人間関係

リーダーシップ論とは?代表的な2つのリーダーシップ論を解説

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あなたは職場で上司のリーダーシップを評価した経験はないでしょうか?

  • あの人はリーダーシップがある!
  • あの人はリーダーシップが足りない!

といった具合に。あるいはあなたがプロジェクトのリーダーに指名されたときに、

  • 自分はリーダーに向いてるのか?
  • 自分はリーダーとしての資質があるのか?

と考えたことはないでしょうか?

ではリーダーシップがある人とリーダーシップがない人の違いは「何」なのでしょうか?

多くのビジネスマンはミスリードを起こしてしまっています。それはリーダーシップが本人の持つ感性(個性や特性)だと考えていることです。

しかもリーダーシップと聞くと、変革力を持っていることやカリスマ的なイメージを持つ人も多いです。

でもその解釈はNGです。リーダーシップとは理論であり個人の持つ感性ではありません。

ここでは『心理学辞典(有斐閣)』を参考にリーダーシップについて、

  • リーダーシップの概念とは?
  • 代表的なリーダーシップ論

を紹介しています。

あなたがリーダーシップのない上司のもとでストレスを感じているなら、リーダーシップ理論をマスターしてリーダーシップの理論を思い切って上司につきつけてみましょう。

リーダーシップの理論や概念とは?

リーダーシップとは「個人」と「集団」が存在して初めて成立する概念です。そのため心理学でもとりわけ社会心理学のなかでの中心的な概念になります。

リーダーシップは古代ギリシャ、エジプト、中国などで古くから存在していた概念です。そして現代のリーダーシップの概念は、

集団の目標達成、および集団の維持・強化のための成員によってとられる影響力行使の過程

引用:心理学辞典(有斐閣)

とされています。つまり、リーダーシップとは集団(組織)のなかで働く集団を維持・強化させるための概念ということになります。

例えば会社などの集団(公式な集団)では、役職者に期待される役割こそがリーダーシップです。でも、リーダーシップとはその地位から生じるものなのか、あるいはその人の持つ人間的な魅力から影響を及ぼすものなのでしょうか?

答えはどちらからも生じているということになりますが、少なくともあなたがいまリーダーシップのない上司にストレスを抱えているのなら、それはリーダーシップが足りてないのではなくヘッドシップが足りていないからです。

リーダーシップとヘッドシップの違い

ヘッドシップとは、例えば会社であれば会社から任命された人のことであり、外部からの任命によって生まれた上司はヘッドシップということになります。つまりヘッドシップはリーダーシップとは異なり、地位や権威のあるポジションに外部からの指名によって就いた人ということになります。

そうなるとその上司はあくまでもヘッドシップであり、あなたが求めているリーダーシップとは異なるものになります。

代表的なリーダーシップ論

リーダーシップ論は、リーダーシップに関する現象を解明しようと多くの心理学や経営学の研究者たちが研究をしてきています。

そのなかではどのようなリーダーシップ行動が集団に効果的な作用をもたらすのかがもっぱらの焦点になっていることでしょう。リーダーシップには、リーダーシップ特性理論やリーダーシップスタイル論などが存在しますが、ここでは代表的なリーダーシップの理論である、

  1. PM理論
  2. 条件即応モデル

の2つについて解説しています。

1, PM理論

これはリーダーの機能を2分類し、さらに各々を「高い」「低い」で分けた三隅二不二のPM理論と言われるものです。

P機能(パフォーマンス):目標を達成するための能力

M機能(集団維持):集団を維持するための能力

これらを高低に分けていることからこの理論ではリーダーシップが、

  • PM(ラージPラージM)型
  • Pm(ラージPスモールm)型
  • pM(スモールpラージM)型
  • pm(スモールpスモールm)型

の4つに分けることが可能です。

例えば、Pm(ラージPスモールm)型のリーダーは「目標が明確でありその目標達成のための指示」も行います。一方で「人望が薄い」リーダーとも言えます。

逆にpM(スモールpスモールM)型のリーダーは人間関係を保つことに優れていますが、効率が悪いリーダーと言えるでしょう。

2, 条件即応モデル

これはコンティンジェンシーモデルとも言われる理論で、効果的なリーダーシップのあり方を、

  • 課題の性質
  • 集団の構造
  • リーダーと成員における人間関係

など。様々な状況要因を考慮し、説明している理論となります。

まずはリーダーの特性をLPCの「高い」「低い」で分けます。

高LPC:関係志向型、部下に優しい(受容的)

低LPC:課題志向型、部下に厳しい(権威的)

次に集団の状況を、

  1. リーダーと成員の関係が良いか悪いか
  2. 課題の構造(課題や目標、そこに到達する手段の明確化の程度)が高いか低いか
  3. リーダーに付与されている地位や権限の程度が高いか低い

に分けます。

どの状況下のときのどのリーダーシップが機能すると思いますか?

例えば、集団を統制しやすい状況下(関係が良く、課題が明確、リーダーの権限が高い)あるいは集団を統制しにくい状況下(関係が悪く、課題が不明瞭、リーダーの権限が低い)では、低LPCのリーダーシップが有効となります。

「リーダーシップ論」のまとめ

PM理論や条件即応モデルに示される通り、リーダーシップとは、

  • 変革力
  • カリスマ的

などの資質ばかりではありません。組織を円滑に回すこともリーダーシップでは大切になります。

また、リーダーシップではリーダ本人が持つ個性や資質と同様に組織の持つ「組織風土」や「特徴」も大切になります。組織の状況に応じてリーダーシップの正しい在り方は変化します。

組織では状況ごとに柔軟にリーダーシップのあり方を変化できる人材こそがリーダーシップを持っている人と言えるでしょう。

リーダーシップの定義を「変革者」や「カリスマ」に限定することなく、リーダーシップ論を理解できることであなたの仕事におけるリーダーシップへの考え方にも変化が起こります。

リーダーシップ論を感性ではなく理論できちんとした理解しておきましょう。

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