仕事をしていて、温かくほっこりとするようなポジティブな感情をもたらしてくれるのは「他者」の存在です。一方で、冷徹で頭にくるようなネガティブな感情をもたらすのもまた「他者」の存在です。
働き方や業務の内容など、時代が大きく変化していても、仕事での「悩み」の上位には常に「人間関係」があります。
人間関係に疲れた!もう嫌だ!と感じている人はこちらの記事も参考にしてみてください。
仕事では上位に入る、人間関係の悩みはココロの深くに根付いていってしまう特性があります。そして、一度根付いた人間関係のストレスはなかなか解消されません。
そんな、仕事での人間関係ストレスを軽減するにはどのような方法があるのでしょうか?
それが、
👉 仕事での人間関係は「意図的に」ドライに!
です。
極一部の「謎の人から嫌われないスペック」を持っている人を除いては、多くの人は仕事での人間関係でストレスを抱え込んでいるものです。ここではそんな人間関係のストレスを軽減する方法として「意図的に」ドライになろう戦略をご紹介します。
仕事での人間関係をドライにすること生じるメリットをはじめ、この記事では、
- 仕事での人間関係を「意図的」にドライにすると生じる最大のメリットとは?
- 仕事での人間関係を「意図的」にドライにすることでストレスが軽減する5つの心理
- 仕事での人間関係をドライにする方法とは?
についてご紹介します。
【重要!】仕事での人間関係は「意図的に」ドライにする
仕事での人間関係をドライにする上では気を付けなければいけないことがあります。それは、
👉 あなたが「意図して」、つまり明確な意図を持ってドライに対応する
ことです。
人はコミュニケーションを取るとき、大きくは2つのパターンに分かれます。それが、「自己開示」と「自己呈示」と呼ばれるモノになります。
自己開示:ありのままの自分をさらけ出すコミュニケーション
自己呈示:魅せたい自分を演出し、印象を操作するコミュニケーション
このうち、自己呈示における印象操作と意図的にドライになることは共通しています。つまり、あなたが魅せたい自分を意図的に演出することが非常に重要です。
他者とのコミュニケーションと同様に、人間関係でも周囲にぶつける自分は「実像」と「虚像」に分けるべきであるということをしっかりと理解しておきましょう。
「実像」がありのままの自分だとしたら、「虚像」は作られた自分です。
仕事での人間関係を「意図的に」ドライにするということは「ドライな自分」という虚像を創り上げることだと、まずはしっかりと認識しておきましょう。
仕事での人間関係を「意図的」にドライにすると生じる最大のメリットとは?
仕事では「意図的にドライに対応する」自分という虚像を創り上げることで確実に生じるメリットがあります。それが、他でもないストレスの軽減となります。
仕事での人間関係をドライにする最大のメリットは「ストレス」が減る!
人間は実像である本当の自分は本来みなとても傷つきやすいモノです。でも、虚像はいわば仮の自分です。仮の自分がどれだけ傷ついても本当の自分が傷つくことはありません。
本当の自分が傷つかない以上、抱えるストレスは一気に減ることになります。例えば、自分の感情を剥き出しにして、自分の意見を伝えたとき、それが状況の変化に表れないとイラっとしてしまうものです。でも、虚像が言い放つ言葉には感情は付随しません。あなたの虚像(ドライな自分)が傷ついた場合は、機械的にその虚像を再度創り上げれば良いのです。
仕事では「意図的にドライに対応する」自分という虚像をぶつけることで、ストレスは大きく軽減することになるでしょう。
仕事での人間関係を「意図的」にドライにすることでストレスが軽減する5つの心理
ここまで解説してきたように、何となくのドライな対応はおススメしません。あくまでも戦略的に「意図的にドライに対応する」ことに徹していきましょう。
虚像を創り上げるだけでもストレスは軽減しますが、ここでは「人間関係を意図的にドライにする」虚像が、なぜ仕事でのストレスを軽減するのかについて解説していきます。
