ここでは営業がなぜきついと感じるのか、その理由や解決方法についても紹介しています。あなたの営業に対する捉え方が少しでも変わり、少しでも営業へのモチベーションが再燃すれば何よりです。
営業マンが「営業がきつい」と感じる5つの理由とは?
「数字」や「目標」というノルマの存在
「営業がきつい」と称される最もポピュラーであり、多くの人が「そうだろうな!」と思う理由の一つが「ノルマの存在」です。
ノルマとは、
- 〇〇月までに〇〇円を売る
- 〇〇月までに〇〇人とのアポイントを設定
- 〇〇月まで〇〇回受注をとる
- 売上〇〇円を月内に達成
など。一般には定量評価と言われるモノであり、ノルマとは実際に視認できる、目に見える形での成果となります。
会社から課せられるノルマは企業ごとにまちまちですが、多くの企業は営業マンの成績には敏感です。営業とは会社が存続するため、すなわち会社が売上を上げるための「肝」である職種のため、必然的に企業も営業マンの「数値」には敏感にならざるを得ません。
このノルマをベースにしている「給与体系で働く」営業は数多く存在しています。この営業に多い給与体系とは、
基本給
+
インセンティブ(出来高)
です。そして、営業職では基本給は格安でインセンティブに比重を置いている会社も少なくありません。ただ営業マンからしてみれば、「ノルマの存在」は生活そのものにも強く影響するため、思わず「きつい。」と吐露したくなるものでしょう。
営業職として企業から求められるだけの成績をしっかりと残していれば、給与にも跳ね返ります。一方でノルマをこなしていなければ「真逆の評価」すなわち生活的にも厳しくなります。
「成績が残せない→給料が思うようにもらえない→焦りが生じる→無理矢理営業しようとする→さらに上手くいかなくなる→さらに成績が残せない→さらに給料が下がる→さらに焦りが生じる→さらに・・・」
こんな無限ループのなかを生きていてきつくないはずがありません。ノルマが存在する以上、成績を残せない人からすると「営業はきつい」職種と言わざるを得ないでしょう。
ノルマに伴う会社内の“圧”
ノルマを達成していないことが、「ノルマの存在」による給与面にも悪影響を及ぼすと同時に、上司や同僚、あるいは優秀な後輩から、人格否定とも取れてしまう「心無い言葉」を発せられることも珍しくありません。
「そんな言い方しなくても」とココロのなかでは思いながらも実際に目に見える形で数値が出てしまっているため、返す言葉がなくなってしまうものです。
そんなノルマを達成していない人には、必然的に「社内に“圧”」があり、その圧もまたよからぬ焦りを生じさせることで「きつい」と感じてしまうようになります。
営業先で感じる冷酷な態度
「営業がきつい」理由は社内だけではなく社外にも存在しています。それが商談相手、お客様です。
営利活動を伴う人間関係では必ずと言って良いほどに立場関係が存在します。そして、その立場関係は明白です。
営業での人間関係には恐ろしいほどの「立場関係」が存在しています。そして立場が「下」になるのは決まって欲求を持っている側となります。
つまり、
- 「売り“たい”!」
- 「買って“欲しい”!」
という欲求を持つ営業側が立場が「下」となり、へりくだることになります。
そして、そんな立場関係を分かってか、お客様のなかには営業職に「恐ろしいほどに冷徹な態度」を取るお客様もいることでしょう。
- 一切の話しを全く聞かずに追い返す
- 電話越しで罵声を浴びせる
- アポイントをドタキャンする
など。
社内でかかる“圧”に加えて、営業先でも「人格否定」にも似たような態度を取られてしまった日には「私は何をしてるんだろう?」と存在そのものを考えてしまう営業職は決して少なくありません。
売り込む商材・商品への不安
自分自身が売っている商材や商品に不安や懐疑心を持っていても、「商売」として営業活動を行わなければなりません。
本当はA社の商品の方が価値は高いんだけどな~
と。そんな考え方はたとえ頭にあっても、売り込むべきは自社の商品となってしまう場合、その矛盾に「きつい」と感じることもあるでしょう。「自分自身で価値あるモノ」だと感じた結果、それを世の中に広めるべきだ!
仮に営業自身が自信を持って世に送り出せる商品、もっと言うと世に送り出したいと思う商品の営業であれば、「きつい」とは感じなくなります。そこには営業なりの「使命感」があり、「世に広まったらみんながハッピーになる」という本当のモチベーション、仕事の原動力になるからです。
たまたま目にしたサービスや商品に自分自身が惚れ込んだ!
↓
絶対にこの商品は世に広まるべきだ!
