精神疾患(うつ病)

うつ病の初期症状でチェックすべき3つの基本症状とは?

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うつ病初期症状

あなたは、自分自身がうつ病かもと感じたことはないでしょうか?

うつ病の初期症状とはどのようなものなのでしょうか?

ここでは、うつ病の初期症状とチェックリストについて紹介しています。

うつ病にはどのような種類があるのかご存知でしょうか?

うつ病とは、大きくは「気分障害」に分類される病気です。

気分すなわち気持ちが沈んだり落ち込んだり、やる気がなくなってしまったり、人と会うことを極端に避けるようになるとそれはうつ病のサインなのかもしれません。

うつ病の初期症状とは

うつ病には、「ココロの風邪」というような呼び方がされるときがあります。

 DSM-IVの診断基準の研究では、「抑うつ気分」および「興味または喜びの喪失」の2つの基本症状があれば、約90%がうつ病としてスクリーニングできるという。
 しかし、診断にあたって注意を要するのは、「頭痛や腰痛など身体症状が存在すると、それらを強く訴え、必ずしも精神症状を訴えるとは限らない」ため、「精神症状が見逃がされてしまいがちである」ことである。

 

これは何を意味していると思いますか?

それは(身体症状がない場合)うつ病とは「ふと」した瞬間に「誰」にでも発病する可能性があるということです。

あなたは風邪を引いたかもと感じたときにどのような初期症状を感じますか?

それぞれ風邪の初期症状の感じ方やあらわれ方には違いがあるのではないかと思います。

例えば、

  • 関節の節々が痛くなる
  • 鼻水がとまらなくなる
  • 頭が痛くなる
  • 咳が出る

など、風邪の初期症状は様々です。

うつ病の初期症状も、大きな個人差があります。

ここではうつ病の代表的な初期症状を紹介します。

初期症状は気分の変化(疲労感・不眠・食欲不振)

うつ病とは、大きくは「気分障害」を意味する病気であるとされています。

うつ病の初期症状とは?

