- 人間関係を構築することが苦手です。
- 初対面の人が得意ではありません。
など、人との関わり方や関係性に不安がある人のほとんどは「会話が苦手」という意識が根底にあります。そこでは今回は、
- 「人に好かれる」話し方のコツ
- 会話が苦手な人「あるある」NG言動
について解説していきます。
あなたの人間関係が円滑にいく、初対面の人と上手く話せるようになるなど、普段の会話にプラスの変化が生じれば何よりです。
なお、人間関係、特に「初対面での営業での会話が苦手だ!」という人もいることでしょう。そんな人は「営業心理テクニック20選」の記事を参考にしてみてください。
会話は人と人との関係性を構築する上では不可欠な要素です。ここで紹介する「人に好かれる」話し方のコツを、人間関係を構築する上でぜひ積極的に活用してみてください。
カウンセラーが教える「人に好かれる」話し方のコツとは?
人との会話ではそれぞれが持つクセが存在しています。会話への苦手意識が強い人はそんな悪いクセがいつも表に出てしまい、会話での失敗を繰り返しているのかもしれません。
会話にはクセがある一方で「コツ」も存在しています。ここでは簡単に身に付けることができる「人から好かれる」話し方のコツ、厳選4選を紹介します。
話し方のコツ1:自然なリアクションを心掛ける
会話を加速させるポイントとして会話の内容に重点を置き勝ちですが、会話を加速させるポイントは実は会話の内容ではありません。
心理学には「メラビアンの法則」という有名な法則があります。これは、アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが1971年に提唱した法則です。
メラビアンの法則とは…人の第一印象は瞬時に判断されるが、その判断材料は「Visual」「Vocal」「Verbal」の3つで、それぞれ視覚、声(質)、内容である。そしてその割合が「55:38:7」であるというもの。
メラビアンの法則によると、
- 第一印象の判断材料は視覚情報:55%
- 声(声色や質、ボリューム):38%
- 言葉である言語情報:7%
メラビアンの法則は初対面という第一印象に限定されがちですが、必ずしも第一印象だけが言語情報の占める割合が低いわけではありません。
人の話しを聞いているときに、その情報が相手に伝わっているのかどうかを判断するときに、あなたは何を見ているでしょうか?恐らく、相手のリアクションや顔の表情を意識していることでしょう。
誰かと会話をする上では、言語情報が相手に伝わっているのかを確認することは実はとても難しいです。例えば、会話の途中に「クイズ」をはさむくらいしか方法がありません。でも、会話の途中で「ここでクイズです!私が〇〇な感情になったことは何が原因でしょうか?」なんてユーモアに溢れすぎた会話をする人はまずいないでしょう。
つまり、人は誰かと会話をするときにはやはり相手のリアクションや顔の表情から「自分の発信した情報が伝わっているのかどうか」を判断します。そのため、言語情報ではなく、表情も含めたリアクションこそが相手の会話を加速させる原動力になります。
話し方のコツ2:相槌やうなづきを上手く使う
深くうなづいたり、相槌を会話の中で何度も行っているうちに相手は「自分の話しに興味を持ってくれている!」と確信を抱き、会話はより円滑に進むことでしょう。
このような会話での相槌やうなづきは強化子と捉えることが可能です。
強化子とは…環境の変化と個体の行動の変容との機能的関係によって定義された刺激の類(クラス)の一つ。行動に後続して起こる環境変化のうち、その後の行動の出現頻度を増加させるものを強化子もしくは強化刺激とよぶ。
引用:有斐閣『心理学辞典』より
あなたの絶妙なタイミングでの相槌やうなづきは強化子になります。つまり、あなたの相槌やうなづきこそが相手の会話を加速させる要素になります。
話し方のコツ3:「感嘆詞」を上手く使う
ほとんどの人は心底驚いた場合は「びっくりした」という状態を表現する前に、
- ぉおっ!!
- わっ!!
- うわっ!!
- ぃやっ!!
などの表現を用います。これを感嘆詞と言います。
このような感嘆詞は感情の表出を裏付ける役割を果たしています。普段の会話ではほとんどの人は無意識に発している言葉で意識することはありませんが、感嘆詞は感情の裏付けとして非常に重要な要素です。
先ほどの会話でも、たとえ同じ驚いた状況であっても、感嘆詞が入ることで驚いたという感情への真実味は変わります。あなたは次のAさん、Bさんのうちどちらがより驚いたと感じますか?
Aさん:「ぅぅ~わっ!!びっくりした!」
Bさん:「びっくりした!」
ほとんどの人はAさんと答えるでしょう。人は無意識のうちにですが、感嘆詞に真実味を感じる心理を働かせています。
驚いた場面だけではなく、普段のありふれた会話の中でも、
- へぇ~
- え~
- なるほど!
- ふんふん
- そっか!
- そういうことか!
などなど。感嘆詞を積極的に用いることで相手の会話に興味があるという感情の真実味を強めることができます。
話し方のコツ4:情報量のバランスを保つ「意識」を持つ
あなたがカウンセラーのようにたただた相談を受ける立場であれば、情報量はアンバランスでも構いません。でも、人間関係を構築するときや初対面のときは会話のなかでのお互いの発した内容の情報量を比較的バランスよく保つことを意識しましょう。
質問することも大事ですが、質問ばかりを続けてしまうと尋問のようにもなりかねません。
例えば、Aさんが、旅行をするのが好きだという話しをしたとします。そこであなたは、質問への意識を強め過ぎていると、
- 最近はどこに行かれたんですか?