↓
世に広まれば、みんながきっとハッピーになる!
↓
よし、自分が売り込みをしよう!
↓
それこそが、私の生きる意味、使命だ!
このような思考を経て、営業という働き方が成立してきていることは間違いありません。でも、そんな時代は大昔で、いまはただただ業績を上げるためだけに企業は「営業職」という形で人材を募集がします。
業務時間外での残業
営業は相手ありきです。もちろん個人にしろ法人にしろほとんどの人は仕事をしている人がターゲットになります。
そのため、相手の時間をもらうために自分自身の業務時間外でもアポイントを受けることが当たり前のような職種です。とは言っても、営業職の人にももちろん「プライベートな時間」が存在します。
でも、数字を追い求め続けるためには、そんなプライベートの用事よりも仕事を優先しなければならないでしょう。このような状況が幾度となく続くうちに、「自分にプライベートはないのか?」と営業という働く環境にストレスを感じることでしょう。そして、このストレスこそが、営業がきついという気持ちに拍車をかけてきます。
過酷な営業スタイル・ランキングTOP3とは?
「ノルマが存在する」ことで営業はきついものになります。そんな営業の中でもさらに過酷と言われる営業形態が、
- 飛び込み営業
- テレアポ営業
- 高額商品の営業
となります。
「飛び込み」営業
飛び込み営業とは、まさに「飛び込み」で営業を行うスタイルです。事前のアポイント等はなく、突然の訪問という形で商品やサービスを売り込む営業形態です。
アポイントなく飛び込むということはお客様側の状況が全く把握できません。仮に飛び込んだ先が業務に追われている人ばかりだと取り合ってくれることさえありません。100件回って、ようやく「話だけなら」と話しを聞いてくれる人が現れるほどの過酷さがあります。
また、アポイントを取らずに訪問されることに嫌悪感を抱く人も多く、その嫌悪感から注意を受けたり、罵声を浴びることも珍しくありません。
体力的にも精神的にも、ただただすり減る「きつい」仕事だと言えるでしょう。
「テレアポ」営業
テレアポ営業とは、テレホンアポイントメントの営業です。このテレアポという言葉から派生してテレアポ営業という言葉が生まれたとされています。
本来はテレアポ、つまり連絡を行って約束を取り付けることでしたが、いつの間にか、電話で直接的に自社のサービスや商品を「必要以上に強く」売り込む「テレアポ営業」は根強く浸透しています。
こちらも「飛び込み営業」と同様に、個人や法人問わず、何度も電話で商品を売り込まれた経験をしている人はアレルギー反応のように嫌悪感を抱きます。そして、この嫌悪感から電話越しに罵声を浴びたり、文句を言われることもよくあります。
一方で、テレアポと言われるように、最終的にはアポイントを取らなければなりません。不特定多数に電話でアプローチを行い、「初対面かつ顔の見えない人」と毎日何百人と話しをしなければならないテレアポ営業は非常にきついと言えます。
「個人への高額商品」営業
「個人」に対する「高額商品」営業は非常にきついと言えます。
まずは対象が個人であることで「財布の紐」は法人以上に固いと言えるでしょう。そこに加えて商品が高額となればハードルはますます上がります。
そして、「個人への高額商品」営業の代表格と言えば、
- 住宅(戸建てマンションなど)
- 車
- 保険
となります。
世の中には、「毎日コーヒーを飲む人」はたくさんいます。一方で、「毎日家を買う人」はそういないでしょう。つまり、高額商品を売るということは買い手の母集団自体が非常に限定的となります。
そこに加えて高額商品となると個人の購買の意思決定は一筋縄にはいかないものです。ましてや住宅や車の購入には多くの人はローンを活用して、商品を購入します。世の中に数える程度しか存在しない潤沢な資金を多く保有している資産家以外は、安易な意思決定で家や車を購入することはありません。そもそもの母集団が少ない上にちょっとした気持ちでは買わない商材を扱っている場合は「きつい」と感じることでしょう。
また、高額商品については売り側にも責任という重圧はのしかかってきます。高額な分、お客様もシビアな視点で商品を吟味するわけです。「とりあえず買ってみませんか?」と安易な気持ちでおススメすることができない高額商品の営業は「責任」という視点からも「きつい」と感じるでしょう。
抱え込まない!営業がきついと感じた瞬間に取るべき行動4選
「営業がきつい」と感じたときは次の方法を試してみてください。
- 営業方法の転換
- 「営業」という認識の変換
- 営業職への相談
- 職場環境の変化
あなたの視点が変わることで「きつい」と思う気持ちがすこし休まるかもしれません。あるいはもう一度頑張ってみようと前向きになれるかもしれません。
営業方法の転換
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現状、上手くいっていない原因が自分自身にあるとしたら、それは方法論の変更で対処できることもあります。
心理を上手く活用して、現状を打破する気持ちで挑んでみましょう。営業スキルや知識を体得することで今まで思うように残せなかった成績が残るようになることもあります。
営業は、結局のところ、商談相手の購買意欲を駆り立て、態度変容(態度に変化)を促す仕事です。そんな態度変容には必ず商談相手の心理が存在しています。
商談相手の心理を巧みに活用して、ノルマを大きく超えていきましょう。
「営業」という認識の変換
認識の変換は簡単なことではないでしょう。
それでも、本来のあるべき姿の営業は、
サービスや商品に自分自身が惚れ込んだ!
