カウンセリング

カウンセリングとは?カウンセリングの実際について

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近年、企業のストレスチェックの義務化もあり、メンタルヘルス関連事業は非常に多くなりました。

その流れを受けて、「カウンセリング」という仕事も多くの人に認知されるようになりました。

ここでは、カウンセリングの仕事の実際について、インタビューを交えながら、ご紹介します。

カウンセリングの実際

カウンセリングと聞いて人はどのようなイメージを持つものでしょう?

多くの人は癒しや悩みの相談など、ココロが弱っている人を助ける、というような答えになると思います。

そのイメージで正解でしょう。そして、カウンセリングには必ず心理学がイメージとしてついてきます。

間もなく誕生する日本では初の心理系の国家資格である「公認心理師」の法案のなかでカウンセリングとは、

「心理的な支援を要する相談者の心理状態を観察、分析し、相談者や関係者に助言、指導などの援助を行うこと」

といった表現で、その仕事が表されています。

ココロの状態が良くない人のココロの状態を良くする。これがカウンセリングの主たる目的になります。

つまり「-」から「±0」にココロをシフトさせるのがカウンセリングの仕事です。

カウンセリングの仕事

カウンセリングの仕事とは、現在は主に臨床心理士を中心とする心理カウンセラーの先生が、クライアントの悩みを聴き、その悩みに寄り添うことが主な仕事になります。

カウンセリングの方法は、日本では「来談者中心療法(クライアント中心療法)」という方法が一般的ですが、まさにその名の通り「療法(治療)」です。

つまり、心理的負債を抱えているクライアントの心理的負債を解消することが、仕事になります。

カウンセリングを受ける人たち

〇〇療法という方法論の中心にあるということは、当然クライアントは心理的負債を抱えており、援助が必要な人たちということになります。

ここでキーワードになっている「心理的負債」とは借金のイメージです。

借金とは、まさに返せるだろう、返せるだろう、と考えてるうちに返済が不能になってしまう。

心理的負債も同じようなモノです。まだ大丈夫、まだ大丈夫、と思ってるうちに、一人では抱えきれなくなってしまうモノが心理的負債です。

この心理的負債の返済に、サポートが必要になった人たちがカウンセリングを受ける人たちになります。

カウンセリングのこれからの展望について

ここではカウンセリング歴15年になる心理カウンセラーの先生にお話しをお聞きした内容を掲載します。

インタビューを通じて、少しでもカウンセリングの実際が皆さんに伝わればと思います。

Q:心理カウンセラーの仕事について

一般的な感覚からするとカウンセリングに対するニーズは増えている印象ですが、先生はどのように捉えてますか?

A:ニーズは増えてると感じますが、クライアントは大きくは増えていないですね。

私たちの仕事、心理カウンセラーという仕事は、恐れ多くも医師である精神科や心療内科と同等に捉えられることもあったり、一方では、占いなどの比較的ポップな印象のモノと同等に捉えられることもあったりと…。正直なところ「心理カウンセラー」という仕事が社会のなかで確かなポジショニングを出来てる印象はないです。そのため、ニーズは増えてきているのかもしれませんが、仕事として大きく増えているという印象はないですね。

Q:心理カウンセラーという仕事の大変さについて

私たちの目には心理カウンセラーは、大変な仕事に感じますが、実際はいかがでしょうか?

A:大変か、大変じゃないかで言うとかなり大変ですね。

何が大変なのか?で言うと、一般的なビジネスのスキームで考えて言葉にするなら「客層がつかめない」仕事です。先ほども伝えましたが、医療系の印象から易学的な印象まで、とにかく社会のなかでのポジショニングが確立されていないのです。

例えば20代女性の層が多い、などの一定の決まりや法則が存在することはなく、お客様の年齢や性別、職業やステータスなどが幅広いです。そのため、相談内容も多岐にわたってしまい、汎用性のある知識が求められるため、私はとにかく日々雑学を詰め込み続けています。

Q:では、心理カウンセリングは医療とお考えですか?あるいはサービスとお考えですか?

先ほどの話しの中で、ビジネススキームがないため客層がつかめない、という話しがありましたが、どのようなカテゴリーに分類されると良いと感じていますか?先生個人の見解でも全然良いのでお聞かせください。

A:このカテゴライズが非常に難しいんですが、カウンセリングに共通しているモノがあります。

それは、「カウンセリング=心理学」、であるということです。

医療に近いモノは臨床心理であり、事実メンタルクリニックのカウンセラー募集などは決まって「臨床心理士」資格を保有している者といったような求人が出ています。

ただ、面白いモノで皆さんが意外に興味を抱いている心理学。「一度は勉強したかった!」と言う人も結構います。でも皆さんのイメージする心理学は恐らく臨床心理系ではなく社会心理系が多いのではないかと思います。

カウンセリング=心理学、という共通認識はあるのですが、皆さんが好きな心理学は社会心理学の類のものが多く、社会で仕事になっているメインの心理学は臨床心理学にその基盤があります。そういった意味では、心理カウンセリングは医療というカテゴライズが一般的なのでしょう。

Q:臨床心理などのキーワードについてもう少し、分かりやすい表現などはありますか?