- 誰と一緒に行くことが多いですが?
- 一番良かったところはどこですか?
- 一番悪かったところはどこですか?
- 基本的な移動手段は何ですか?
- ホテル派ですかペンション派ですか?
- 次の旅行の予定はありますか?
など、質問ラッシュになると、会話が「アンバランスである」とあなたも気づくことでしょう。
旅行が好きだという話しになったときは「私も好きなんです!最近はどちらに行かれましたか?」程度が望ましい回答になるでしょう。
あなた自身も旅行が好きだとう情報を発信した上で、相手の話しを深堀するスタンスにすれば、会話での情報量のバランスは保たれることでしょう。
どちらか一方が情報を出すのではなく、お互いに情報を出し合いながら会話での情報量をバランスよく保つことも人に好かれる会話のコツであることを覚えておきましょう。
会話が苦手な人「あるある」NG言動
人に好かれる会話のコツがあるように、人に嫌われるNG言動もたくさんあります。ここでは特に人間関係で失敗する人や初対面が苦手な人が普段の会話で発してしまうNG言動をご紹介します。
逆説を多用する
これは非常に多いです。特に職場での人間関係では多用されがちですが、かなりの注意が必要です。逆説NGの代表的な会話はこちらです。
「〇〇さんの言っていることは分かるけど、△△です。」
確かに相手の意思を尊重しようと思って、「言っていることは分かる」という前置きを使う人たちは多くいます。でも、仮に言っていることが分かるなら、その後に逆説はなかなか来ないモノです。一般的には「逆説の後が本当に言いたいこと」になります。
もし、言っていることが分かるなら、
「〇〇さんの言っていることは分かるから、△△の要素も検討してみませんか?」
あるいは、
「〇〇さんの言っていることは私には分かりません。だから△△です。」
とズバッと言ってもらった方が意見はぶつけやすくなるでしょう。
つい否定をしてしまう
世の中には「自分の意見を言うことが正しい」という説もあります。そのため、相手の意見を否定してでも自分の主張をしてしまう人がいますが、それでは関係性は上手く構築されないことでしょう。
会話の中では否定は極力避けることが望ましいです。肯定的な表現である相手の会話に対する相槌やうなづきとは対極にある言動が否定的な発言です。
つまり、否定的な発言を通じて、相手の会話にブレーキをかけてしまうことになるので「つい否定してしまう」人は注意しましょう。
自分の興味ある話にしか聞かない
興味のない話には一切の興味がないアピールをする一方で、自分自身に興味がある場合だけテンション高く話してしまうような会話も当然NGです。
聞きたい話しや興味のある話しにだけがつがつしているけれど、自分の興味のない話しになると途端にスマホをいじり始める人があなたの周囲にもきっと一人はいるでしょう。
先ほどもお伝えしましたが、会話ではバランスが重要です。自分の興味ある話しにだけ反応するような場合は会話での情報量のバランスは大きく崩れてしまうものです。
そんな人はきっと人間関係を上手く構築することは難しいでしょう。
嫌われないように考えてしまう
- この発言をしたら相手はどう思うだろう?
- この発言で相手を傷つけてしまわないだろうか?
- この発言で相手との関係性が悪くならないだろうか?
などなど。自分の発言によって相手からの評価が落ちてしまう、あるいは相手に悪い影響を与えないかと考えるあまり、たわいもない会話でごまかしてしまうことも会話が苦手な人の特徴と言えるでしょう。
相手はしっかりと意見をぶつけてくれているにも関わらず、あなたは当たり障りない会話でごまかしてしまうと相手からすればあなたは「何を考えている分からない人」という評価に陥ってしまうでしょう。
常に相手の顔色ばかりをうかがうのではなく、「言いたいことはしっかりと言う」ことで関係性が深まっていくものです。意見を言って嫌われても仕方がない、といったポジティブな気持ちで会話をするように心掛けましょう。
まとめ
会話は人と人が関係性を構築する上では不可欠な要素です。会話が上手い人の周りには自然と多くの人が集まってきます。一方で、会話が上手くない人の周りには人は集まってこないものです。
家に閉じこもっている日をの除けば、普段の社会生活のなかで一日中、誰とも会話をしない日はほとんどないでしょう。生活のなかでは常に誰かと何かしらの会話をするものです。
日々繰り返される人との会話だからこそ、上手ければ上手いだけ人生はハッピーに転じていくものです。
ここで紹介した「人に好かれる」会話のコツ、
- 自然なリアクションを心掛ける
- 相槌やうなづきを上手く使う
- 「感嘆詞」を上手く使う
- 情報量のバランスを保つ「意識」を持つ
これらは今からでもすぐに使える会話のコツです。あなたの会話への苦手意識を払拭して、少しでも多くのにぎやかでココロ弾むような会話を繰り返しながら、話すことが楽しいと思えるような時間を増やしていきましょう。