では、実際にうつ病には、どのような初期症状が存在しているのでしょうか。

主に医療機関などで使用されている診断基準では、

ICD-10やDSM-IVという診断指針や診断基準があり、診断にとって有用である

とされています。

※うつ病診断の評価基準については「うつ病の初期症状を自己チェック」にて紹介しますが、「抑うつ気分」や「興味と喜びの喪失」というような大きな項目があります。

うつ病の初期症状には、気分の変化があります。その気分の変調とされる初期症状には、次のようなモノがあります。

うつ病の初期症状「体の場合」

体の場合には、体の異変や病気は特にないにも関わらず、

  • 体の疲労感
  • 体の倦怠感

といった身体症状が出ることがあります。

うつ病の初期症状「睡眠の場合」

睡眠の場合には、

  • 寝つきが悪い
  • すぐに目覚めてしまう
  • 朝が起きれない

といった症状が出ることがあります。

うつ病の初期症状「食事の場合」

食事の場合には、

  • 食欲不振
  • 食欲減退
  • 過食

といった症状が出ることがあります。

うつ病の初期症状、それ以外の場合

例えば仕事の場合では「著しく集中力を欠き、ミスが多くなる」などが挙げらるでしょう。

さらには、理由なく涙がとまらなかったり、ひどく落ち込んでしまった場合などには「死にたい」と思うこともあります。

うつ病は誰でもなる可能性がある

初期症状のサインを見逃さない

一昔前までは、うつ病にかかる人の性格的な特徴は責任感が強く、頑張りすぎる人だと言われてました。

そのため、「ココロの病気に自分自身がかかるはずなんてない」とさらに頑張ることでストレスを肥大化させた結果、重症化してしまうケースは珍しくありませんでした。

ただ、現代では「新型うつ病」に示されるように、ある意味では身近であり誰にでも起こる病気として認知されはじめています。

大切なことは、初期症状を軽視せずに、ココロの健康状態に敏感になることです。

メンタルヘルスの労災認定

現在は、メンタルヘルスの労災認定の請求件数は右肩上がりとなり、うつ病などの精神疾患は経済にも大きなダメージを与える時代になってきています。

引用:厚生労働省「こころの耳」より

うつ病は誰にでも起こりうる

どのような性格の人であっても悩みや不安を抱え込むことによるストレスは、確実に精神的・身体的なダメージを与えます。

重症化してしまう前にうつ病の初期症状を見逃さないようにしましょう。

ココロの病気はココロの弱い人がなるわけではありません。

「自分は大丈夫である」と考えることなく、不安や悩みを一人で抱えないように心掛けましょう。

うつ病の初期症状を自己チェック

あなた自身でうつ病の初期症状をチェックできるチェックリスト、ICD-10をここでは紹介します。

風邪かなと思ったときと同じように、軽い気持ちでチェックリストを確認してみてください。

※なお、チェックリストは大項目が3つ、小項目が7つから構成されています。

うつ病のチェックリスト

うつ病のチェックリストは下記の通りとなります。

チェックリスト大項目(=基本症状)

□ 抑うつ気分(憂うつ、気が滅入る)

□ 興味と喜びの喪失

□ 易疲労感の増大と活動性の減少

チェックリスト小項目(=その他の症状)

□ 集中力と注意力の減衰

□ 自己評価の乏しさと自信のなさ

□ 罪責感と無価値感

□ 将来に対する希望のない悲観的な見方

□ 自傷あるいは自殺の観念や行為

□ 睡眠障害

□ 食欲不振

参照:ICD-10 の診断基準

自己チェックリストの結果を確認しよう

いかがでしたか?

軽症うつ病の場合

回答としては大項目に2つ以上の該当があり、小項目に2つ該当した場合は「軽症うつ病」とされます。

中等症うつ病の場合

軽症うつ病と同じく、大項目に2つ以上の該当があり小項目に3つ~4つ該当した場合は「中等症うつ病」とされます。

重症うつ病の場合

そして、大項目に3つ以上の該当があり、小項目に4つ以上該当した場合は「重症うつ病」とされます。

チェックリストはあくまで主観的

これらの結果はあくまでも目安となります。

例えば、尿検査や血液検査等とは決定的に違い、チェックリストはあくまでもセルフチェックです。

そのため、このチェックリストのみの結果を機械的に判断して、重症度を測定する必要はありません。

それでも、重症うつ病に該当するのではと思った人は、医療機関を受診することをオススメします。

うつ病と思ったらどの様に治療するのが良いか

友達に、あるいは家族にうつ病の方かもいう人がいる場合、あなたはどこに行くように伝えればいいのでしょうか?

骨が折れてるかもとなれば整形外科ですね。でもココロが折れてるかもとなれば(医療機関であれば)「何科」をすすめればいいのでしょうか。

うつ病の初期症状で適切な医療機関とは?

うつ病は強いストレスにさらされ続けることで引き起こされると認識されています。

でも、うつ病は医学的には脳の病気と考えられている場合もあります。ただ、すぐに脳外科を受診する人はいないでしょう。

「うつ病と思ったらどこに行けばいいの?」となる現状がありますが、医療機関であれば「心療内科」あるいは「精神科」ということになります。

うつ病の治療に関する一般的な知識

ここで少しだけ、うつ病の治療をしよう、と思った方々への、業界の住み分けのようなものを記したいと思います。

「カウンセリング」を受ける場合

まずは一般的に、「うつ病=カウンセリング」という印象を頭に浮かべる人もいるでしょう。

でもこの心理カウンセリングというものはクリニックに併設されているモノを除いては、基本は“サービス”の位置づけでもあると考えてください。

つまり心理カウンセリングでは投薬などの医療行為を行うことはなく、心理カウンセリングあくまでも治療をサポートするというような表現がふさわしいでしょうか。

あくまでも援助という文脈におけるサービスであるためカウンセリングでは保険がきかないことがほとんどになります。

「メンタルクリニック(心療内科・精神科)」を受診する場合

一方で、心療内科や精神科は、もちろん医師免許を保有している「医師」が行う医療行為となります。

そのためもちろん保険適応が可能となります。

ただし注意しなければならないことは「話しを聞いて欲しい=精神科ではない」ということです。

精神科などでは、なぜうつ病を発症したのかというような原因はもちろん大切にしますが、それ以上に大切なことは医療行為であり病気の治療となります。

あなたは風邪を引いた時に病院に行き点滴を打ったり薬をもらうでしょう。

メンタルクリニックもまた同じように、病気の症状を緩和するために主に薬を用いた治療を行います。

この医療行為がサービスである心理カウンセリングと精神科の大きな違いであると言えます。

話しを聞いて欲しいときは?

