ここではカウンセリングにまつわる疑問のうち「愚痴だけでもカウンセリングを受けて大丈夫なの?」という疑問について解説します。
愚痴という言葉にはネガティブな印象を持つ人も多いでしょう。
例えば、
- またあの人は愚痴ってるよ!
- あの人はいつも愚痴ばかりだ!
など。
愚痴と言う言葉にはネガティブな印象がありますが、実は愚痴にはココロをすっきりさせる効果があります。そして、このような愚痴をカウンセラー言う(愚痴る)ことで、カウンセリングならではメリットが存在しているのです。
ここでは、
- カウンセラーにで愚痴ることで生じる3つのメリット
- カウンセラーに愚痴ることでのデメリットとは?
- 愚痴を言う相手はカウンセラー以外でも大丈夫なの?
について解説します。
カウンセラーに愚痴ることで生じる3つのメリット
- 愚痴なら友達に聞いてもらった方がいいのでは?
- わざわざ愚痴りにカウンセリングってどうなの?
という疑問を抱く人も多いでしょう。でも、愚痴だったとしてもカウンセラーに相談することでのメリットはあります。ここではカウンセラーに愚痴ることで生じる3つのメリットをご紹介します。
カウンセラーに愚痴るメリット1:守秘義務という守られた空間で愚痴れる
カウンセリングに行ってわざわざ愚痴ってどうなの?と疑問を抱く人もいるでしょう。でも、カウンセラーに愚痴を言うことでのメリットの一つにカウンセラーの持つ守秘義務があります。
カウンセラーはカウンセリングで得た情報をあちこちでペラペラと話すことはありません。愚痴を聞いてくれている相手が愚痴の内容を誰にも話さないとあなた自身が理解できていれば、それは大きな安心につながります。つまり、好きなことを好きなだけ話すことがあなたには許されているのです。
友人や知人、あるいは職場の同僚に愚痴を言った場合には、話した瞬間はスッキリすることももちろんあります。でも、愚痴った後の時間経過とともに、
- ちょっと自分をさらけ出し過ぎたかな?
- 色々と言い過ぎたかな?
- 愚痴っている相手に話してしまったりしないかな?
など、愚痴ったことによる「後悔の念」を抱くことも少なくありません。
一方で、カウンセリングでの愚痴は話しをしてスッキリした後に、後悔が生じることはあまりありません。保護された空間だからこそ、カタルシスという精神の浄化作用は機能しやすくなります。
愚痴る内容は普段人には言えなかったり、言いづらいことも多いはずです。守秘義務が果たされるカウンセリングという空間で愚痴るメリットは存在しています。
カウンセラーに愚痴るメリット2:客観的に自分を見つめ直す機会になる
「ただただ愚痴を聞いて欲しいだけ」の感情を抱き、友人や知人に愚痴を言っていると、思わぬ方向や角度からアドバイスが飛んでくることがあります。
愚痴りたいだけの内容を深堀されて、思いもよらぬアドバイスを受けることで、あなたは結果的にさらにモヤモヤした感情を溜め込んでしまうこともあるでしょう。
でも、カウンセリングではカウンセラーがむやみやたらにアドバイスをすることはありません。突然、問題を深堀されることはなくゆったりと話しを聞いてもらうことで、あなたの「愚痴りたかった思い」や「心理的な負債」は大きく軽減することでしょう。
そして、あなたのココロがスッキリとすることで冷静さを取り戻し、自分自身を客観的に見つめ直すことにつながっていくでしょう。
カウンセラーに愚痴るメリット3:カタルシス効果が最も効率的に働く
あなたにも誰にでも、「カタルシス」という精神を浄化する作用が備わっています。
カタルシスとは…ギリシア語で「浄化」の意味。精神分析学の初期、ブロイアーがヒステリー治療の際に、うっ積した感情の表現を促すことによって症状が改善することを発見して、初めてこの用語を用いた。過去に起こった恐怖や罪悪感を伴った外傷経験は意識に浮かべると不快や不安が起こるため、抑圧されやすい。そういった抑圧された感情や葛藤などを自由に表現させることにより心の緊張をとく方法。