↓
絶対にこの商品は世に広まるべきだ!
↓
世に広まれば、みんながきっとハッピーになる!
↓
よし、自分が売り込みをしよう!
↓
それこそが、私の生きる意味、使命だ!
使命として業務に従事できればきつい気持ちも気にならなくなるでしょう。でも、そう簡単には考えれないことも事実。
そこで人生の使命とは「真逆の」“ゲーム感覚”で捉えるようにしましょう。営業にはノルマが存在しています。それがあなたのクリアすべき数値です。そのクリアすべき数値をどのように到達できるのかを“ゲーム”だと思い込むようにしましょう。
今日も営業か、明日も営業か、と。ネガティブに営業という仕事を捉えている段階では成果は出にくいでしょう。そこで、少しでもポジティブになるために“ゲーム感覚”を持つようにしましょう。
“ゲーム感覚”を持つことができれば、営業への苦手意識が少しだけでも安らぐことでしょう。そんな苦手意識の薄まりがあなたの行動や言動を変えてくれることでしょう。
営業職への相談
最もシンプルな方法ですが、同じ職場の上司や同僚に相談することもおススメです。同じ境遇に身を置く人たちにしか見えていない落とし穴もあれば、同じ境遇だからこそできる的確なアドバイスをもらえることもあるでしょう。また、共感してもらえる内容があればあるほど、共感してもらえる気持ちがあなたの疲労を癒してくれるでしょう。
職場の上司や同僚に相談しづらいときは他社でもよいので、同じ営業職に身をおく友人等にも積極的に相談してみましょう。「業種が違うから言っても一緒だ」とは思わずに積極的に相談しましょう。積極的に相談することで違う業種だからこそできるアドバイスをしてくれることもあるでしょう。
また、「営業がきつい」ことで視野が狭くなっていることもあるでしょう。そんなときこそ人に相談することで自然に視野が広がることもあります。
職場環境の変化
これは最終手段ですが、転職という方法もあります。今の時代は終身雇用がベースではなく極めて流動的な時代です。あなたが培った営業スキルは「移転可能なスキル」とも言えます。そのスキルを手に思い切って転職することは決して消極的な選択肢ではありません。むしろ積極的な選択肢とも言えます。
ただし、もう一度営業職で仕事を探す際には、
- 扱っている商品やサービスを自分自身が使ってみたいと思うか?
- 社風や職場の雰囲気が自分にマッチしているのか?
この2点に強いこだわりを持って転職活動をしましょう。今の営業がただただきつくて「今の会社以外ならOK」なんていう安易な考え方だけは捨ててください。
まとめ:「営業はきつい」理由は?
この記事では3度目の記載となりますが、
サービスや商品に自分自身が惚れ込んだ!
↓
絶対にこの商品は世に広まるべきだ!
↓
世に広まれば、みんながきっとハッピーになる!
↓
よし、自分が売り込みをしよう!
↓
それこそが、私の生きる意味、使命だ!
でも、世の中はそんなキレイごとでは済まないのが実情ですね。いま、営業で苦しんでいる人たちはここで紹介したような、
- 「数字」や「目標」というノルマの存在
- ノルマに伴う会社内の“圧”
- 営業先で感じる冷酷な態度
- 売り込む商材・商品への不安
- 業務時間外での残業
このような理由で苦しんでいることでしょう。
営業は成果を残すことができれば「面白い」と感じることができる職種です。そういった営業独特の「面白さ」を少しでも多くの人が経験できれば何よりです。でも、どうしても営業が好きになれない、という方は「転職」かつ職種の変更という方法も実際に存在します。
ここで紹介した方法、
- 営業方法の転換
- 「営業」という認識の変換
- 営業職への相談
を実践してみて、どうしても「もうダメだ」と感じる場合は転職という選択肢もあるということを頭に入れて、自分自身を追い込み過ぎないようにしましょう。