キーワードになる臨床心理や社会心理について、私たちはどのように捉えたらいいでしょうか?

A:「カウンセリング=臨床心理学」「皆さんの身近にある心理学≠臨床心理学」といった感じですかね。

心理学にも大きなカテゴリーで言うと、

一つ目が感情や認知、学習などの基礎的な心理学概論と言われる基礎心理学。

二つ目が教育や発達、臨床を含む臨床心理学。

三つ目が産業や組織、社会を含む社会心理学。

という分け方が出来ると思います。例えば、「心理学=相手のココロを読む」などというポップな印象が出回っているように、どちらかと言うと皆さんが好きなのは社会心理学であることが多いですね。

そのため、クライアントの皆さんに喜んでもらるように私自身もかなり社会心理学の知識を詰め込みました。

Q:カウンセリングの実際と、私たちの感覚にズレがあるんですね?

私も心理学は面白そう、という印象でしたが、実際の現場では必ずしも面白いモノではない。

そうですね、私も今気づきました!

心理学=面白そう

カウンセリング=心理学

カウンセリング≠面白そう

これは公式として成立しないとおかしいですよね?

A:素晴らしい気づきだと思います。

そうなんです。

「心理学=面白そう」、「心理学=カウンセリング」であるなら「カウンセリング=面白そう」という公式があってもいいはずなのですが、この公式は残念ながら成立していないんですよね。

これはやはり実際に行われている心理カウンセリングが、少なくとも医療的側面を強く押し出しいるからだと思います。

つまりカウンセリング「そもそも」の定義が曖昧模糊である以上、その上にいくら何かをビルドアップしてもやはりカウンセリングは曖昧模糊のままになってしまっていると私は思っています。

Q:公認心理師という資格が出来ましたが、何かが変化すると思いますか?

新しい資格が出来ることで何かが変わるような印象もあるのですが、いかがでしょうか?

A:少し認識は変わると思いますが、過度には期待しないでおこうと思っています。

今まで民間の資格だったモノから国家資格に代わるわけですから、少しはいい風に機能するとは思うのですが、この資格は名称独占であり、業務独占ではない、というような一面を持っています。

つまり、国家資格なんですが、その資格を持っているから「〇〇をしていい」「〇〇までは出来る」などの業務のしばりではなく、あくまで名称独占だそうです。

公認心理師を持っているからカウンセラーをしていい、持っていないからカウンセラーをしてはいけない、などの拘束力などは一切ないそうです。

ただ、国家資格が出来る以上、持っていないと「信用」という意味では大きく立ち遅れる可能性があるので、私も試験を受けることになります。

Q:今後の心理カウンセラーはどうなっていくと思いますか?

今後の心理カウンセラーの展望など、先生が感じていることなど、何でも良いので教えて頂けますか?

A:心理カウンセリングがビジネスとして成立するのか?展望は、この1点に絞るべきだと考えています。

現在、様々な領域や方法論で多くの心理カウンセラーの先生たちが現在も仕事していると思います。

もし、心理カウンセリングを医療の一環に位置づけるなら、ビジネスの枠組みに入る必要性はないと思いますが、医療の一環に位置づけられることで対象となるクライアントは一気に絞らてしまいます。

これはあくまでも私個人の見解ですが、国家資格が出来る以上は、医療現場で働く人以外の先生たちが、やはり一定数の「心理カウンセラー」として生計が立つようなビジネスの位置づけが必要になると思います。

Q:ビスネスの位置づけになるために、どのようなことが必要になるのでしょうか?

ビジネスとして成立している印象もありますが、先生の目から見るといかがですか?

A:ビジネスとして成立しているか否かでいうと成立していない、でしょう。

現在、医療現場がなぜ一定の臨床心理士に給料を出せていると思われますか?

それは、医療にはお金がかかるものだという大前提が皆さんの枠組みの中にあるからです。

一方で、友達や家族に悩みを相談した時にお金を払ったことはありますか?

基本的には、ないですよね。ここがビジネスと成立するか否かの「ミソ」になる部分です。どれだけの専門性を持っていても悩みを相談することにお金を払う感覚を持っていない人たちからお金をもらうわけですから。この感覚が変わらない限りはビジネスの枠組みに心理カウンセラーという仕事が入ってこないんだろうなと私は考えています。

それでもこの仕事は社会を良くするためには、必要な仕事だと思っていますし、今後の日本においても大事な役割を担うということは想像できます。

だから今はとにかくどうすればビジネスとしてきちんと成立するのか、、、それを考える機会は多いですね。

まとめ

カウンセリングと言えば、心理学。

心理学は面白いモノだという認識がある一方で、確かにカウンセリングに対してわずかながらでも持っている「悩んでいる人が行く」という、面白いからは対極にあるイメージのズレ。

非常に興味深いなと感じました。

最近では、〇〇を専門にしています、などのうたい文句を出したカウンセリングの機関も増えているようで、非常に良いことだと先生は言っていました。

今後もそのような専門分野を掲げる企業や機関が増えることでお客様が具体的なイメージを持てるようになると良いでしょう。

いずれにせよ、国家資格の誕生が心理カウンセラーの一つの分岐点になればいいなと思います。

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