「意図的にドライな対応をする」ことによって人の心理はどのように動くのでしょうか?そんな具体的な心理について解説していきます。
ストレスが軽減する心理1:周囲の評価が気にならない
人に評価を受ける意識のことを心理学的には被評価意識と言います。
被評価意識とは…文字どおり、評価を被(こうむ)ることへの意識
この被評価意識は仕事をする上では常についてまわるものですが、人にどう思われているかを気にし過ぎることは大きなストレスとなっていきます。
でも、人間関係でドライな対応をあなた自身が心掛けていることで、自然と被評価意識は薄れていくことでしょう。そんな被評価意識の希薄化はあなたの仕事での人間関係のストレスを大きく和らげてくれることでしょう。
ストレスが軽減する心理2:周囲に期待を求めなくなる
例えば、業務量に忙殺されている同僚のAさんを見たとき、あなたがあなたの「誠意という気持ち」や「優しさ」でその職場の同僚を助けたとします。すると、あなたの中では自然と「私が困ってるときはきっとAさんも助けてくれるだとう」という期待を抱くことでしょう。
でも、実際にあなたが業務量に忙殺されているときに、Aさんがあなたを助けてくれなかったとき、あなたはきっとイラっとすることでしょう。
社会的モラルには返報性の規範というルールがあります。
返報性の規範とは…他者から受けた利益や好意に対して、それと同種、同程度のものを返すべきであるという規範。・・・(中略)・・・なお、自己開示の返報性や好意の返報性も、この規範に従った行動と考えられる。
引用:有斐閣『心理学辞典』より
この暗黙のルールに順守してあなたが動くことで、相手が“暗黙のルール”を破ったとき、きっとあなたには怒りが込み上げてきます。でも、日ごろからドライな対応を心掛けていれば、最初から周囲の誰かに期待することはありません。
ときに「期待と落胆はワンセット」になりますが、自分自身が人間関係ではドライに対応している以上、他者に何かを期待することは減り、結果的に職場でのストレスも軽減することでしょう。
ストレスが軽減する心理3:自分自身で割り切れる
周囲の評価も気にならなくなり、周囲に期待もしなくなることで、割り切った感覚を持って仕事ができるようになるでしょう。
周囲との関係性ばかりを意識してしまうと、仕事のうち半分以上は周囲への気遣いにもなってしまうものです。でも、周囲との関係に対して割り切った気持ちを持っていることで、感情のブレは減っていくことでしょう。
自分自身のなかで割り切ることができれば、周囲の人たちとの関係や感情に左右されることなく仕事をこなすことができます。
ストレスが軽減する心理4:仕事に集中できる
自分自身で割り切れることとも共通しますが、ドライな自分を演出することで、周囲からの評価や周囲への気遣いに力を使わなくなります。その結果、あなたはあなたの仕事に没入しやすくなるでしょう。
- 周りの人にどう思われてるんだろう?
- 自分の発言がまわりの人にどのような影響を与えたのだろう?
と他者の感情を類推することは非常に疲れる作業ゆえに仕事の集中力も低下します。でも、あなたがドライな対応を心掛けていれば、そのような形で集中力が途切れるようなことはなくなります。その結果が、あなた自身の仕事への集中力につながっていくことでしょう。
感情の起伏が起きないことで、より仕事に集中できるようになります。
ストレスが軽減する心理5:ON-OFFのスイッチが機能する
コミュニケーションにしても、業務にしても、「仕事モード=ドライな自分」だと自分自身で理解をしておくことで、仕事のスイッチをONにしやすくなるでしょう。
そんな仕事のスイッチのONとOFFを明確に使い分けることができれば仕事のストレスでプライベートまでどんよりするということはありません。
仕事での自分自身は「ドライな対応」を心掛け、仕事モードに突入する、という明確な線引きがあるからこそ、仕事では「言わなければいけないこともしっかりと言える」自分にもなれることでしょう。
そんなONとOFFのスイッチを機能させることができれば抱えるストレスも大きく軽減させることができるでしょう。
仕事での人間関係をドライにする方法とは?
