンセラーと話すくらいない大丈夫だ」と感じる人は、無料カウンセリングを行っている私設の心理カウンセリングなどを受けてみることをオススメします。

まとめ

うつ病はココロの風邪というような言われ方をしていた一方で、闇の深い病気とも言われています。

それでもうつ病の治療を続けていくことで普段の生活を送っている人も多く存在します。

うつ病は、ストレスを始めとする複数の原因が重なり合って症状が出ると言われています。

そのため、投薬治療を中心としながらも、うつ病の治療に認知行動療法が効果的であるという説もあります。

カウンセリングにおける治療効果は個人差が大きいですが、不安を抱えられた場合は、先ずは心理カウンセリングでアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。

心理カウンセリングの療法の中にうつ病に効果的な認知行動療法もあります。

病院である精神科や心療内科に通うことに抵抗がある人は、投薬治療などを始める前に心理カウンセリングを受けてみることもオススメします。

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