引用:有斐閣『心理学辞典』より
カウンセリングでは、カタルシス効果に期待するカウンセラーも非常に多く存在しています。
友人や知人への相談とは異なり、守られた環境で、求めていないアドバイスが飛んでくることもなく、ゆっくりと自分のペースで愚痴を言うことができれば、カタルシス効果は最も機能します。
友人や知人、同僚や家族ではななく“あえて”カウンセラーに愚痴ることでの最大のメリットはカタルシス効果によって、あなたの気分がスッキリすることだと考えてよいでしょう。
単なる愚痴だとしても、カウンセラーという心の専門家に愚痴ってみることでのメリットは存在しています。こちらでは、47都道府県の心理カウンセリング機関を紹介しています。あなたの住むエリアにある愚痴を聞いてくれそうな心理カウンセリング機関をぜひチェックしてみてください。
※スマホの方は横スクロールでご覧ください。
北海道エリア | 北海道 |
東北エリア | 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 |
北陸信越エリア | 新潟県 長野県 富山県 石川県 |
関東エリア | 東京都 神奈川県 埼玉県 群馬県 千葉県 茨城県 栃木県 山梨県 |
中部エリア | 愛知県 静岡県 岐阜県 三重県 福井県 |
近畿エリア | 大阪府 京都府 兵庫県 奈良県 滋賀県 和歌山県 |
中国エリア | 広島県 鳥取県 島根県 岡山県 山口県 |
四国エリア | 香川県 徳島県 愛媛県 高知県 |
九州エリア | 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 |
沖縄エリア | 沖縄県 |
カウンセラーに愚痴ることでのデメリットとは?
カウンセリングで愚痴ることのデメリットは2つです。
それが、
- カウンセリングにかかる費用
- 時間的な融通がきかない
ことになります。
になります。
カウンセリングには費用がかかる
友人や知人、職場の同僚あるいは家族に愚痴を言ったときに料金を支払うことはまずないでしょう。でも、カウンセリングでは、心の専門家に頼る以上、費用が発生します。そして、カウンセリングの費用は決して安くありません。
実際に、厚生労働省によるとカウンセリング1回あたりの目安金額は次のように記載されています。
医師以外によるカウンセリングは、通常保険が効きませんので、相談機関によりますが、1回(60分)当たり10,000円前後かかります。また、1回限りということではなく、継続する必要がありますので、経済的な負担が大きくなりますので、患者の経済的状況もカウンセリングを適用する際には考慮に入ります。
引用:厚生労働省「こころの耳」より
守秘義務があり、守られた環境のなかで、好きな話しを好きなだけして、話したことを後悔することもほとんどなく、ココロがスッキリする対価として10,000円前後が安いと感じる人もいます。
でも、それはやっぱり高いと感じる人もいることは事実です。
カウンセラーに愚痴ることでの大きなデメリットはその費用となります。決して安くはない費用なので、あなたの経済事情と相談しながら上手くカウンセリングを活用してみても良いでしょう。
時間的な融通がきかない
お金とともに、時間的な側面でもカウンセラーに愚痴るデメリットはあります。
例えば、対面でのカウンセリングの場合は、そのほとんどが予約制となります。もちろん、当日の予約を受け付けているカウンセリング機関もありますが、基本は翌営業日以降になるでしょう。
また、カウンセラーの空き状況によっては、あなたのスケジュールと合わないといったことも出てくるでしょう。
気兼ねなく話したい「愚痴」に煩わしいスケジュールの調整が必要になることもカウンセリングで愚痴ることのデメリットと言えます。
愚痴を言う相手はカウンセラー以外でも大丈夫?