仕事での人間関係は「ドライな方が絶対いい!」と分かっていても、ついついウェットになってしまい、なかなかドライになれない人もいることでしょう。
ここではドライになれない人にもおススメの方法をご紹介します。
「ドライ」モードの自分をイメージする
仕事での人間関係でドライになれれば、
- 言うべきことをしっかりと言える
- やるべきことはしっかりとやれる
- ひと目が気にならない
- 感情的ならない
などなど。ドライなモードに切り替わることでのメリットをとにかくイメージするようにしましょう。
人間関係でドライになることでのメリットを自分自身でしっかりと理解できれば、あなたは自然とイメージで創り上げた自分自身に近づいていくことでしょう。
自分の軸から常にアプローチする
仕事での人間関係でウェットな対応をする人のところには多くの業務の舞い込んでしまうものです。他人に対する優しさが仇になるなんて寂しい気持ちになりますが、仕事ではウェットな対応をする人の方が仕事を頼みやすいこともあり、どうしても多くの仕事が舞い込んでしまいます。また、日ごろからウェットな対応をしている人は、仕事を頼まれると断れないこともあるでしょう。
一方で、人間関係をドライに対応することができれば相手の感情を不意に読み取ってしまうこともありません。相手の感情ありきでアプローチをするとどうしても断ることが難しい仕事でも、自分の軸からアプローチすることができれば「嫌な仕事」、「やりたくない仕事」はしっかりと断れるようになるでしょう。
仕事の人間関係では、自分の軸からアプローチすることを常に心がければ、自分軸で物事を考える癖も自然とを持てるようになることでしょう。
距離感は一定を保つ
ココロの距離もカラダの距離も一定に保つことを心掛けましょう。
この人は大丈夫、この人は危ないなどと、あなたの判断で取捨選択せずに、誰に対してもほどほどの距離感を意識して、人と距離を保つように心掛けましょう。
一部の人に肩入れしてしまうと、あなたの評判は悪くなり、その評判があなた自身のココロを再び疲れさせることも想定できます。
誰に対しても距離感は程よく、一定に保つように心掛けましょう。
感情論を挟まない
仕事の人間関係でドライな人を実践している人の特徴の一つに感情論を挟まないことがあります。これは、ドライな人の鉄則とも言えるでしょう。
仕事では感情が優先してしまうと、判断が鈍ってしまうことも多々あります。また、感情的になって物事がプラスに動くことはほとんどありません。感情的になってしまうとあなた自身が後悔の念に苛まれると同時に、事態が悪化してしまうものです。
仕事でドライな人の定義には、
- 感情的な判断をしない
ことも含まれています。くれぐれも感情に流されないようにしましょう。
働いている意味を自分自身で理解する
働いている人の中には、仕事で出会った人も仲間だと職場の同僚と良く遊ぶ人もいるでしょう。でも、仕事のメインは「友達作り」ではありません。
働いている意味とは何でしょうか?それは、
- 経済的(お金を稼ぐ)
- 自己実現
- 自分の夢を追う
などがメインとなります。もちろん仕事がうまくいくように、コミュニケーションがとりやすくなるようにといった会社の計らいで懇親会などが催されることもあるでしょう。
でも、そんな懇親会も結局は「友達を作る」ことが目的ではなく組織の「生産性の効率化」にあります。
会社が営利集団で企業として存在している以上は「利益を上げる」ことが仕事になります。働く意味や会社の存続は結局のところ利益を上げる、営利を目的としていることに集約されています。
利益を上げる過程で偶発的に生じた友情もあることでしょう。ただ、会社は友達作りの場ではありません。働く場は友達を作る場ではありません。すなわち人間関係を作ること場ではない、ということです。
働きやすい環境を自分自身で整備する意味も込めて、仕事ではドライな対応も必要になることを心に刻んでおきましょう。
仕事での人間関係はドライに!ドライの定義を再確認!
仕事での人間関係の「ドライ」の定義とは何でしょう?
仕事での人間関係における「ドライ」にはいくつもの定義があり、
- プライベートに踏み込まない
- プライベートに踏み込ませない
- 感情を持ち込まない
- 私情を挟まない
- 言うべきことは言う
- やるべきことはやる
- 仕事は仕事と割り切る
などがあります。
そして、仕事や会社での人間関係は学校などの人間関係とは別物です。
仕事での人間関係と学校などプライベートでの人間関係では決定的に異なることがあります。それは、
相手を取捨選択して選べない
ということです。
学校やプライベートでは、遊ぶ相手や飲みに行くメンバーを選ぶ選択権があなたにもあります。一方で、仕事や会社での人間関係では働く同僚や上司、取引先などをあなたの感性で人選、すなわち取捨選択はできません。
つまり、仕事における人間関係では相手を取捨選択することができないのです。だからこそ、仕事の人間関係ではドライになることが重要になります。
取捨選択をできないからこそ、仕事の人間関係での悩みは根深くなるからこそ、仕事での人間関係はドライに対応する必要があります。つまり、仕事での人間関係をドライに保つことは仕事で求められるスキルなのかもしれません。
まとめ
人間関係の悩みはココロを深く蝕んでいきます。そして、相手ありきのストレスはどれだけ考えても、その答えが分からないことからイライラは継続します。
- あの人はなぜあんな発言をしたのだろう?
- あの人はなぜあんな行動を取ったのだろう?
など。様々なことを考えても答えは出ないことでしょう。
でも、仕事での人間関係をドライに保つことができれば、あなたが悩んでいることや悩んでいる時間は確実に減らすことができます。
「仕事はあくまでも仕事」であり、あなたの人生の全てではありません。そして、仕事には転職と言ったリセットすることも可能です。
仕事での人間関係のストレスを抱えている人たちは多く存在しています。そんなストレスを抱えている人たちが人間関係を「意図的に」ドライにしていくことで、ストレスを軽減できるよう、「ドライな自分」にチャレンジしてみましょう。