あなたが話しを聞いて欲しいと考えているのであれば心理カウンセリングを検討することをオススメします。

うつ病かも!?と感じたときに、メンタルクリニックに臨床心理士などのカウンセラーがいる場合はカウンセラーに話しを聞いてもらうことも可能でしょう。

でも純粋に話しを聞いて欲しいという気持ちが強い場合は、医療機関の受診ではなく心理カウンセリングを受けることをオススメします。

ただ、私設の心理カウンセリングなどは保険の適用はありません。カウンセリングを受ける場合は、1回60分程度で10,000円ほどが相場になります。

あなたの経済面の負担を考慮しておくことも大切になります。

本格的な治療が必要な場合は?

例えばあなたが「とにかく眠れなくて薬を飲んででもまずは睡眠をとりたい」などの薬の処方を希望されるなら、医療機関の受診が適切になるでしょう。

薬の処方が必要な場合は医療機関での治療を検討することをオススメします。

なお、心理カウンセリングでは保険適用はありませんが、医療機関では保険が適用されるため、私設のカウンセリングほどは費用はかからないでしょう。

心理カウンセリングで行う治療(方法)

うつ病は気分障害に属する「病気」です。

心理カウンセリングでは保険が効きませんが「治療的な」側面もあります。

あなたが心理カウンセリングでの治療を望む場合は、その治療には精神分析や認知行動療法、来談者中心療法など、様々な方法論があります。

ホームページなどで心理カウンセリングを行う先生の専門分野やキャリアなどの情報を収集した上で、心理カウンセリングへ行くようにしましょう。

ここでは、心理カウンセリングで行う治療(方法)を簡単に紹介します。

心理カウンセリングの治療方法

精神分析

フロイトの創始した心理学理論であり、その理論に基づいた心理療法です。

「(人の)内部に抑圧されている精神的なものを意識化する仕事を精神分析と名付けた」とされ、無意識の深層を研究する科学とされています。

フロイトによれば、

「浄化法から発展してきたもので、無意識的な存在と意識とを疎通させ、クライアントがこれまで行ってきた自動的な不快支配の結果拒否し(抑圧し)てきたもの(無意識的なもの)を(意識化して)もっともよく洞察しようという動機にはげまされて、(抵抗を克服し)抑圧されてきたものを意識的に受け入れるように」

そのクライアントの変化を意図した治療方法だとされています。

認知行動療法

最近ではマインドフルネス瞑想などの流行りもあり、うつ病の治療には一定の効果があるとされています。

認知行動療法は、簡易精神療法の一種であり認知の歪みに焦点を当てることによってうつ病やパニック障害などの、精神疾患の治療を行うものとされています。

来談者中心療法

日本では最もメジャーな療法が来談者中心療法となります。

クライアント中心療法と言われるもので、ロジャーズによって創始された心理療法です。

「問題は何か。どう解決したらよいかについて最もよく知っているのはクライアント自身である」という考え方のもとクライアントの体験に心を寄せて、その体験を尊重することによってクライアントは本来の力を発揮することにより問題を解決していくという考え方を基盤にした心理療法となります。

まとめ

うつ病の初期症状を感じている人は、「なんとなく(寝れない)」という心身の不調を感じている人も多いでしょう。

自分の場合は医療機関を受診するほどでもなければ誰かに相談するほどでもないと決めつけてませんか?

悩みや不安などのストレスにさらされ続けることで、人は問題を自分自身で解決することが難しくなってしまうものです。

そして、ストレスにさらされていたり、心身に感じる違和感を放置するとうつ病が重症化することもあります。

うつ病の初期症状を軽視せずに、ココロの健康管理に対する意識を高めるようにしましょう。

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