愚痴はカウンセラーだけでなくとも、友人や知人、職場の同僚に言うだけでも心理的負債は軽減します。つまり、愚痴るだけでもココロはスッキリするものです。そのため、カウンセラーに対してだけではなくても愚痴るメリットはあります。
ただし、カウンセラー以外に愚痴を言う場合には注意点があるので、それぞれの注意点についてもご紹介します。
愚痴を言う相手が友人の場合の注意点
あなたの友人の中にも、
- 聴き上手な友人
- アドバイスの上手い友人
- おしゃべり好きな友人
- 深堀してくる友人
など、様々なタイプの友人がいることでしょう。でも、あなたが「愚痴を言いたい」場合はとにかく聴き上手な友人に愚痴を言うようにしましょう。
愚痴を言いたいだけなのに、アドバイスを受けたり問題を深堀りされることでさらなるモヤモヤが溜まってしまうことも珍しくありません。愚痴を言いたいときは「聴き上手な友人」を選んで話しを聞いてもらうようにしましょう。
愚痴を言う相手が職場の同僚の場合
愚痴を言いたい内容のなかには「仕事上の愚痴」が潜んでいることも多いでしょう。仕事上の愚痴であれば職場の同僚に話しをすることで、共感的理解を得られることも多いでしょう。
ただし、職場の愚痴を職場の同僚に言う場合には特に注意が必要になります。
職場のことを分かっている分、アドバイスが飛んでくることもあります。また、同じ集団に所属していることから、直接的に問題解決に動こうとしてくれる同僚も出てくることでしょう。あなたがただただ愚痴を言いたいだけなのに、同僚が実際にアクションを取ってしまうと、問題が肥大化することもあります。
また、仕事の愚痴を職場の同僚に話すときには、「口が堅い(=信頼できる)」同僚に必ず限定しましょう。職場が同じである場合にはあなたの愚痴の対象を職場の同僚も認識できていることもあります。あなたが愚痴った情報が思わぬ形で相手の耳に入ってしまうリスクも十分にあるでしょう。
職場で職場の愚痴を言う場合は、特に愚痴を言う相手に注意を払うようにしましょう。
愚痴を言う相手が家族の場合の注意点
家族には何でも話せる、そんな関係が成立していることは望ましいことです。そんな家族はいつだってあなたの味方になってくれることでしょう。
でも、家族への愚痴は味方である意識が強すぎる分、愚痴を言っているあなたも愚痴を聞いている家族も客観的な視点を見失い、極端な方向に話しが進んでいくことも珍しくありません。
また、何でも言い合える関係だからこそ、ココロに「土足で踏み込まれる」こともあるでしょう。そんなときにあなたは「やっぱり家族に言うべきではなかった!」と後悔するかもしれません。
単なる愚痴だったとしても、関係性が近すぎることでのデメリットもあるということを覚えておいてください。
まとめ
社会生活を営む上で、愚痴なんて何もない!毎日がストレスフリー!そんな生活だったら最高ですよね。毎日を少しでもストレスフリーで楽に生きたい!と思う方はこちらの記事を参考にしてみてください。
でも、実際は毎日がストレスフリーというわけにはいかないモノです。日々の生活の中では大なり小なりストレスはのしかかってくるものです。
そんなストレスを溜めない方法として誰かに「愚痴る」ことは非常に効果的です。愚痴にはネガティブな印象を持つ人もいますが、ココロに溜まった心理的負債を軽減する簡単な方法として愚痴はおススメです。
「大切なことはモヤモヤを溜め込まないこと」です。
特にカウンセラーに愚痴ることで、
- 守秘義務という守られた空間で愚痴れる
- 客観的に自分を見つめ直す機会になる
- カタルシス効果が最も効率的に働く
といった3つのメリットがあります。
カラダにもメンテナンスが必要なように、ココロにもメンテナンスは必要になります。あなたが趣味に没頭することや友人と遊ぶことでストレスを解消できるタイプならそこまで気にしなくても良いでしょう。
でも、ストレスを溜め込む一方でストレスを解消する方法が分からないという人もいるでしょう。そんな人はココロにモヤモヤを溜め込む前に、誰かに「愚痴る」習慣を持っても良いでしょう。
愚痴を言うことはココロのメンテナンスになります。あなたが抱える心理的な負債であるココロの借金を誰かに渡すことであなたのココロは軽くなることでしょう。
ストレスと上手く付き合うためにも、適度に愚痴ることを覚えてみてはいかがでしょうか?