人間関係

職場で説得力を高める心理テクニック、説得の3技法を紹介

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ビジネスシーンなどで使われる「説得力を高める心理テクニック」をあなたは知っていますか?

社会心理学の一つであり、相手を説得するために用いられるこの「説得の3技法」は非常に有名です。

ここでは、説得力を高める心理テクニックとして、

  1. フット・イン・ザ・ドア法
  2. ドア・イン・ザ・フェイス法
  3. ロー・ボール法

を紹介しています。

ここで紹介する説得の技法は、主に営業マンなどがビジネスの場面で用いる技法であり、ビジネスシーンで「説得」を必要とする場面は営業や部下の指導など様々な場面に至ります。

ビジネスシーンで有効だとされる説得力を高める心理テクニックはあなたのビジネスシーンでもきっと役に立ちます。

ここでは、説得力を高める心理テクニックにおける説得の3技法に加えて、

  • 恐怖喚起コミュニケーション

についても紹介しています。

この記事を読んであなたのビジネスシーンでの説得力が飛躍することを願っています。

説得力がある人とは説得的コミュニケーションが上手い人

「あの人は説得力があるな~」と思う上司や同僚があなたの周りにもきっといることでしょう。

そもそも説得とは、

相手の態度を変えること

と言われます。

そして、説得力のある人とは、

メッセージの受け手の行動や意見を特定の方向に変化させることを狙ったコミュニケーションができる人

のことを言います。

基本的には、メッセージの送り手である説得する側が説得される側の態度や思考を望むべき方向に変化させることが説得になります。

そして、この説得力には切り離せない要因として、

  • 説得する人の「信憑性」
  • 説得する人の「魅力」
  • 説得する人の「勢力」

この3つが存在しています。

説得力を高める心理テクニックをより効果的に活用するためにも「信憑性」、「魅力」、「勢力」を高めることが説得力を上げる近道であることも覚えておきましょう。

説得力を高める「信憑性」

「信憑性」とは「専門性」と「信頼性」から生じる性質のことです。

専門性とは説得をする人が専門的な知識を持っていると判断された場合に機能します。そして、信頼性とは知識などが偏りなく誠実に伝えられていると判断された場合に機能します。

ウェルビー先生
信頼性は実は早口のときほど高まるとされています!

説得力を高める「魅力」

「魅力」とは説得する人が文字通り魅力的かどうかに説得の効果は変化するというものです。これは例えば化粧品のCMに肌に透明感のある女優が起用されているシーンが一般的です。

その人が持つ外見や雰囲気も説得力には大きく関わりがあると言えます。

ウェルビー先生
実際にアメリカでは政治家も外見が大事とよく言われています!

説得力を高める「勢力」

勢力とは「power」のことであり、地位や権力であると言えます。これは説得力のなかでも最も大きく関わると言われています。

ウェルビー先生
説得力には「地位」や「権力」は切っても切り離せないものです!

説得力を高める心理テクニック

あなたにまだ

  • 「信憑性」
  • 「魅力」
  • 「勢力」

が備わっていないとしても、説得力を高める心理テクニックを駆使することで相手を説得することは可能です。

社会心理学では説得力を高めるための心理テクニックとして、

  1. フット・イン・ザ・ドア法
  2. ドア・イン・ザ・フェイス法
  3. ロー・ボール法

この3つが頻出します。それぞれを解説していきます。

1, フット・イン・ザ・ドア法(段階的要請法)

最初に受け入れられやすい要請をし、これを受け入れさせることによって、本来の目的であるより大きな要請に対する受諾の可能性を高める心理テクニック

になります。

これは一つの小さな頼みごと、相手にとって受け入れやすい要請を出し、一度受け取ると相手はあなたの要請を最後まで受け入れてしまうといった心理を活かしたテクニックになります。つまり人は一貫した態度をとることが正しいという認識をしているため、一度「YES」というと最後まで「YES」というべきだという心理が働くモノです。

その心理を利用した説得のテクニックが「フット・イン・ザ・ドア法」となります。

2, ドア・イン・ザ・フェイス法(譲歩的要請法)

拒否されることを見越して最初に大きな要請を出し、その大きな要請に対する拒否を引き出すことにより、次の小さな要請に対する受諾の可能性を高める心理テクニック

になります。

この説得のテクニックでは「人」は「人」の「譲歩には譲歩を返す」という返報性の規範が働く心理を活かしたテクニックになります。説得を受ける側の心理は「相手が譲歩してくれたし、自分も譲歩しなければなならない」となります。

ただ、「譲歩」に「譲歩」が返ってくる場合は相手の関係性がある程度築けているときなのでまずは関係を築く必要があります。

3, ロー・ボール法(承諾先取要請法)

最初に偽りの好条件を呈示して要請をとにかく受諾させることにより、次にその好条件を取り消した場合の要請の可能性を高めようとする心理テクニック

になります。

この技法、パワハラやセクハラなどのハラスメントの場面などで登場しやすい説得力を高める心理テクニックです。

例えば、上司が部下に「〇〇をしてくれたら△△を考えてもいいよ」などの“偽り”の好条件を呈示した後に望ましい行動に部下を変化させる説得の技法になります。

ただその「△△」という好条件を呈示した後に、本当にその好条件通りに上司が動いてくれるのかどうかには疑念が生じます。そういった意味ではローボール法は説得に活用するのではなく、あなたが誰かに騙されないためにも知っておくべき知識と言えるでしょう。

説得には意外な効果を発揮する「恐怖喚起コミュニケーション」

恐怖喚起コミュニケーションとは、

受け手にとって恐怖や不安を喚起させるタイプの説得的コミュニケーション

になります。

例えば、「月末までに書類を提出しないと降格になるよ」などといった恐怖を駆り立てることで、相手の望ましい行動や思考を引っ張り出そうとするコミュニケーションのことです。

恐怖を喚起させることで説得される側は行動や思考を望ましい方向に変化させることは職場ではよくありますが、最近ではパワハラの問題は良く取り上げられます。極端に恐怖を煽ると「パワハラだ」と責められてしまうこともあるでしょう。

恐怖喚起コミュニケーションも、「譲歩」に「譲歩」を返すドア・イン・ザ・フェイス法と同じように説得する相手との信頼関係をきちんと築いたうえで活用するようにしましょう。

まとめ

ここでは、説得力を高める心理テクニックを紹介しました。

ただ小場ではセクハラやパワハラ、マタハラなどの様々なハラスメントが取り上げられる時代です。あなたは「良かれ」と思って言ったことでも相手にとっては大きなダメージになってしまうことも少なくありません。

あなたが部下や同僚を説得するときはあなた自身の持っている「信憑性」、「魅力」、「勢力」をきちんと把握した上で発言するように心掛けましょう。

 

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