あなたの会社はストレスチェック義務化の対象でしょうか?
最近では、職場でのメンタルヘルスに力を入れる傾向が顕著になってきており、国が制度を作るなどの広がりを見せています。
また義務化の対象ではなくてもストレスチェックを行う企業も存在します。
ではなぜストレスチェックの義務化が必要なのでしょうか。
ここでは制度の簡単な説明と義務化が必要な理由について記載しています。
記事ではストレスチェックについてご紹介させて頂き参考にして頂ければと思います。
職場でのストレスチェック制度について
「身を削って働く」時代ではない
これもまた、時代の大きな流れの一つと言えるでしょう。
- 寝ずに頑張れ!
- しんどい時こそ伸びる時だ!
- 座ってる暇があるなら営業に行け!
なんていう表現が少しずつ「時代錯誤」な考え方になってきています。
高度経済成長期を支えた日本の在り方は、いままさに変化してきています。
「耐えた先に道は拓ける」などという発想の強要はパワハラに認定される時代なのでしょう。
そのような時代変化のなか、職場での健康診断にも大きな変化が生まれてきています。
厚生労働省におけるストレスチェックの義務化
ストレスチェックは、厚生労働省の義務化の波が進んでいます。
精神障害の労災請求件数は驚くほどに右肩上りとなっています。
(引用:厚生労働省「こころの耳」より)
その数は、15年前と比べ7倍以上になっています。
2010年の政府の新成長戦略では、
「2020年までにメンタルヘルス対策を行う職場の割合を100%」
という目標が設定されています。
つまり、すべての事業者においてストレスチェックは義務付けられるということになりますね。
ストレスチェックは意味あるモノとして定着するか?
ただ、このストレスチェック制度の定着には時間がかかるように考えれます。
時代錯誤な考え方が「一昔前だ」と言っても何百年も前の話ではなく、たった20年~30年前までの話しです。
いま働く30~40代以上のサラリーマンは「仕事にストレスはつきモノ」だと考えているでしょう。
そういった社会環境のなか、ストレスチェックが本当に意味あるモノとして定着するまでには一定の時間が必要でしょう。
職場でのストレスチェックが必要な2つの理由とは?
ストレスチェック実施のマニュアル本にはこのような記載があります。
「強いストレス等が原因で精神障害を発症し、労災認定される労働者は増加傾向にあり、メンタルヘルス不調を未然に防止する取り組みを一層住指針することが喫緊の課題となってきました」
同時に、
「ストレスチェック制度は、メンタルヘルス不調の未然防止を目的とした制度であるが、従業員のストレス状況の改善および働きやすい職場の実現を通じて、生産性の向上にもつながるものである」
とも記されています。
1, 職場での心(ストレス)のケアが必要な時代になった
ストレスチェックの義務化
ストレスチェックの義務化が意味するところは、労働者の身体の健康を配慮することはもちろんのこと、労使関係のなかでは労働者の精神の配慮も不可欠な時代になったということでしょう。
ただ、このストレスチェックの義務化には厄介な問題が潜んでいます。
ストレスチェック義務化の難しさ
会社で企業戦士として働いている方の中には「ストレスが溜まっている」という評価を被りたくない人も少なくありません。
大手企業の人でまさに企業戦士の人は、特にストレスチェックに過敏な反応を示すのかもしれません。
会社に自分自身がストレスに弱いと判断された場合に、その評価が一番のストレスになる人もいるためです。
これは、ストレスチェックを義務付ける厚生労働省の施策における課題になるでしょう。
会社の文脈で行うストレスチェックでは、ストレスに対する弱さを絶対に見せたくないという人も存在しているためです。
日本には働くことは素晴らしいという文化がある
日本人は「勤勉で努力家」であるという性質を持っています。
そして、この性質が高度経済成長期を支えたことを考えると、ストレスチェックの義務化は企業の成長の停滞を示唆しうるものにもつながり兼ねないでしょう。
働くこととストレスのバランスを維持することは難しいことなのでしょう。
働き方に変化が求められている
この「義務」という言葉はなかなかに厄介な言葉で、「義務」から良いイメージを連想する人は少ないでしょう。
ただ、義務化されることで自分自身のココロの健康に目を向ける機会が生じるという点では利はあります。
義務化を契機にやがては自発的にココロの健康に目を向けるべきだということが当たり前になる時代がくるのでしょう
いずれにせよ、ストレスチェックの「義務化」という戦略は、日本の職場環境の変化を促さなければならないという、一つの時代の大きなうねりを指し示すモノでしょう。
2, 定期的なストレスチェックが必要とされている
ストレスの「状態」に触れる
ストレスって何だろう?ということに触れること自体は非常に価値あることでしょう。
もし、ストレスチェック義務化の戦略がなければ、職場で働く人たちは自分自身のストレスに目を向けることはあまりないでしょう。
そういった意味では、ストレス状態に敏感になることは大切なことでしょう。
定期的なチェックは有効
しかし、ストレスチェック制度の定期的な実施はココロの健康状態に定期的に目を向けることになります。
ストレスチェック制度が存在していない状態よりは明らかにストレス状態に触れる機会は増えるでしょう。
どんな形であっても、ストレスに対する興味を持つきっかけになるという意味ではストレスチェック制度は非常に価値あるものになります。
ストレス状態を知ることができる
最初は、「多少強引にでも」≒「義務化」してでも、働く人がココロの問題に目を向けることにストレスチェック制度の大きな意味があります。
自分は他の人に比べてストレスが溜まっているのか?など、少しでも何かを感じることは大切です。
たとえ年1回だったとしても、定期的にストレスの状態をチェックするタイミングで、ストレスチェックを受ける人はストレスに関する質問に目を通します。
その機会が定期的に用意されていること自体に大きな価値があるということです。
まとめ
企業は「人を大切にしたい」という想いを持っているでしょう。
でも、業績が悪ければココロの健康状態どころではなく、給与さえ支払えなくなるのも現実です。
そんな中で、どの様にして従業員に気持ちよく仕事をしてもらい、業績を上げることができるのか苦労をしている経営者・管理者も多いでしょう。
職場でのストレスチェックの重要度が増している理由には、労働者の心の問題も企業責任になる時代になってきたことも大きいでしょう。
仕事とプライベートのバランスを保つことができるよう、少しでもストレスチェックが有効に機能すればと思います。