人間関係

部下の教育で意識すべきは「方法」よりも「タイミング」

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あなたは仕事をしている時、どのような場面でストレスを感じるでしょうか?

仕事では様々なストレスが蔓延しています。

そのなかでも部下や新人などに何かを教えるときに強いストレスを感じることがあります。

「上司」が「部下」に何かを教えるときにストレスを感じる場合、部下の「呑み込みの悪さ」や「態度の悪さ」があります。

「せっかく教えてやってる“のに”…」といったコメントを放ちたくなったことはないですか?

あんなにしてやったのに 『のに』がつくとぐちがでる

引用:「日めくりカレンダー」相田 みつを

でも上司が部下に仕事を教えるときに、最も大切なことは教育の方法でもなければ教育のシステムでもでもないのです。

部下の教育であなたが意識すべきことは教育の「時期=タイミング」です。

ここでは、部下の教育で大切になる時期=タイミングについて解説します。

部下の教育で意識すべきは「タイミング」

ウェルビー先生
新人の部下を教育する時に最も大切にすべきことは何ですか?

そう聞かれた場合にあなたはどのように回答するでしょうか?

ほとんどの人は、

  • 教育の方法
  • 教育のシステム
  • 教える人のスキル
  • 教え方

などと回答するでしょう。

もちろんそれらの回答は間違いではありません。

でも最も重要であり大切にしなければならないことはタイミング(=時期)です。

ここでは、部下を教育する上であるいは物事を教える上で最も大切になるタイミング(=時期)について解説しています。

ウェルビー先生
教育にストレスを感じているあなたのヒントになれば何よりです!

部下の教育は方法よりタイミング1,  臨界期

臨界期とは、人(動物)が物事を学習する上で最も適切な時期のことを言います。

あなたは臨界期という言葉は知らなくても「カモの子どもが親のあとをそのままくっついて歩くシーン」をテレビなどで見たことがあるのではないでしょうか。

それがまさに臨界期に教えられた行動なのです。

臨界期におけるインプリンティングとは?

インプリンティングという言葉は刻印づけあるいは「刷り込み」と言われるモノです。先ほどのカモの子どもの例は心理学でも実験がされています。

カモの卵を孵化させた後“一定期間内に”ヒナを仮親につけてしまうとどうなるでしょう。ヒナはその仮親を親と思い追従する行動を示すのです。

この臨界期におけるインプリンティングの特徴としては次の4つが挙げられます。

①瞬間的に成立すること

これは、一瞬で成立する学習のことを指します。

つまり心理学では(対)呈示と言われるような何度も同じことを言うといったストレスを感じることなく一瞬で学習が成立してしまうことを指します。

②不可逆的であること

不可逆的、つまり永続的であることです。

つまり、一度学習すると元には戻らないことを指します。

これも「瞬間的な成立」と同様に何度も同じことを言わなければならないといったストレスから解放されます。

③無報酬で成立すること

人を教育する上で、報酬を呈示するような教育を行っている会社もあるでしょう。

ただ、不可逆的と関連しますが、外発的な動機付けである報酬を伴う教育は報酬がなくなってしまうと元に戻ってしまう、ということもよくあるでしょう。

④明確な時期があること

これは、最も大切なことですが、臨界期には明確な時期があることが最大の特徴ではないでしょうか。

つまり、「まさに今だ!」というような時期を過ぎてしまうと学習が成立しないという明確な時期があることがその特徴です。

部下の教育は方法よりタイミング2, 最適期

臨界期という言葉を幼児教育などではそのまま使うこともあります。

ただ、臨界期の例「カモの子ども」に代表されるように、臨界期については動物全般の概念を示すものであるという解釈ができるでしょう。

この動物全般に当てはまる臨界期という概念をより「人」に当てはめたモノがこの「最適期」になります。

これはこの言葉の通り、物事を教える上で最適な時期ということになります。

「最適期」は「敏感期」である

この「最適期」は「敏感期」とも言われます。

会社などでの部下の教育や指導では、「天狗になっている」部下が失敗するタイミングで上司が叱責するという場面もあるでしょう。

「人」は自分自身が活躍・成功しているときにはなかなか人の話しを聞くことが出来ません。

一方で、自分自身が失敗し、自分自身にベクトルが向いている時は敏感期となり、人の教えや話しがすんなりと入ってくるという時期です。

部下だけではなく、新人教育などの場合には、会社のことや会社の人間関係のことなどを何も知らない状態で指導するのがまさに「最適期」となります。

その「最適期」を逃してしまった場合は、新たな最適期つまり部下が失敗などで敏感になる時期などを狙うと部下や新人の教育はスムーズにいくということを覚えておいてください。

タイミングが合えば教育は最小の労力で最大の効果を得る

最適期でなくとも指導や教育が必要な場面は多くあります。

ただ、あなたが部下の教育にどれだけ力を使おうともその時期が「最適期」でなければ結局労力の無駄に終わってしまいます。

部下や新人の教育でストレスを感じないためにも部下の教育では方法よりも臨界期や最適期といったタイミングを強く意識するようにしましょう。

そうすることで最小の労力で最大の効果を得ることができ、またあたな自身をストレスから守る方法になります。

部下の教育では「3A」で最適期を待つ

「教育=学習させる」と解釈したとき、その学習において最も大切なことは「タイミング=時期」だということを覚えておきましょう。

人間関係でのストレスに対応するには「3A」という考え方が大切になります。

参考記事:ストレスの原因とは?人間関係のストレスに対処する「3A」

人は何かに失敗したタイミングで人に指導をされると「すんなり」と受け入れることができます。

その時期があるのであればその時期を焦らず、慌てず、諦めずに狙うように心掛けましょう。

「なぜあの部下(新人)はわたしの言うことを聞かないのだろう?」

とあなたが考えるようになっている段階では、教育や育成・指導は意味を成さないことが多いです。

それはお互いに(良くも悪くも)関係が構築されてしまい、物事を教える「最適期」を逃してしまっているということでしょう。

そんなときは最適期を待つように心掛けましょう。

「部下の教育で意識すべきは方法よりも時期」のまとめ

「臨界期」「最適期」を通り越してしまうと、人の教育や指導には何十倍、何百倍もの力が必要になってしまいます。

何となく時期を考えるのではなく「いまだ!」と思う最適期を狙うことが部下の育成や新人教育などでは大切になります。

部下や新人、あるいは職場のストレッサーに対して物事を学習させるには「タイミング」を逃さないようにしましょう。

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